【告げ口外交】日本人の感情を傷つける韓国の外交戦略

集団の中で、特定の人を孤立させるために陰謀をめぐらせる。
日本人は、誰かを「ハブ」にするような行為を心の底から嫌う。
今回のテーマはそんなコト。
ちなみに、ハブは「村八分」の略で蛇のハブとは関係ない。

ヤフーで「韓国の大統領」と検索すると、「末路」や「暗殺」という不吉な関連ワードが出てくる。
韓国の大統領は退任した後、自殺や暗殺、刑務所に入れられるといった悲惨な末路をたどることが多く、それは日本でもよく知られているからだ。
2013年から2017年まで、大統領を務めていた朴槿恵（パククネ）氏もその一人。
ただ、朴氏は韓国で初めて弾劾され、大統領職を解任された後に投獄されたから、特殊なケースと言っていい。

日本にとって朴氏は、2015年に慰安婦問題の「最終的、不可逆的な解決」を確認した日韓合意を結んだことで関わりが深い。
2021年に釈放された彼女は、韓国メディアに回顧録の連載を始め、いまその内容が日韓の注目を集めている。
その中で朴氏は、「重要な隣国同士に過去のしこりがあってはいけない」という強い思いから、日本と合意を結び、慰安婦問題の解決を約束したと語る。
この考え方には日本も完全同意だ。
この考え方には日本も賛成で、ありません
過去の歴史問題を解決し、日韓関係を前進させることに日本政府が反対する理由はない。

慰安婦合意の結果について、「国家間交渉で意志を100％貫けることはあり得ない」という朴氏の意見にも日本は賛同できるはず。
主張が違い過ぎて話し合っても話にならず、長年続いた外交問題がどちらかの「完勝」で終わるわけない。
15年の合意は日韓が歩み寄って、ギリギリのことろで妥協したのだから、「100：０」なんて結果は最初からあり得ない。
しかし、朴氏の主張で共感できるのはここまで。

問題は、合意に達するまでの韓国側の動きだ。
朴氏によると、慰安婦合意が成立したのは、韓国が日本へ圧力をかけた結果だとか。

東京新聞の記事（2023/10/18）

ドイツのメルケル元首相ら海外首脳らに「日本は厚かましく知らんぷりしている」などと伝え続け、合意成立は安倍晋三首相（当時）が「国際圧力に屈した」結果だとした。

慰安婦合意は「日本への圧力の成果」韓国史上初めて罷免された大統領・朴槿恵氏が回顧録

朴氏は大統領だったころ、国際社会で影響力のある国の指導者と会い、歴史問題での韓国の立場を伝え、日本をおとしめる外交を行った。
この戦略を「告げ口外交」という。
野田佳彦元総理大臣がこれに怒り、「女学生のような言いつけ外交をやって日本を批判している」と非難したことから、この言葉が生まれた。
この外交戦略は他国を味方につけ、日本を孤立させて圧力をかけて、韓国に有利な条件で歴史問題を解決しようとするもの。
しかし、このやり方は陰湿で、日本人の価値観や考え方に反している。
民主党の岡田克也氏の不満が限界突破し、2014年には、朴大統領の補佐官にこう言った。

「どうして第三国に行って日本の悪口を言うのか。そういうことが日本人の感情を非常に傷つけている。言うなら直接会って言われたらどうか」

告げ口外交

海外の首脳に日本の悪口を伝える外交スタイルに対しては、自民党も民主党も関係ない。
告げ口外交は、日本人の感情をすごく傷つける。
でも、これは日本の立場で、韓国は「正しいことを正当に言っているだけ」と日本の批判を一蹴する。

上の慰安婦像（少女像）は韓国のあちこちに建てられ、すでに100体を超えていて、この活動は海外にも広がっている。
2013年には、海外では初めてアメリカにこの像が建てられた。
韓国の全国紙・東亜日報がその意義についてこう説明する。（2013年８月２日）

この少女の像は、太平洋を渡って、日本で侵略や人権蹂躙の歴史を否定する人たちに、恥を悟らせることになるだろう。

太平洋を渡って、日本の恥を悟らせた少女の銅像

韓国内で、慰安婦像を設置するのならまだいい。
日本人の反応を見ると、この像を海外に建てて、「少女が日本軍に強制連行された」「日本軍人の性奴隷にされた」という主張を外国人に伝えようとする動きには、ほとんどの人が強い抵抗や嫌悪を感じている。
「恥を悟らせることになる」も「日本は厚かましく知らんぷりしている」も、根本的な考え方は同じで、海外で像を設置することも「告げ口外交」の一つ。
こうやって日本を孤立させて、国際的な圧力をかけようとする。
だから、日本人の感情を深く傷つけ、怒らせる。
韓国側としては、「正しいことを正当に言っているだけで問題ない」となるのだろうけど。
現在の尹政権は「告げ口外交」をしていない。
これも日韓関係が良好な理由の一因になっている。

海外の首脳に「告げ口外交」を行い、日本が国際圧力に屈したという朴氏の主張には、１ミリも賛成できない。が、朴氏の言葉には共感できる部分もある。
朴政権の次の文在寅（ムンジェイン）政権が、実質的に慰安婦合意を破棄したことについて、韓国の信頼はどうなるのか、国際信頼を失ったと朴氏は嘆き、「他に代案があるのか」と文前政権を批判した。
この思いには日本も一致できる。