「正しい歴史」を知らない韓国人独立門でなぜか日本が悪者に

歴史を大切にする韓国の人たちは、日本人に向かって「歴史を忘れた民族に未来はない」とよく忠告をしてくれる。
ただ、そんな親切心が強すぎる。
2013年にソウルで行われたサッカー日韓戦で、韓国のサポーターがそう書かれた横断幕等を掲げ、スポーツで政治的宣伝を行ったと問題になってしまった。
ちなみに韓国で有名なこのことばは、独立運動家の申采浩（シン・チェホ）のものだとか。

こんな感じに韓国では、自分の放ったブーメランが戻ってきてダメージを負う現象がよく起こる。
ソウルの独立門もそう。

1636年に中国（清）が朝鮮に攻め込むと、朝鮮王朝は屈服してその支配下に置かれた。
この丙子（へいし）の乱によって、朝鮮は清の「属国」となったのだけど、現在では多くの、いやほとんどの韓国人がこの歴史を知らないでいる。
日清戦争で日本が勝利し、朝鮮はこの屈辱的な状態から解放されたことや、当時の韓国人がそれを記念して、1897年に独立門を建てたことも忘れてしまっている。

ソウルにある独立門

フェリス女学院大学教授の新城道彦さんは、ソウル留学中に驚いたことがあるという。
名門大学の大学院生でさえ、韓国史で重要な独立門の正しい歴史を知らなかったのだ。

デイリー新潮（2023年06月21日）

「韓国が中国の属国だった過去があるわけない」――韓国の名門大学の学生も知らない「ソウルの独立門」の由来

朝鮮はどこから独立してこの門が建てられたのか、新城さんが延世大学やソウル大学の学生10人ほどに尋ねてみたところ、正しく「清」と答えられたのは１人だけで、他の学生はすべて「日本」と回答した。
事実と反対の歴史を認識しているというのは衝撃的だ。
ただ、これをきっかけに韓国の学生は自分で独立門の歴史を調べ、間違いを修正した後は、正しい歴史を友人に紹介したというから、確かに歴史を大切にしている。

この”独自調査”から、新城さんは韓国人の歴史認識についてこう考えるようになった。

筆者は留学時の体験から、韓国人が信じて疑わない「正しい」歴史も、実は事実にもとづかない理想像に過ぎない面があることを知った。

ボクも同じ経験をした。
韓国の大学生や日本語を話す人に独立門について尋ねると、みんなその存在は知っていた。
でも、全員みごとに誤解していて、その門は清からではなく、日本からの独立を記念して建てられたとカン違いしている人がほとんどで、清からでも日本からでもないと言う人が１人いた。
では、朝鮮はどこから独立したのか聞くと、

「当時の朝鮮は日本や中国の圧迫を受けて、独立を脅かされていました。だから、朝鮮の独立は朝鮮人が守るという強い精神を全国や世界の人々に示すために、あの独立門が建てられたのです」

と、まったく新しい説を提唱するからビックリだ。
どの世界線にあるんだよ、その独立門は。

「韓国が中国の属国だった過去があるわけない」という思いと「独立門」の存在を両立させるなら、もっとも簡単なのは日本を悪者にすることだ。

２年前に、反日パフォーマンスを行った大学生たちもきっとそんなカン違いをしている。

中央日報（2021.06.03）

韓国大学生団体、日本大使館に続き独立門前で旭日旗を燃やす

この団体は独立門の前で「東京オリンピック（五輪）と日本政府を強力に糾弾する」と書かれた旭日旗を燃やし、現場から立ち去ったという。
相変わらず元気がいい。
でも、ゴミはちゃんと持ち帰ったかな？
それにしても、なんで中国から朝鮮が解放されたことを記念する門で、日本を糾弾する活動をするのか。
あの歴史の文脈においては、支配者である清と戦った日本はむしろ”恩人”になるのに。
この大学生たちは明らかに真の歴史を理解しておらず、独立門を抗日のシンボルと誤解していることはまず間違いない。

申采浩（シン・チェホ）の「歴史を忘れた民族に未来はない」ということばはこういう学生のためにある。
ちなみに、シンの著書にこんなことばはどこにもない。
この名言は、後世に創作されたものとされている。
ブーメラン現象が本当に多すぎだ。