【抗日政府】文大統領を見る、韓国国民と日本の冷たい目

きのう第2次岸田内閣が発足すると、さっそく隣国から祝福のメッセージが届いたようだ。

中央日報の記事（2021.11.11）

文大統領、岸田首相に書簡…「韓日関係、共に努力しよう」

文在寅（ムン・ジェイン）大統領が岸田首相に、新型コロナや気候変動対応などで互いの知恵や協力を求めるのはいいとして、問題は、「韓日関係発展のために共に努力していこうという意思」がどこまでホンキなのか？ってこと。
文大統領は先月４日にも、岸田首相に書簡を送ってこう述べた。

「両国が民主主義と市場経済という基本価値を共有し、地理的・文化的に最も近い国家として、隣国らしい協力の手本を示せるように疎通して協力していくことを期待する」

日韓は政治・経済・地理的には近いといっても、もっとも大事な「信頼」についての根本的な価値観では、いまは銀河系レベルで違っている。
「隣国らしい協力の手本」を世界に示すのなら、戦後最悪となった両国関係を立て直さないといけない。
これは韓国側による合意違反が原因なのだから、まずは韓国政府が責任をもってこの問題の解決策を示さないといけない。
にもかかわらず、文大統領はどこか他人ごとだ。
先月１５日、電話で岸田首相と話をしたときにはこう話す。

「１９６５年韓日請求権協定の適用範囲に対する法的解釈に違いがある問題で、両国間の外交的解決法を模索することが望ましい」
「直接会って両国関係の発展方向について虚心坦壊に意見を交換できることを期待する」

「望ましい」、「期待する」だけじゃ問題は解決しないし、現実は１ミリも動かない。
日本の要求を無視する内容には、岸田首相はいつもの返答をするだけだ。

「徴用や慰安婦問題は完全かつ最終的に解決されており、解決策は韓国が提示しなければならない」

直接会って意見交換をするという、文大統領の期待はかなわず。
このやり取りは、これまでと同じコトの繰り返しだから、もう２人とも再生ボタンしか押していない。

今年はじめ韓国大統領府が公開した写真に、韓国メディアが「尋常でない」とざわついた。
というのはそこには、文大統領が離任する富田浩司駐韓日本大使と並んで立っていたから。
中央日報が調べると、韓国の大統領が離任する日本の大使に会ったという記事は、１９９０年に盧泰愚（ノ・テウ）大統領が梁井新一大使の離任のあいさつを受けた、というものしかなかったらしい。
この破格の対応のねらいは明らかだ。
同時に公開された文大統領のことばから、それが見えてくる。

「韓日両国は最も近い隣国であり、北東アジアと世界平和繁栄のために共に進むべき最も重要なパートナーだ。建設的で未来志向的な関係を早期に復元していく必要がある」

また再生ボタンですか‥。
要するにこれは、岸田首相や日本政府へのラブコールだ。
これまで国民の感情を刺激して、支持率アップなどの政治的目的のために反日を利用してきたのに、ここ最近になって日本との関係改善が必要になったから、こういう露骨なアピールをしただけのこと。

自分ファースト、目の前の利益を優先して、反日と親日の２つのモードを瞬時に切り替える文大統領を、中央日報の論説委員は厳しく批判した。（2021.01.25）

文在寅政権はとりわけ国民感情を動員し、反日を強める燃料にした。もう反日だけではなぜ愛国になれないのかを説明すべき責任がある。民族主義指向が強い「抗日政府」として刻印されているため易しいはずだ。

【時視各角】２１世紀「抗日政府」の責務＝韓国

反日を「燃料」にする文政権の人間は、それを批判する人には「親日派」「土着倭寇」のレッテルを張って攻撃してきたのに、日本が必要だと思えば、そのトップである大統領が３０年ぶりに日本大使と並んで見せる。
こんなパフォーマンスをするから国民にはあきれられるし、中身（解決策）なしで「共に努力しよう」というコトバだけの友好メッセージを送るから日本には一蹴された。

いまの大統領候補者はもう文大統領には関係改善の能力はないとみなし、自分が変えると国民に訴えている。
聯合ニュースの記事（2021.11.11）

韓国野党候補　「大統領になれば直ちに韓日関係改善」

文大統領の任期はあと半年もない。
その中で文氏は、韓国からは「抗日政府」、日本からは「反日政府」と言われて終わってしまわない結果をつくれるかどうか。
といっても来年もまた「望ましい」、「期待する」だけの予感しかアリマセン。
現政権にはもうほとんど期待してないけど、新しい大統領も再生ボタンを押すだけでは困る。