日本人にとっては英語の「B(ビー)と「V(ヴィー)」の発音がやや苦手。
だから知人のアメリカ人やイギリス人から、日本人の言う「very(ヴェリー)」が果物の「berry(ベリー)」に聞こえることがあると聞いた。
それは事実だから、日本人英語の特徴として指摘するのは問題なし。
でもそれが時や場所、言い方によっては人種差別になってしまい、発言した人間にはかなりヘビー(またはヘヴィー)なペナルティーが科せられることもあるから要注意。
3日前の18日に40号のホームランを打って、メジャーリーグのホームラン王を独走しているエンゼルスの大谷翔平投手。
ピッチャーとしてもすでに8勝をあげていて、アメリカでまさに無双している。
投手&打者としての成績では、伝説的な大リーガーのベーブ・ルースが1933年に作った記録を追い抜いたから、ふだんは日本に厳しい韓国メディアもこれには脱帽だ。
朝鮮日報の記事(2021/08/20)
彼が球を投げて打つたびに野球の歴史に新たな1ページが加わる。
MLB:大谷、103年ぶりにベーブ・ルースを超える
MLB公式サイト「Cut4」も、ツイッターで大谷選手を祝福したのはいいんだが、なぜその顔をチョイスした?
40htani 🙂 pic.twitter.com/jODX7Fxoq2
— Cut4 (@Cut4) August 19, 2021
大谷選手が40号をスタンドへぶち込んだタイガース戦で、”事件”は起こった。
この試合のテレビ中継で、解説者として出演していたジャック・モリス氏が“大谷対策”を聞かれ、「非常に非常に、注意しなくてはいけない」の意味で、「very very careful」と答えた。
このとき「v」ではなく「b」、つまりヴェリーではなくベリーと発音し、さらに「ry」を「ly」と言う。
これは日本人の英語発音を揶揄(やゆ)した、もしくはバカにしたアクセントであることは明白。
それでこのあとモリス氏は、「アジアのコミュニティーの人たちに不快な思いをさせてしまったのなら、心からお詫びします」などと謝罪するも時すでにおすし。
「あの発言は差別的だ!」とネットで批判の声が上がると、テレビ局もそう認めてモリス氏を無期限の出演停止処分にした。
大谷選手は「気にしていない」と言うが、アメリカ人の感覚としては、差別問題になると言葉だけの謝罪では済まされない。
でもネットを見ると、日本人の受け止め方はかなり違う。
・むこうはなあなあにしないな
・わたーしはー
あめりかじんでーす
ってイントネーションも差別か
・日本で解説者が
「注意するアル」「注意するニダァ」とか言ったら同じ目にあうんじゃ?
・生きにくい時代だなあ
・中川家礼司の中国人漫才もあかんのかw
・タモリアウトじゃん
・名古屋人に対してエビフリャーとか言ってもアウト
中国人漫才なら多分セーフだけど、スポーツ中継の解説で「注意するアル」は頭が狂ってる。ただこうなると、銀魂の「神楽ちゃん」のキャラ設定はどうなるのか?
「Bevery very」と発言してすぐに謝っても、翌日には無期限の出演停止処分が発表されるとか、アメリカ社会は本当に差別に敏感だ。
でも今回の場合はきっと言葉の問題だけじゃない。
メジャーリーグでは1973年に、黒人のハンク・アーロン選手が白人のベーブ・ルースの記録を追い抜こうとすると、それを憎悪した人間から、殺害予告や家族を誘拐するといった脅迫の手紙がハンク・アーロン選手の自宅へ毎日何千通と届いた。
そんな差別を残り越えて、ベーブ・ルースの記録を抜くホームランを打つと、白人黒人にかかわらず客席はみんなスタンディングオベーションで、ハンク・アーロンの偉業を称えたというのがアメリカらしいところ。
外国人で日本人の大谷選手が103年ぶりにベーブ・ルースを超えるという快挙には、アメリカの全ての人が手をたたいて絶賛するとは思えない。
「Bevery, very」は日本人の英語発音を揶揄しただけではなくて、この言葉の根底に、ハンク・アーロンのときのような人種差別的な意識を感じた人もいただろう。
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