韓国民にとって、慰安婦問題はどれほど重大なのか?

 

近年の韓国経済の成長っぷりはスゴイらしく、韓国メディアを見ると「韓国の1人当たり国民所得、日本を追い越す」といった勇ましい記事がよくある。
そんな韓国にとっての悪夢とは、1997年に通貨危機(国家破綻の危機)におちいったこと。(IMFによる韓国救済
韓国はこのときIMF(IMF)に救済され、国民は大きな屈辱を感じた。

この「亡国体験」は人びとに大きな精神的ショックを与え、韓国出身の評論家・呉善花は韓国社会から「反日の声がほとんど姿を消した」と指摘した。
国がIMFの管理下に置かれたことで、過去の歴史で日本を非難する元気も無くなったらしい。しかし、例外はあった。

従軍慰安婦問題についてだけは、金大中大統領が「人間以下の扱いをしたことに対して日本にきちんとした賠償の要求をしていく」という声明を発表したこともあり、依然としてその姿勢に変化はみられない。

「「反日」を捨てる韓国 (PHP研究所) 呉善花」

 

慰安婦問題に関しては、相変わらず日本を非難していたというから、韓国民にとってこれは最も重要な歴史問題とみていい。
しかし、それも日韓両政府が話し合いを重ね、2015年に「最終的な解決」で合意して日韓の間では終わった。にもかかわらず、2017年に文大統領が8月14日を「慰安婦の日」(「日本軍慰安婦被害者をたたえる日)として国家記念日に定めたため、日本政府が非難し、読売新聞は社説で「反日」に迎合する文政権を強く批判した。(2017年11月29日)

・韓国の独善的な動きによって、歴史問題を巡る日本との溝が一段と深まった。これでは、「未来志向」の日韓関係の構築は遠のくばかりだ。
・韓国人の反日感情が引き継がれていくのではないか。

ソース:慰安婦記念日 「反日」迎合を強める韓国政治

 

読売新聞がそう懸念した8月14日の「慰安婦の日」だが、韓国の大統領から文(ブン)から尹(ユン)に変わったことで様子が変わった。まず、尹大統領は文氏と違って「反日」には迎合しない。去年も今年の「慰安婦の日」も式典には不参加で、メッセージも寄せなかった。
それだけでなく、慰安婦問題については「ブーメラン」もあった。
この問題で絶大な影響力を持っていた韓国団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の元代表が、慰安婦被害者を支援するとアピールして国や国民からお金を集めていたが、じつは私的に使っていたことがバレて、きょねんソウル高裁から懲役1年6カ月の判決を言い渡されたのだ。

聯合ニュースの記事(2023.09.20)

慰安婦支援団体の前理事長に執行猶予付き判決 寄付金横領=韓国高裁

団体が元慰安婦を利用し、自分たちを支援していたことが分かって国民は激怒。信頼を裏切られ、韓国社会で慰安婦問題への「熱」は冷めていった。
実態はよくわからないが、「韓国経済が日本を追い越した!」という報道も国民に自信を与え、日本に対する敵対心も減った気がする。

しかし、「亡国」を体験し、反日の声がほとんど姿を消しても慰安婦問題だけは違った。日韓の歴史問題で、国家記念日に制定されたのはこれしか知らない。今でも韓国民にとってこの問題はとても重要で、大きな関心が寄せられていることは間違いない。
きのうの「慰安婦の日」には、ドイツでコリア協議会が集会を開いている。
大統領が変わって、反日を政治利用する政権が誕生すると、きっとまた歴史問題を巡る日本との溝が深まる。
「慰安婦の日」が地雷であることは今も変わらない。

 

 

ここ30年、慰安婦問題だけで日本はこれほど韓国に謝罪した

韓国テレビ局の「日本語は禁止!」←韓国人と日本人の感想は?

法律より国民感情。「これが国?」怒る韓国人に冷ややかな日本人

韓国の反日の結果。”少女像”が嫌韓日本人をつくって韓国が苦しむ

韓国人にも広がる「愛国疲れ」。反日感情を叱る実態

 

4 件のコメント

  • 慰安婦については、この30年余りの間、韓国の左派が地道に文化コンテンツを通じて扇動した結果で、ほとんどの韓国人が日本が強制的に(拉致などを通じて)慰安婦を引っ張っていき、日本軍の性奴隷にしたと考えるようになりました。今、韓国の一部の良心的な学者たちが慰安婦の実状を韓国社会に知らせていますが、大部分左派に掌握された言論が彼らを「親日派」や「売国奴」と報道しているため、韓国人には真実が知られていません。もどかしくて悔しいです。

  • 正しい歴史を通して日韓友好を築こうとする韓国の学者が、慰安婦について「強制連行」や「性奴隷」といった虚偽の情報を流した日韓の研究者や活動家に対し、「約30年の一世代の間にいろんな詐欺の話を広げた人たちは責任をとってもらいたい」と語りました。
    今はこうした声は少数ですが、韓国で増えてきている気がします。

    https://www.sankei.com/article/20240615-FTRZZIUT5JK6DH3IXUP34XPGRM/

  • 韓国で製売買特別法(売春行為を禁止する法律)ができたのが2004年、その11年後にソウルで1,000人の売春婦たちが「売春を合法化せよ」と要求するデモを起こしたのが2015年です。現在では韓国もそれなりに経済成長した国となったはずですが、下記のような記事によると、男女ともに売買春に対する抵抗感は未だに低いと言わざるを得ません。特に、米国はじめ海外への韓国人女性による遠征売春がひどいことは世界中で知られています。
    この現状で「慰安婦は強制された性奴隷だった」と主張しても、説得力が全くありません。
    もちろん、慰安婦が強制されたものであったことの客観的・物的証拠は全くありません。自由意思に基づく一般募集の記録や、慰安所での価格表・給与記録なら存在しています。韓国人は、そのような現実に目を向けるべきです。

    以下、Wikipediaより:
    経済発展以降も韓国人女性の海外遠征売春婦が蔓延っており、国内外で「売春輸出国」であることが問題になっている[9][10][11]。2006年時点で、ロサンゼルス警察局が毎月逮捕する売春婦のうち90%が韓国人女性である。2010年には、韓国国会における国政監査で「韓国人女性10万人余りが、海外で遠征売春を行っている」と報告されている[12][13][14]。

    [9]^ 기자, 장준성 (2011年6月9日). “미국·호주까지 원정 성매매‥’성매매 수출국’ 오명” (朝鮮語). MBC NEWS. 2023年1月28日閲覧。
    [10]^ 남민 (2012年7月12日). “‘10만 여성 해외 원정매춘’…한국의 수치 꼬집어” (朝鮮語). 헤럴드경제. 2023年1月28日閲覧。
    [11]^ “해외 원정 성매매, 달콤한 유혹의 덫” (朝鮮語). 주간동아 (2006年6月1日). 2023年1月28日閲覧。
    [12]^ “韓国人女性8000人、米国で‘遠征売春’”. 中央日報 – 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2022年5月11日閲覧。
    [13]^ ““売春輸出国”と囁かれる韓国で立ち上がったスレッドの真偽 性売買集局地の閉鎖が加速する一方、性犯罪が増加する韓国の現実 | JBpress (ジェイビープレス)”. JBpress(日本ビジネスプレス). 2022年5月11日閲覧。
    [14]^ “1日12時間、平均5~10人を相手に……アメリカで“遠征売春”に勤しむ韓国・貧困女子の現実 (2017年8月8日)”. エキサイトニュース. 2022年5月11日閲覧。

  • そもそも「慰安婦」とは、在韓米軍基地の周囲に存在する「米軍基地村」で売春業に従事している女性たちを指す呼称でした。それがいつの間にか、これが「日本軍慰安婦」を指す呼称であるかのようにすり替えられてしまっています。
    以下、Wikipediaより:

    基地村で売春に従事する女性たちは、「洋公主(양공주:ヤンコンジュ)」、「洋セクシ(양색시)」、「洋ガルボ(양갈보)」などの蔑称で呼ばれる[4]。また、1980年代に日本の慰安婦問題に注目が集まるようになるまでは、「慰安婦(위안부、comfort women)」はもっぱら彼女たちを指す公的な用語であった[4]。

    もともと基地村は、第二次世界大戦後に外国人将兵が進駐してくる状況の中で自然発生的に成立した面もあったが、性病の蔓延を管理したい米軍と韓国政府の意向から、様々な形で基地近くへ売春関係が集積するよう誘導する政策が採られた[9]。

    1960年代に入ると、政府は、1961年に売春を規制する淪落行為等防止法を制定する一方で、観光事業振興法も制定し,事実上、外国人を相手とする売春事業者として特殊観光施設業者を法的に位置付けた[10]。1962年に全国で104か所指定された淪落地域のうち、32か所が基地村であり、その中には、梨泰院,東豆川,議政府などが含まれていた[10]。

    基地村の経済は1960年代に最盛期を迎えたが、当時の基地村で売春に従事する女性の総数は1.6万人から2万人以上に達したものと推定されている[11]。

    [4] 李娜榮、呉仁済「日本軍「慰安婦」と米軍基地村の「洋公主」 ―植民地の遺産と脱植民地の現在性―」『立命館言語文化研究』第23巻第2号、立命館大学国際言語文化研究所、2011年10月、209-228頁、CRID 1390009224822620800、doi:10.34382/00002668、hdl:10367/8662、ISSN 0915-7816、NAID 110009527266。
    [9][10][11] Moon, Katharine H. S. (1999). “South Korean Movements against Militarized Sexual Labor”. Asian Survey 39 (2): 310–327. doi:10.2307/2645457. ISSN 0004-4687. JSTOR 2645457.

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。