前回、親日ドイツ人が奈良へ行って、奈良公園の鹿をとても気に入ったという話を書いた。
今回はそのスピンオフで、有名なことわざの由来を紹介しようと思う。
以前、日本に住んでいる外国人が日本文化の体験イベントを企画して、それをSNSで告知し、そこには、「early birds」は 3000円の料金が2500円になると書かれていた。
英語には「The early bird catches the worm」(早起きの鳥は虫を捕まえる)という有名なことわざがあって、この場合は、早く予約した人は 500円の割引を受けられるという意味になる。
他人より先に動き出すと、チャンスを得られる。
そんな発想は世界的にあり、中国の古典には「先んずれば人を制す」という、日本でも有名な言葉がある。
日本で言うなら、「早起きは三文の徳」だ。
このことわざでは「徳」と書かれることの方が多いけど、「得」でも間違いではない。
三文は現在の価値で100円程度というから、「ならもう少し寝るわ」という人も多いと思われる。
このことわざの由来には諸説あり、その中の一つに奈良の鹿に関係する説がある。
奈良の鹿は江戸時代も大切に保護されていた。というより、その時代の方が現在よりも大事に扱われていた。
鹿は自由に歩き回っていたから、深夜に行き倒れ(路上で死んでしまう)になることもある。
それで朝起きると、自分の家の前に鹿の死体があることもあり、その場合は三文の罰金が科せられた。
だから、奈良の人たちは他人よりも早く起きて、家の前をチェックしたのだ。
そして、もし鹿の死体があったら、それを隣の家の前へ運んでしまう。 それに気づいた人は鹿をさらに隣家に移動させる。
最終的には、いちばん遅く起きた家の人が罰金を払うこととなった。
そんな爆弾ゲームみたいな習慣から、「早起きは三文の徳」が生まれたという。
これが奈良説で、以上の話は「防衛省 自衛隊体育学校」を参考にさせてもらった。
しかし、真面目な善人が救われるとは限らない。
そうやって長い時間をかけてコツコツと稼いで大金にして、70代になって投資詐欺に遭い、全てを一瞬で失うこともあるのが世の中だ。
「一寸先は闇」ということわざも覚えておいていい。
物を供養する独特の信仰。日本の”神”を表す最も正しい英語は?
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