「慰安婦=ホロコースト」の暴論に、韓国人からも批判の声

 

国民感情に流されず、反日世論にも迎合しない。
そして客観的な歴史的事実を追求すると評判の韓国・世宗大のパク・ユハ教授が、毎日新聞で「ですよねー」と言いたくなる納得の文章を寄せている。(2021/9/27)

ドイツのような人種抹殺政策とは、構造も脈絡も異なる。慰安婦問題でも支援団体は00年以降、慰安婦の状況とホロコーストを同一視してきたが、そうした不正確な認識は問題解決を引き延ばした。

分かれた韓国の司法判断、政治解決さえ困難に

 

前半部分は、元徴用工訴訟で原告の支援者たちが日本による徴用を、ナチス=ドイツによるユダヤ人の強制労働と同一視していることを批判している。
韓国には元徴用工・慰安婦問題をナチスのホロコーストと「同じ」ととらえる人たちがいて、解決困難な問題をほぼ不可能にさせているのだ。

ホロコーストとは、第二次世界大戦中にナチスがおこなったユダヤ人虐殺のこと。
ヨーロッパ中から集められたユダヤ人をアウシュビッツやソビブルなどの強制収容所に運び、ガス室などで次々と殺害していき、障害者などを含めて全体で約600万もの人間を虐殺した。

対して日本は特定の人種を抹殺する政策をとったことはない。
日本版アウシュヴィッツ収容所や毒ガス室なんてもモノがあったら、革命的な大発見で歴史がひっくり返るわ。
ホロコーストは欧米社会で「悪魔の所業」とか「人類史で最大の悪」のように考えられているから、これに慰安婦問題をオーバーラップさせることに成功すれば、国際世論は韓国の主張を支持し日本の「蛮行」を非難するようになる。
*残念無念ながら、これは一部では成功している。

例えば2015年に、アメリカで反日活動を行う市民団体の理事が韓国メディア・中央日報とのインタビューで、「慰安婦問題をホロコーストのような普遍的な人権侵害事件に昇華させる」ために、アメリカの政治家が出てくるようにしなければならないと強調した。
慰安婦問題を日韓だけの問題にしたくないのだ。
世界の注目を集めるような大問題に拡大したいこの理事は、慰安婦問題をホロコーストと同一視した戦略が有効だと語る。(2015.09.04)

この問題が歴史的事実であり、繰り返されないようにするには具体的な動きが加わらなければならない。ユダヤ人はホロコースト問題をそんなふうに扱っている。それで私たちもユダヤ人のように米国の各地域に教育用の追悼碑を建てた

<インタビュー>「米国内の慰安婦問題、韓日間の政治イシューにすべきではない」

 

2000年ごろから、支援団体が慰安婦の状況とホロコーストを同一視し、そうした不正確な認識によって問題解決を引き延ばしたとパク・ユハ教授が批判したのは先ほどあったとおり。
事実に背を向け反日感情に基づいて、こうした歴史わい曲を主張したり支持する勢力は韓国にも日本にもいる。
存在意義がなくなるから、慰安婦問題が解決してほしくない人たちもいるはずだ。

慰安婦の人たちが辛い思いをしたことについては、日本に法的責任はないとしても、道義的な責任はあると認めたから日本政府はおわびをしたし、10億円の支援金をわたした。
2015年の日韓合意で韓国側がそうした気持ちやお金を受け取って、慰安婦問題の解決を確認した。
それでも慰安婦問題をホロコーストのような「普遍的な人権侵害事件に昇華させる」と主張し、外国を巻き込んで問題を拡大しようとする勢力がいる。
でも日韓関係を大事に考えて、行き過ぎた反日を批判する韓国人も増えてきたように思う。
こうした声は、日本ではあまり知られていないような気がしてならぬ。

 

 

1 個のコメント

  • [行き過ぎた反日を批判する韓国人も増えてきたように思う。]

    今更遅いですね。
    例の教授は竹島で気勢あげているし、シャインマスカットの件も日本が栽培に櫛失敗したのを成功させたと言い張っている

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。