【WTO選挙】辞退勧告を拒否する韓国に、世界から非難の目

 

「我々は「韓国人事務局長の誕生」のニュースを待ちわびている。」

ハンギョレ新聞がこう表現する、全韓国が注目していた世界貿易機関(WTO)の次期事務局長をきめる選挙が終わった。
これにユ・ミョンヒ氏が勝てば韓国人としては初めてWTOのトップになり、国連事務総長になったパン・ギムン氏以来の”快挙”となる。

はじめはユ氏への評価は低くて「無理ゲー」と思われていたけど、予想外の進撃を見せたことで空気が一変し、文大統領は世界中の首脳に電話をかけまくって支持を要請するなど国を挙げてユ氏を強力に推しはじめる。
結果、ファイナルステージにまで勝ち上がったユ氏は、ナイジェリアの候補オコンジョイウェアラ氏との一騎打ちとなり、「我々は待ちわびている」というところにまできた。

でも、『進撃の巨人』でミカサが「この世界は残酷だ」と言ったように、ヨーロッパ・アフリカ・中南米そして日本など世界の多くはナイジェリア候補に票を投じたことが明らかになり、WTO一般理事会議長のデービット議長は「オコンジョイウェアラ氏を推戴することにした」と公式に宣言。
これはつまりユ氏に、「ということで、あなたは諦めてくださいね」と自主的な辞退を勧告しているのと同じ。

「この世界は残酷だ」と言ったあとにミカサが「そしてとても美しい」と続けたように、これまでの常識なら、肩をたたかれた候補者が身を引くことでWTO次期事務局長が完全に決定して全ては終わる。
が今回の韓国は違った。

『進撃の巨人』でミケ・ザカリアスが「人は戦うことをやめた時、初めて敗北する。戦い続ける限りはまだ負けてない」と言ったのを文政権も見ていたのか、自主的な辞退を辞退するというまさかの行動にでる。

朝鮮日報の記事(2020/10/31)

「途中下車」は適切でないとする青瓦台の意向が現実的に見て逆転困難な状況の中、結果に承服せずに選出手続きを遅延させることによる外交的負担が少なくないためだ。

WTO事務局長選、「美しい辞退」に苦心する韓国政府

 

2012年にロンドンオリンピックがおこなわれたとき、フェンシングの韓国代表選手が決勝戦進出をかけた戦いで負けたあと、審判の判定に納得できずにその場で1時間ほど座り込んで抗議する出来事があった。
日本のネットではいまの韓国政府をこれに重ねる人がいる。

 

でもこれには理由があって、WTO事務局長は全会一致で選ばれることを原則としているのだけど、アメリカがナイジェリア候補に反対したため、最終決定にはいたらなかったのだ。

ただ、この段階になってこんなことを言うのは、160以上ある加盟国のなかでアメリカしか聞かない。
「トランプ大統領はWTOを無力化しようとしている」という見方が国際社会で強くあり、今回の動きに対してアメリカへの非難が高まりつつある。
「反対するのならあらかじめすべきであり、なぜ今になってこのようにするのか」と不満をもらしたヨーロッパの国の大使の気持ちは、いま多くの国にシェアされているはず。

たしかにまだ最終的には決まってないから、これから多くの国が立場を変えれば韓国人初の事務局長は誕生するけど、現実的には本当にむずかしい。
ナイジェリアの候補者は「一時的な問題があっても、我々は予定されている次の段階に進むだろう」と勝利を確信している状況だ。

 

こんな背景があって、「韓国人初の快挙」の可能性はまだゼロではないから、韓国政府は「途中下車」は適切でないとまだリングから選手を下ろさせない。
アメリカがどう言おうが、韓国が辞退すれば解決することだから、WTO加盟国のほとんどの国がいま文政権に求めているのは「空気を読め(=美しい辞退)」。
それを拒否する韓国に非難の目が向き始めるのは当然のこと。
もうバスは目的地に着いたのだ。

それで「苦心している」といっても、その原因は「結果に承服せずに選出手続きを遅延させることによる」という文政権の”遅延行為”にある。

素直に負けを認めるすがすがしい「グッドルーザー」の反対にいるのが韓国政府で、文政権の諦めの悪さは異次元だ。
「我々は「韓国の辞退」のニュースを待ちわびている」という国際社会の中でこんな態度をつらぬくと、韓国はもっと大きなモノを失いそうだ。

 

ちなみに、ロンドン五輪の「座り込み」には後日談がある。
審判の”誤審”のせいで選手が決勝戦に進めなかったと主張する韓国は、なんと国際オリンピック委員会に選手に銀メダルをわたすよう要求した。
でもさすがにこれは行き過ぎ、国内のメディアからぶったたかれた。

中央日報の記事(2012.08.04)

国際オリンピック委員会(IOC)は韓国の女子フェンシング選手シン・アラム(26、鶏竜市庁)に共同銀メダルを授与しようという大韓体育会の要請を拒否した。

<五輪>「銀メダル出せ」大韓体育会の恥さらし…五輪は運動会でない

 

「審判の誤審がなければ、最低でも選手は銀メダルを取っていた。だからよこせ」と公式に求める神経がすごい。
今度はWTOに「共同事務局長」を提案するのだろうか。

 

 

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1 個のコメント

  • ま、いいんじゃないですか、好きにすれば。
    そのような我儘を続ければ続けるほど、韓国がいかに世界の秩序と平和を見出そうとしている国であるか、世界中の諸国が知ることになるでしょうよ。
    しかも、昔と違って、そのことは日本にとって必ずしも悪い話ではありません。少なくとも「日本と韓国が違う国であること」をちゃんと知る人間が増えることは間違いない。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。