【親しみを感じない】日本人の間で「韓国スルー」が広がるワケ

 

いま約8割の日本人は台湾に親しみを感じていて、約7割が信頼できると考えているという調査結果が判明した。

台湾をみる日本人の視線。親しみ・信頼を感じる割合は?

台湾に好印象を持つ理由は「日本に友好的だから」が一番多く、「自由・民主主義などの価値観を有している」が次につづく。
日本人と台湾人は互いを知るほど距離が近くなって、もはや「日台関係」と書いて「そうしそうあい」と読んでもおかしくないほどだ。

 

でも、別の隣人に対する視線はまったく違う。

日本経済新聞の記事(2020年10月15日)

韓国人の対日世論、急速に悪化 「印象良くない」71%

韓国人の71.6%が日本の印象について「良くない」と答えている。
これが7割を超えるのは2015年以来で、日本政府による輸出管理措置や民間交流が途絶えた影響が大きいという。が日本の措置に対して、「経済侵略」と国民の反日感情をあおった韓国の政府・メディアの影響も見逃せない。
あれが全国的なノージャパン運動を助長させたのだから。
日本に対して「良い」と思う人は12.3%で、調査を始めた7年前の水準に落ち込んだとか。

日本人に目を向けると、韓国に対する印象は「良くない」という人が46.3%で、19年と比べると3.6ポイント減った。
このときは元徴用工訴訟で日本企業へ賠償を命じる判決が出たことや、韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射事件で日本人の「嫌韓感情」が増幅されて、印象も最悪レベルに落ち込んだ。
それから1年がたって3.6ポイント良くなったけど、これは誤差の範囲内。
間違いなく言えることは、日本人の約半数が韓国に対して悪印象を持っていることだ。

いまの日韓対立の原因となった元徴用工訴訟について、韓国で最も多かったのが「判決に従い、強制執行を行うべきだ」(36%)と、日本企業の資産現金化を国民が支持していることがわかる。
日本では「日本企業は強制執行に従う必要はない」(29.3%)で最多で、「元徴用工への補償は韓国政府が行う」(8.7%)も基本的に同じ見方と考えていい。
日本では、韓国の判決を“無視”すべきと考えている人が多いことがわかる。

この日経新聞の記事で注目すべきポイントはここ。

日韓関係の重要性の質問では、韓国では「重要だ」と答えた人が82%と高い水準を保った。他方、日本側は48.1%にとどまり、温度差がある。

 

日本への印象は悪くなっていても、それでも韓国人は韓日関係を重要と考えているけれど、日本人のほうはかなり冷めている。

この温度差については、1年ほど前にFNNプライムオンラインでこんなニュースがあった。(2019年12月20日)

韓国に「親しみ感じない」人が急増で過去最多に!国民レベルでも“韓国スルー進行”も?改善のきっかけは…

このときの世論調査では日韓関係について「良好だと思う」と答えた人は前年(30.4%)から22.9ポイントも減り、「7.5%と調査開始以来、過去最低となった」という。
「良好だと思わない」という人は約9割もいた。
韓国に「親しみを感じる」という人は前年(39.4%)より12.7ポイント減って、26.7%とこれも過去最低。
「韓国に親しみを感じない」は7割を超えて、こちらは過去最多を記録した。

このときの世論調査では、関係改善を“放置”した人が増加したことに注目が集まった。

日韓関係の発展が「重要だと思わない」と答えた人が去年の25.8%から37.7%へと大幅に増えたのも事実だ。与党内には、関係悪化の中でも韓国との交流自体は維持すべきだという意見の一方で、もう韓国のことは戦略的に無視すべきだという「韓国スルー」とも言える主張もある。

 

もう日韓関係を重視しない、韓国をスルーするという日本人の見方の根底にあるものは「疲労感」だろう。
両政府が話し合いを重ねて解決したはずの歴史問題を何度も持ち出して、日本に反省や謝罪、賠償を求める韓国に疲れを感じて、この関係はもう何をしても変わらないと多くの人がさじを投げている。

読売新聞の社説からも、日本人が韓国を“あきらめる”背景がみえてくる。(2019/06/12)

韓国海軍による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射問題でも韓国は問題のすり替えに終始し、事実関係を認めなかった。(中略)慰安婦問題で日本がさらに謝罪すべきかについて、日本では「必要はない」が80%、韓国では「必要がある」が87%だった。

対韓感情の悪化 「歴史蒸し返し」への苛立ちだ

 

都合が悪くなると次々と論点をずらし、事実関係(=自分たちの非)を認めないのだから、これでは話をしても意味がない。

先ほどのFNNニュースは「韓国スルー」の認識が日本全体に広がっていき、国民レベルで「さらに勢いを増す可能性もある」と指摘していた。
実際その一年後、日韓関係を「重要」と答えた人が韓国で82%、日本では48.1%と「スルー」は勢いを増しているようだ。

歴史の蒸し返しをされたら「またか…」とイラ立ちあきれ、韓国への親しみは霧消して「軽視」の空気が日本社会を覆うのは仕方ない。これを避けるにはムン政権が日本との約束を守ればいい。
いまの韓国には、「日本に友好的だから」と日本人が感じられる要素が絶望的にない。
韓国ともいつか台湾みたいに良好な関係を築ければいいのだけど、「未来志向の韓日関係」を強調しても具体的には動かない韓国政府をみていると、その「いつか」は果てしなく遠そうだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。