SNSを見ていたら、中国人の投稿で「好失望」という言葉を発見。
「失望することが好き」というのは少し変わったM気質の人のことかと思ったら、中国語の「好」には「とても」という意味があって、「好失望」は「超ガッカリ」という気持ちを表しているらしい。日本と中国の漢字では意味が違うことがあるから、こういうことはよくある。これくらいなら、大したことはないのだけど。
中国に3年ほど住んでいた友人がいて、彼と話していると、日中の文化の違いが話題にあがった。
彼の知り合いに、中国人女性と結婚した日本人がいて、2人はいま日本で仲良く暮らしている。でも、文化の違いから冬になると換気をめぐって衝突することがあるという。
日本人の夫によると、日中では「空気」に対する考え方が違って、2月の極寒の日でも妻は何も言わず、換気のために窓を全開にする。夫は室内の空気が汚れているとは全く感じていないから、10分ほど寒さを我慢するのはバカバカしいし、その間、暖房を消すかつけたままにするのも不合理だと思っている。いっぽう、妻は汚れた空気の中にいると気持ち悪いと言い、アパートのすべての窓を開け、部屋の中でダウンジャケットを着る。夫は「無駄が多いからやめよう」と提案するけど、妻は「あなたの健康のためにしている!」と反論し、ほぼ1日に1回、窓を全開にする習慣をやめようとしない。
ネットで調べたら、他にも日中の文化摩擦に悩んでいる人がいたから、冬でも窓を開けて換気することは、中国では一般的なことかもしれない。そう思って、2人の中国人に聞いてみた。
1人は新疆ウイグル自治区で生まれ育った男性で、もう1人は中国東北部・大連で生まれ育った男性だ。結論から言うと、2人とも妻の意見に賛成で、閉め切った空間にいると新鮮な空気がほしくなるから、換気は日常生活の一部になっている。
ウイグルでは、夏でも冬でも週に3〜4回、15分ほどドアも窓も全開にして家の空気を入れ替えていた。夏は窓を開けると黄砂が入ってきて、後で掃除が必要になるけど、それでも家族全員が換気をしたかったという。
大連の男性は大学の寮に住んでいた時、毎朝ドアを全開にして大学へ行っていたから、通気性は最&高で気持ちよく過ごすことができた。大学から戻ってドアを閉めると、空気がこもるから、季節に関係なく1日に1回くらい窓を全開にして空気を入れ替えていた。大連の冬は寒く、1月の平均気温はマイナス4°Cで、マイナス10°Cを下回ることもある。それでも、新しい空気を吸えると思えば、面倒とも不便とも思わない。「やるな」と言われても彼はするらしい。
ウイグル出身の男性は現在、日本の大学に通っている。研究室が狭く、特に冬になって暖房をつけると、どうしても換気のために窓を開けたくなるけれど、日本ではその習慣がないから我慢している。しかし、どうしても室内の空気が耐えられない時は外に出て深呼吸をして、リセットしてから研究室に戻るという。
あの中国人妻も「郷に入っては郷に従え」を受け入れれば、冬の換気戦は起こらないのだけど、彼女にとってはきっと死活問題だから譲れない。夫は「好失望」と言っているかもしれない。
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