神道で最高の聖地が伊勢神宮なら、キリスト教徒にとってのそれは、エルサレムにある聖墳墓教会だ。
イエス=キリストが処刑されたゴルゴタの丘の上に建てられ、中にはイエスのお墓がある。
聖書の記述によると、イエスは埋葬された3日後に復活したから、聖墳墓教会にあるのは、その間にイエスが入っていた「石墓」になる。
すべて信仰の世界の話で、信じている人にとっては事実だ。
十字軍の戦い
左がキリスト教徒で、右がイスラム教徒
下に転がっているのはイスラム教徒の首
1009年のきょう10月18日、ファーティマ朝(エジプト)を支配していたハーキムの命令によって、エルサレムの聖墳墓教会が完全破壊された。
厳格なイスラム教徒だったハーキムには、この異教の聖堂を認めることはできなかったらしい。
そして、1095年にローマ教皇がクレルモン公会議で、聖地エルサレムをイスラム教徒から奪い返せ! 神のために武器を取れ! と呼びかけると、人々は熱狂して「デウス・ウルト!」(神がそれを望まれる)と叫んだという。
これによって、ヨーロッパのキリスト教徒による軍団「十字軍」が組織され、1096年にエルサレムへ遠征(ムスリム目線では侵略)し、イスラム教徒から聖地を取り戻した。
この壮大な軍事行動の動機は、ここに聖墳墓教会があったから。
でも、これは始まりに過ぎない。
十字軍の遠征は1096年から1303年の間に8回行われ、キリスト教徒とイスラム教徒が激しく戦い、エルサレムの大地にはおびただしい血が流れた。
死者の合計は300万人に達したという説もある。(まず日本人であることを学ぼう)
最終的にはキリスト教徒側が負け、エルサレムと聖墳墓教会はイスラム教徒が支配することとなった。
1009年に聖墳墓教会が破壊されたことは、ヨーロッパのキリスト教徒にとっては大きな衝撃で、ユダヤ人の追放と並び、十字軍(Crusades:クルセイダース)の原動力になったという。
*ハーキムの死後、小さな聖墳墓教会が再建された。
Christian Europe reacted with shock, and this, alongside the expulsions of Jews, served as an impetus to later Crusades.
十字軍の戦い
エルサレムには、ユダヤ教とイスラム教の聖地もあるからややこしい。
21世紀のいま、エルサレムはイスラエルの管理下にあり、ユダヤ教徒とイスラム教徒の間で争いが続いている。
先日、イスラエルを襲撃し、1000人以上の死者を出したイスラム組織「ハマス」は、この戦闘を「アルアクサの洪水作戦」と呼ぶ。
ハマスの主張によると、2021年にイスラエルがアルアクサ・モスクを襲撃したことが、この作戦計画を立てた動機になったという。
キリスト教は舞台から退場したけど、「宗教戦争」はまだ現在進行形だ。
「デウス・ウルト!」って、神が本当にコレを望んだ?
やっぱり、日本人には天照大神が合っている。
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