欧米人と日本人の違い:価値観の押し付け vs 立場の尊重

 

最近、日本に住んでいる欧米人女性が日本の自殺率の高さを指摘するニュースと一緒に、こんなメッセージをSNSに投稿しているのを発見。

多くの外国人は日本をとても安全で平和な国と考えていて、わたしもそれに同意できるけど、でもそこに住んでいるとこんなストレスがある。

「However, many of those who live here in this country are highly stressed and as a woman, I sometimes feel like I’m a second class citizen or something in this society.」

日本社会にいると女性は「二等国民」と扱われていると感じることがある、とこの人は言う。

「日本の自殺率の高さや女性に対する見方について、あなたはどう思う?」と投げかけたこのポストには、日本は同調圧力の強い社会だ、男尊女卑がまだまだヒドイといったいろんな意見が寄せられた。

 

その中でわりと多くの「いいね」を集めたのがこのコメント。

「People from western civilisation has the unfortunate history to criticise and impose their culture on others. How good this has worked out is written in history books.」

西洋文明にいる人たちは他者の文化を批判して、自分たちの文化を押し付けるという不幸な歴史を持っている。これがどれほどうまくいったかは歴史書に書かれている。

これを書いた人(名前からするとたぶん欧米人)は、西洋人による決めつけや価値観の押し付けはあまり成功しないと指摘して、自分たちに合った問題解決の方法を日本が見つけるべきだと言う。

「Japan has to find its own way to solve the problem of equity between genders」

 

 

欧米人、特にアメリカ人が自分たちの価値観を他国に“押し付ける”ことはよくある。

例えば2017年に米議会が中国やアジア諸国に「犬や猫の肉の売買やめよ」という決議案を採択したことは日本では考えられない。
もし国会でそんな動きがあったとしても、「日本の政治家が他国の食文化に口出しするな!」と批判が上がってきっと消える。
まぁこんなことを言い出す議員がいるとは思えないけど。

日本人が大っ嫌いなこと!欧米人の価値観の押しつけ~犬食について~

 

でも、価値観の押し付けはもろ刃の剣。

海外で起きている人道問題に欧米諸国が積極的に介入することで、悲劇の拡大を防止できるケースもある。
アフリカや中東の内戦やロヒンギャ問題、それにともなう難民問題などで、日本にいる欧米人からこう言われたことは何度もある。

「こういう大事なニュースが日本ではほとんど報じられていない。日本人は国内のことしか関心がないのか?」

日本人は他国の文化や立場を尊重するから「価値観の押し付け」は少ないけれど、海外でおきている紛争や人道問題の解決に積極的には動かない。
日本国内でも他人の争いごとには関わりたくないという人は多く、「日本人は他人に冷たい」と言う日本人もよくいる。
国際問題については平和憲法を維持する立場から、諸外国ほど自由に活動できないという理由もあるはずだ。

同時に、他国に住んでいて「この国に暮らす人間として、女性は二等国民の扱いを受けていると感じる。これについてあなたはどう思う?」と発信する日本人も少ないだろう。
「郷に入っては郷に従う」で不満があっても、その国の価値観や文化に自分を合わせる人が圧倒的に多いと思う。

どっちが良い・悪いという単純な問題じゃなくて、日本と欧米社会にはそんな違いがあるのだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。