譲らない日本と原告側に迫る期限、韓国政府はほぼ“詰み”か

 

いま韓国政府が「生みの苦しみ」でもだえ苦闘している。

日韓関係をぶっ壊す日本企業の資産現金化、そのタイムリミットが近づいていのに、ユン政権は元徴用工問題を解決する案をまだ見つけられていない。
このまえ来日し、日本の外相や首相と会談を行った韓国外相が分かったことは、韓国側が解決策を示さないと事態は一歩も進まないということだった。

中央日報(2022.07.25)

韓国外交部長官、強制徴用の具体的解決策提示が韓日首脳会談の前提条件と確認

「関係改善に強い意志を持っている」、「全力で努力する」と言うだけでは不十分。
日本政府は解決案の提示という具体的な行動を韓国政府に求めていて、それなしでは首脳会談には応じられないと一線を引く。
そんな重いお土産を持ってパク外相は帰国した。
でも、韓国の原告側は日本の謝罪や賠償金の支払いを求めていて、妥協する気は一切ないと強調する。
そもそもの原因は、2018年に韓国最高裁が元徴用工の原告側の訴えを認め、日本企業に賠償を命じる判決を出したことにある。
これはあり得ない。
この判決は、韓国政府も「完全かつ最終的に解決」したと認めた日韓請求権協定をひっくり返すもので、日本にはとても受け入れられない。

一歩も譲らない日本と原告を同時に納得させる案を出すというのは、ハードルが高すぎて、もはや飛ぶ気をなくすレベル。
かといって事態がこのまま進めば、8月か9月にも現金化が行われるかもしれない。
そうなったら、韓国が日本の怒りの経済制裁をくらう未来は避けられない。

それでいま韓国政府は問題の解決案をひねりだそうと必死になっている。が、「緊張感を持って速く結論を出す」とパク外相は述べるだけで、それはいつごろかといった具体的なコトは何も言わない。
“やってる感”を出しつつ、「日本も誠意ある対応で応じてこそ、問題が解決できる」と日本に譲歩を求めているのが現状だ。
それは原告側の求める謝罪や支賠償金の支払いのことだろう。

そんな「誠意」を求められた日本の状況はどうか?
いま日本政府には、これから韓国政府が「反日路線」に進まないかという不安があるようだ。
というのは、このところユン政権の支持率が急落して30%前半まで落ちこみ、復活する要素が見当たらなず、さらに低下して20%台に突入する気配も見えてきたから。
この傾向に日本の与党内では、支持率が下がると、韓国政府が「反日カード」を切ってきた過去の事実があると指摘し、警戒する声が上がっているという。

中央日報(2022.07.22)

日本「韓国、支持率下落すると反日する」…徴用賠償「対抗措置」検討

実際、ピンチになって支持率を上げたいとき、「反日」をアピールすることはこれまでの韓国政府が何度もやっている。
「日本も誠意ある対応で応じてこそ、問題が解決できる」という外相の主張に対して、自民党内では「安易に譲るべきではない」という正反対の声があって両者に歩み寄りはなし。
支持率が急落中のユン政権には、原告や世論を説得できる可能性がますます遠のいている。

日本の話を聞きながら問題解決を図る韓国政府に、原告の支援団体は国の尊厳を捨てるものと非難して「政府は被害者側をせめて妨害してはならない」と容赦ない。
原告側も日本もいまの韓国政府とは距離を置いていて、近づいているのは「現金化」のタイムリミットだけ。
関係悪化の原因をつくったブン前政権はフェードアウトして、丸投げされたユン政権はいろいろガンバっていると思うけど、どこから現状を見てもかなり詰んでいる。
それでも、韓国政府はなんとか解決案を生み出さないといけないから、日本では不評だった「誠意」を求めたことも、上から目線のもの言いではなくて悲鳴を上げているように見える。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。