日本の「嫌韓」をなくすため、2020年に韓国が行った方法

 

まさに1年前のきょう、韓国の全国紙・中央日報に、日本社会にまん延する「嫌韓」をなげくコラム「グローバルアイ」がありやした。(2019.12.06)

2019年、重い嫌韓の空気

韓国人にとって「重い…」と感じる日本の空気とは、一言でいえば「オウンゴール」か「ブーメラン」。
2018年に韓国最高裁が65年の日韓請求権協定をひっくり返し、日本企業に賠償を命じたことで国際法違反の状態を生み出し、その是正を求める日本に対してムン政権は何の対応もとらず、この状態を放置してきた。
そのツケが回ってきたのだ。

韓国政府の態度を見て、日本国内には「韓国は国際法を違反している」という怒りや不満があふれてきて、東京にいたこの韓国人記者はそれを肌で感じ取りこう書く。

1年以上も続いた韓国に対する「ラベリング(labeling)」作業の結果だ。日本社会全般に韓国に対する否定的な空気が流れている。誰かが何かを約束したというわけではないが、誰もがそのように考える嫌韓の空気が日本社会を支配している。

 

ついでに書くと、このころ日本で行われた世論調査では「譲歩するくらいなら日韓関係の改善を急ぐ必要はない」と答えた人が69%もいて、これも韓国人の気分をヘビーにしたらしい。

「韓国は国際法を違反している」という1年間のラベリング作業の期間は、韓国政府が日本を無視していた期間とそのまま重なる。
日本社会に流れる「韓国に対する否定的な空気」もそこからうまれたものだ。
それに韓国で合法的に活動していて、税金を払って雇用も守っている日本企業を「戦犯企業」とラベリングしているのは一体どこの韓国か。
日本人は日本人で、あちらで重い反日の空気に耐えているのだ。

 

気分を軽く前向きにするには、日本の「嫌韓」をなくせばいい。
当然それは韓国側も考えているのだけど、そのための発想や方法は、きっとほとんどの日本人の想像を超えているだろう。

これは1年前の同じころの聯合ニュースの記事(2019.12.23)

南氏は反韓感情の解消に向け、来年の外交部予算を対日広報外交に重点配分したと説明。「日本社会に全方位的にくい込む必要がある」とし、まず日本の世論を主導する財界やマスコミなどを攻略する計画だと述べた。

日本「嫌韓」が最大の問題 広報外交強化へ=駐日韓国大使

 

ナム・グァンピョ駐日大使は「日本国内の嫌韓・反韓世論が最大の問題だと指摘」して、これを解決するために2020年は日本の財界やマスコミなどを「攻略」し、そのための予算を確保したと話す。

きょねん12月こんな記事があったから、ことし一年、日本国内の様子を見てきたけれど、たしかに不自然なほど韓国を擁護するメディアがあった。
この予算が投入された結果かどうかは知らんけど。

 

 

でもコスパを考えれば、日本の嫌韓をなくすには韓国の反日をなくせばいい。それは無理としても、反日を減らすよう予算やエネルギーを使ったほうが、きっと効率よく嫌韓をなくすことができる。

最近でいえば、ドイツの首都ベルリンに登場した慰安婦像だ。
いま日本人に「あなたが思い浮かべる反日のシンボルは?」と聞けば、この像がぶっちぎりの1位だろう。

産経新聞の報道によれば、韓国の市民団体のステルス能力やアピール力は残念ながら日本を上回っているようだ。(2020.12.5)

慰安婦像は不当な日本批判の象徴といえる。だが、韓国市民団体は巧みにその意図を隠し、「戦時下の女性への暴力に反対する像」などと説明して回ったという。(中略)外務省関係者は「日韓の事情に疎いドイツ人は納得してしまう」と頭を抱える。

ベルリン慰安婦像の撤去遠のく 韓国系市民団体などが巻き返し

 

ちなみに「ステルス」という表現を使ったのは、韓国市民団体による像設置の動きをつかみきれなかった外務省関係者だ。
在独日本大使館はいま「総力態勢」で像の撤去に向けて、ドイツ側に働きかけているのだけど、どうやらもう無理っぽい。
こんなザマを見せられた日本国民はネットで「無能」、「いままできちんとやらなかった結果だろ」、「頭を抱えるだけの簡単なお仕事です」と怒りや不満を書き込む。

 

ドイツに慰安婦像を建てることに成功して、“得”をしたのは韓国の反日団体ぐらいだろう。
韓国政府はいま日本との関係改善を望んでいて、その足を引っ張るこの像を心よく思っていないだろうし、朝鮮日報の報道では、「どうして外国まで行ってこんなものを作るのか」といった批判的な論調が韓国で目立つようになったという。
この慰安婦像がうみ出した日本の嫌韓ははかり知れないし、これからもそれは続くはず。国内の不満や怒りの感情はそのまま嫌韓にシフトする。
でも日本でそれは国内限定で、海外へ「輸出」して第三国を巻き込まむことはない。
韓国だけで活動するのなら、日本人も“耐性”ができているからまだいいのだけど、世界に反日をバラまく行為は最も日本人の反感を買うと思う。

この像がパリやロンドンに建てられたら、日韓関係にすさまじいダメージを与えることは必至だ。

韓国市民団体の「ステルス化」には、日本より韓国の政府やメディアが対応したほうが超絶効果的。
予算を使って「日本社会に全方位的にくい込む」必要はなくて、国内に目を向けて反日の芽をつぶしていけば、きっと日韓の空気も軽くなる。
ただし国際法違反については別問題。

 

以下、おまけ

ベルリンの慰安婦像が日韓で注目を集めていたころ、ある欧米人がSNSに「京都を訪れて日本人のホスピタリティに感動した!」といったコメントを書いて、それに日本人が「サンキュー!」と応えたあと、ある韓国人がこんなコメントをする。

「Japan is a war criminal country in the past, hiding and deceiving its past wrongdoings without apology. This act of hiding, glorifying, and heroizing past history is quite different from that of Germany」

日本は戦犯国で、過去の悪行を謝罪もせずに隠して誤魔化す。
このように過去の歴史を隠し誇示して、英雄化する行為はドイツと全く違う。

ごく少数と思うけど、日韓の歴史問題とまったく関係ないところにもこんな憎悪をぶつけて無用な争いを起こす人がいる。
本当に気が重くなる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。