日本と韓国の最大の外交問題だった慰安婦問題。
その最終的な解決を確認したのが5年前のきのう2015年12月28日で、この合意がいまどうなっているのかというと、韓国メディア・聯合ニュースの記事によるとすでに息を引き取ったらしい。(2020.12.27)
慰安婦合意は「すでに死亡」 政府・裁判所に問題解決求める=韓国団体
ケンシロウみたいなことを言ったのは、韓国の市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」。
この団体の信用と評判はことし2020年に地に落ちた。
日本軍の“被害者”である慰安婦おばあさんを支援すると言いつつ、実は元慰安婦の人たちを利用し、カネ集めをしていた事実が明らかになって韓国内で猛バッシングを受けた。
2020年5月の元慰安婦とされる李容洙の告発によって、寄付金のほぼ全てを慰安婦当人たち以外に使うために問題解決を妨害して金稼ぎをする慰安婦ビジネス団体と韓国国内でも漸く認知され始めた。
日本は慰安婦合意で約束したことをすべて実行した。
一方、韓国ムン政権は慰安婦財団を解散させ、この合意を実質的に破棄したのだから「すでに死亡した」という指摘は正しい。
と思いきや正義連の主張はそうではなく、「ドイツ・ベルリンのミッテ区の少女像(撤去を試みた)事態こそこの合意が死亡したという証拠」と日本のせいにするというミラクルな論理を展開する。
国民の支持を失ってひん死状態にあった正義連にとって、ドイツに建った慰安婦像はまさに救世主。
国民の非難を日本へ向けさせ、自分たちへの支持を集める大きなきっかけとなったから、これを最大限に利用しない手はない。
だからこの団体は、日本政府は真実を認めていないし、「被害者の(名誉)回復のために努力するどころか、慰安婦問題自体を消そうとしている」という。
そして韓国の裁判所に対して、「『日本が責任を取るべきだ』という国際社会の法的常識を宣言しなければならない」と訴えた。
国家間の合意を韓国が一方的に破って「日本が責任を取るべきだ」と迫ったうえで、「国際社会の法的常識」を宣言するという価値観は日本にとっては異世界過ぎて話し合いはもう無理だ。
ただ正義連は国内で最も過激な主張をする団体のひとつだから、この意見は韓国でもかなり極端なものとみていい。
さっき書いたように正義連は元慰安婦を利用してカネを集めていたから、慰安婦問題が解決してしまうと困る。
だから日韓合意で解決を確認して日本が支援金を渡すと、問題を解決させないために正義連のメンバーはその金を受け取らないよう元慰安婦に圧力をかけた。
中央日報の記事(2020.05.11)
慰安婦被害女性ら、日本からの支援金受け取ると「裏切り者」の烙印
慰安婦おばあさんを支援するとアピールしていて、実際には「裏切り者」呼ばわりして問題解決を邪魔する。
この事実があとからバレて、正義連は韓国世論の非難を浴びる。
同じ韓国でも保守的な韓国メディア・中央日報はこういう過激団体と違い、合意を白紙に戻してそのあとは“ほったらかし”の韓国政府の無責任を批判する。(2020.12.28)
文政府は慰安婦問題は解決しないで過去3年余りを無為に過ごした。果たして文政府に慰安婦問題解決意志が本当にあるのか、尋ねざるをえない。
【時論】5年前の慰安婦合意を霧散させて無為に歳月を送った韓国政府
5年前に日韓が握手して、元慰安婦47人中35人は日本からの支援金を受け取ってこの問題は収束へ向かっていた。
ちなみに中央日報もこのコラムでも、正義連(当時は挺対協)を「慰安婦問題解決を困難に陥らせた事例は多い」と指摘している。
でもムン政権は慰安婦合意をひっくり返し、慰安婦合意を紙きれにした。
韓国政府は破壊しただけで、この問題にどう決着をつけるかの解決策を何も出していない。文字通り「無為に過ごした」という状態で現在まできた。
日韓が話し合いを重ねて、やっと慰安婦問題の「最終的な解決」にたどり着いてから5年が過ぎたいま、韓国をみてみると、ムン政権の破棄によって合意は“死体”となり、慰安婦団体が現実を無視した主張をして日本を非難している。
こうならないように、あの合意を結んだはずのに…。
「韓日国交正常化50周年を迎えて成し遂げた相当な成果だった」と中央日報が評価する合意も、いまとなっては本当にすべてがを無為でむなしくなった。
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