ある20代の日本人男性と韓国人女性のカップルの間で、こんな炎上事案が発生した。
デートをしている最中、会話の中で男性が使った言葉の解釈をめぐって、相手の女性が怒って険悪な雰囲気になる。
それぐらいのコトなら「カップルあるある」の一つだったけど、「日本人は自分の非を認めて謝らない。慰安婦問題でもそう。」と韓国人女性がいらないことを言って争いを激化させた。
こういうこと日本語で「火に油を注ぐ」という。
失敗したっていいじゃないか、人間だもの。といっても、最悪のタイミングで最悪の行動や決断をするのはイタダケナイ。
最近の日韓でその具体例を探すなら、先週の水曜日(17日)に韓国の警察庁長がした竹島(独島)上陸がある。
いま日韓関係は「戦後最悪」と言われるほど悪化しているから、早急の関係改善が望ましいが、それは無理としても、少なくともこれ以上悪化させてはいけない。
そんな時期に、お互いが領有を主張している島に上陸したら、日本からは「不法上陸」となって反発は必至なのに、韓国はあえてそれを行った。
しかもその日はワシントンで日米韓の外務次官による会議が開催されて、共同記者会見を行うはずだった。
その直前に韓国警察のトップが竹島に上陸したことで、日本は韓国と並んで会見をすることを拒否し、なぜか韓国も参加せず、アメリカ単独で記者会見をすることになる。
読売新聞の報道によると、このとき日本政府は「最悪のタイミングでの暴挙だ」と激怒した。でもそれは政府だけじゃない。
警察トップの竹島上陸は12年ぶりのことで、いまこのタイミングでしなければいけないモノではなかったのだ。
韓国に厳しい読売・産経新聞と違って、いつもは韓国にわりとやさしい朝日新聞でもこれは擁護不可能。
きょうの社説「朝鮮戦争「終結」 効果を見極めた論議を」で、「日韓関係を考慮しない韓国の無分別な行動は責められるべき」と非難する。
日本にとっては「不法上陸」でも、韓国でこれは警察庁長による「訪問」だから問題なし。
やって当然の行為を非難する日本の方がおかしいという論理から、ハンギョレ新聞の社説のような表現になる。(2021-11-19)
[社説]外交日程まで取り消した日本の「独島問題への言いがかり」
ハンギョレ新聞は「独島は歴史的、地理的、国際法的に明白に韓国の領土だという点を改めて強調する」と韓国大統領府が明らかしたと伝え、返す刀で日本をこう斬った。
「日本が独島問題に言いがかりをつけ、韓日関係と北東アジアの安定を揺さぶるのは、極めて危険な行動だ。」
「韓国の対話のシグナルに応じるどころか、独島問題まで交渉のテーブルに引き上げ、亀裂を広げようとする歩みを、日本政府は慎んでほしい。」
「今は韓日両国が関係改善のための解決策を探すために、必死に努力しなければならない時であることを忘れてはならない。」
いま両国関係が悪化していることはハンギョレ新聞も十分承知で、「韓国と日本の双方の未来に大きな損失になるだろう」と警告する。なら、なんで最悪のタイミングで最悪の行為を行ったのか?
朝鮮日報の記事にある表現も「言いがかり」と同レベル。(2021/11/19)
韓国警察庁長の独島訪問に日本が難癖…韓米日次官の共同記者会見が取りやめに
日本の正当な抗議は、韓国にとってはむしろ「暴挙」になる。
日本政府が共同記者会見を拒否するほど怒り、反発した理由を韓国側はどうみたか?
中央日報のこの見方は、韓国人の一般的な考え方を表しているだろう。(11/19)
国際的に独島を紛争地域化し、国内的には反韓感情をあおって支持層の結集を狙ったという分析だ。
韓国警察庁長の独島訪問に日本が強力反発…韓日米の3角協力揺れる
でも、これは韓国の政治家がする発想だ。
ここ2年だけをみても、文大統領が支持層の結集をねらい、「日本には二度と負けない」「盗人猛々しい」と反日感情をあおることは何度もあったのだから。
日本でこの見方が多いことは、読売新聞の報道からもわかる。(2021/11/20)
[深層NEWS]韓国警察庁長官の竹島上陸、大統領選へ「結集効果を図るためでは」
日テレの「深層NEWS」に出演した自民党の松川るい議員は、「戦後最悪と言われる日韓関係の傷口に塩を塗った」と韓国を批判する。
東海大の金慶珠教授はいま行われている韓国大統領選にふれ、「与党候補の支持率が伸び悩む中で、結集効果を図るためではないか」と推測し、一橋大の権容(クォンヨン)ソク准教授は「(韓国政府内で)もう少し慎重な議論があってよかった」と述べた。
万歩譲るとして竹島に上陸するとしても、どう考えてもそれはイマじゃない。
大統領選挙での劣勢をみて、不安になった韓国の与党政権側がたくらんだことだろう。
韓国にとっての「当然」は日本では「暴挙」だから、意図的にそうしたら、怒って反発するのは当たり前。
するとそんな日本に韓国が「難くせ」と反発し、日本政府が反韓感情をあおって支持層の結集をねらったと怒り返す。
与党政権側はここまでねらっていたのかもしれない。
政治目的で嫌韓を利用したとか、日本の立場ではそれこそ「言いがかり」だ。
個人的なケンカに慰安婦問題というイラナイ燃料をぶち込むようなもので、こうなるとさらなる炎上は避けられない。
今年も残すところあと40日、平穏無事に終われるのだろうか。
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> 大統領選挙での劣勢をみて、不安になった韓国の与党政権側がたくらんだことだろう。
たくらんだこと「だろう」というのは単なる推定ですが。下記により、断定して構わないでしょう。
1.警察長官の竹島上陸計画を、韓国与党政権は「予め報告を受けていた」が、何も調整しなかった。
2.その後の韓国内世論調査によると、韓国の与党政権および与党次期大統領候補に対する支持率が、実際に上がった。
大統領候補が「産婦人科」は日帝残滓なので名前を変えると公約に掲げたそうで。この調子で和製漢語を全部固有語に換えることができるか見物。7割あるそうだから大変だろうけど。