【韓国人の目】コロナ対応でも日本より「上か下か」が超大事

 

近ごろ韓国に広がるミステリー。
それは、「ジャンケンでも日本には負けてはいけない」といわれるほど強烈なライバル心を持つ日本に、このところコロナの数字で圧倒的な差をつけられているからだ。

最近の韓国は1日の新規感染者や重症者が過去最多を何度も更新していて、病院はすでにパンク状態だから空き病室がなく、必要な治療を受けられない患者が続出。

10日ほど前の報道では、人工呼吸装置がつけられていたほど重症だったコロナ患者2人が、集中治療室に移ることもできなかったし、近くの他の病院にも行けなかった。
中央日報の記事(2021.11.16)

「すでに医療崩壊」韓国、すべて埋まった集中治療室…呼吸器つけて救急室で順番待ち

いまの状況はこのときよりさらに悪化している。
「終わり」が始まったような韓国とは対照的に、玄界灘の向こうでは平和な日常が広がっていた。

日本では11月から「ウィズコロナ」が始まって、規制をかなり取っ払って生活しているのに患者数が増えてない。22日の全国の感染者数はわずか50人だったし、死者ゼロの日もある。
韓国では18日に過去最多の3292人を記録したと思ったら、24日には一気に4116人になって不幸な新記録を出してしまった。
人口比を考えると、韓国の感染者数は日本の100倍以上というトンデモナイ日もある。
重症者の急増や「医療崩壊」も含めて本当に深刻な状態だ。

日韓はワクチンの接種率ではほぼ同じなのに、考えられないような明暗がここ数か月続いていたから、韓国の人たちにはそれがどうしても気になる謎であり、不可解なミステリーだった。

中央日報の記事(2021.10.08)

【グローバルアイ】日本の新型コロナ“数字の謎”

中央日報の記事(2021.10.25)

1日2万5000人から300人台に…日本の新型コロナ感染者ミステリー

朝鮮日報の記事(2021/11/11)

3カ月間で感染者が2万6000人から200人に激減…日本の「コロナ・ミステリー」

 

日本で患者が激減した理由を韓国では、単純に「検査数を減らしたから」と理解する人が多かったらしい。
でもそうやって数字を誤魔化すのは、実際の患者を野放しにすることと同じ。
だからすぐにボロが出て、日本も世紀末のような状況におちいるはず。
でも現実には新規感染者も、重症者も死者も増えていない。

そんなミステリーの原因を、韓国の有名ラジオパーソナリティのキム氏はこう指摘。

中央日報の記事(2021.11.26)

韓国の有名ラジオパーソナリティ「日本の感染者急減、韓国の診断キットなくて変異株検出できず」

キム氏の話によると、日本は「韓国の診断キットを輸入していないほぼ唯一の国」で「検査をしてもデルタ株を感知できない」らしい。
日本の検査キットは性能が低くて陽性でもスルーするから、患者数も少なくなると。
なるほどナルホド。

では、死者数が少ないことはどう説明するのか?
「死亡すれば日本では新型コロナ検査を特に行わない」キム氏は話す。
つまり日本では陽性者も死亡者もたくさんいるのに、韓国の診断キットを使っていないし検査数も少ないから、それが見過ごされているのだと。日本政府は実際の数字を隠していると。
くわしい説明は省くが(意味なさそうだし)、キム氏は「3カ所以上検出する診断キットのほとんどが韓国製」と優秀性を強調する。

こんなキム氏の説にラジオのリスナーは納得したかもだけど、日本のネット民は失笑かあきれ顔のどちらかだ。

・病床ガラガラですが、何か?
・なるほど
謎は解けた
・これがミステリーの真相か
・もう何でもありだなw
・検査しないと死者も重症者も減るのか
韓国もやったらどうだ(笑)

 

こんなキム氏の対極にいるのが、予防医学専門家のイ・ドクヒ教授。
ファンタジー陰謀論とは無縁のイ教授は、いまの日本の状況は「『K防疫』の致命的な誤りを見せる事例」としっかり現実と向き合う。

中央日報の記事(2021.11.25)

韓国慶北医大教授「日本の感染者数急減、K防疫の致命的誤り見せる」

日本は検査数を減らしたから患者数も減ったという説を含め、韓国で流布する急減説について、イ教授は「韓国の防疫が日本の防疫よりも立派だと信じたがるもの」と切り捨て、日本の成功の原因は「自然感染を防がなかったおかげ」という。
韓国と違って日本は、「無症状あるいは軽症で終わる自然感染を止めなかった」というところが良かったらしい。
この見方が正しいどうかはよくワカラン。
でも、「日本のデータねつ造説は(新型コロナウイルス)流行初期から韓国社会を支配してきたフレームだった」という教授の指摘には納得。
「PCR検査もしないで放置するように見えた日本で新型コロナウイルス死亡がなぜ爆発しないのかに対しだれも質問を投げかけなかった」との主張にも完全同意だ。

といっても、イ教授もやっぱり韓国国民の一人だから、韓日が「緊密な共助体制で流行状況を比較分析していたならば」、とても良い結果を得られただろうと韓国の素晴らしさもアピールしている。
日本の感染急減は、韓国の防疫に「致命的な誤りがあることを見せてくれる」と政府に厳しく迫るイ氏は、無症状者・軽症患者を対象にしたPCR検査を中止すべきと、これまでのK防疫を否定するような大胆な提案をする。

 

コロナ対策で「日本より上か下か?」にこだわり過ぎる韓国人は結局、現実が見えてないのだ。
日本の感染者急減の理由を「検査をしていないから」、「韓国の診断キットがないから」と主張する人は事実と向き合わないから、現実を受け入れることもできない。
知人の韓国人は、経済も外交もうまくいかなかった文政権で、自慢できることはK-防疫しかなかったと言っていた。
それさえ日本に「負けた」ということは絶対に認められなくて、アクロバティックな解釈をする人がいてもおかしくない。
「日本のデータねつ造説」を唱えて何かを守ろうとする人にとって、敵は日本かウイルスか?
日韓の上下・優劣を超えて、国民の健康と命を最優先にする人は物事を客観的に見て、韓国内のコロナ患者の数を減らすことを考えている。
ただこうなると日本では、この教授が「事実陳列罪」の罪に問われないか心配する声が上がる。

 

オマケに書くと、きょねん2020年に、日本でガンと診断された人の数は2019年に比べて6万人も減った。
ガンになる人が日本で急に減るわけない。
だからこれは、コロナ禍で検査を受けなくなった人が増えたためと考えられている。
コロナ急減の「ミステリー」どうでもいいとして、こっちは重要な問題だ。

 

 

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1 個のコメント

  • 本当です。韓国のマスコミでは日本のコロナ感染者急減に対して嫉妬している様子です。
    K-防疫」を世界が賞賛し続けていると宣伝してきたが、現在韓国人が感じることが全然違います。
    それが不満なのです。日本は韓国より防疫対策がめちゃくちゃだと言っていましたが、感染者が急変しているので不満なのです。「そんなはずがない」という考え方をするのです。
    日本がうまくいくと韓国のマスコミは怒っているようです。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。