難しい日韓関係 韓国発の「独島問題」で事故に巻き込まれる人たち

日本と韓国の地雷のひとつが、竹島(韓国名:独島)だ。
日本政府は「竹島は歴史的にも、国際法上でも日本の固有の領土だ」と主張している。これに対し、韓国政府はウェブサイト(独岛, 獨島, Dokdo)で「独島は歴史的にも、地理的にも、国際法上でも大韓民国固有の領土だ」と主張していて、この島をめぐる対立は終わる気配がない。

 

韓国外務省HPのキャプチャー

 

触れたら爆発することは分かっているのだから、日韓友好を優先して、この問題はできるだけ避けたほうがいいという配慮は、残念ながら韓国側にはないらしく、最近、こんなことがあった。
中央日報の記事(2025.04.22)

Netflix、BTS出演コンテンツに「独島」字幕表記…日本語でもそのまま表記

ネットフリックスが配信している韓国のバラエティ番組で、登場人物が韓国旗を持って独島観光に出かけるシーンがあり、その画面に英語訳で「DOKDO」、日本語訳では「独島(ドクト)」と表示されていることがわかった。これを見たソ・ギョンドク教授は歓喜し、こう言った。

「独島の正確な表記は歓迎すべきこと」
「独島で直接撮影してグローバルOTTを通じて全世界の視聴者たちに独島を見せることは、私たちだけにしかできないこと」
「独島に関する日本のごり押し主張には断固として対処し、芸能・ドラマ・映画など文化コンテンツを活用した全世界への独島広報をより一層強化しなければならない」

*OTT(Over The Top)はNetflixやYouTubeなどのインターネットで配信されるサービスのこと。

以前、ネトフリのコンテンツで「東海」ではなく、「日本海」と表記されたことに悔しい思いをした教授は、今回は表示がうれしくてたまらない様子。韓国のネットユーザーも、「これこそ文化の力!」、「独島は韓国のもの」、「本当にいい仕事をした!」、「これを機に独島を世界に伝えよう!」と喜びを爆発させている。

もちろん、日本のネットユーザーの反応は真逆だ。

「こういう部分でしか主張できないのがむしろ哀れ」
「韓国向けの番組だとしても気分のいい内容とは到底言えないですね」
「日本で放送し、日本語表記なら、竹島と記載すべき」

これは表現や内容が適切かチェックされた『ヤフコメ』のコメントで、規制のゆるいネット掲示板で、差別語や侮辱語が飛び交っている。良くはないが、よくあることだ。

 

 

日本ではネットフリックスに抗議したという人が何人もいたが、ネトフリ側もその反応を予想していたはず。動画配信する側が特定の国の政治的な主張に加担するのは自殺行為だから、ネトフリはその部分をカットしたり、日本語訳を「竹島」にしたりすることを考えたと思われるが、話の背景や流れを考慮して「独島」の表記を選んだのだろう。

日本では、こうした敏感な政治問題に触れないようにしているから、バラエティ番組であえて竹島を登場させることはない。しかし、韓国で独島は身近な存在で、国民の愛国心を刺激するから、テレビ番組でよく取り上げられる。その結果、第三者が巻き込まれることも多い。最近も、SNSでそんな投稿を見かけた。

その投稿をしたのは、韓国人男性と付き合っている日本人女性だ。彼女は、竹島や慰安婦問題をめぐって彼氏と激しくケンカをして、お互いにダメージを受けた過去があるため、こうした政治問題には距離を置いている。破局を避けるために、最初から「反日」的な内容と分かっているドラマは彼氏1人が見て楽しみ、彼女とその話は一切しないことをルールにした。
でも、先ほどの韓国の番組ではそれを予想できなかった。二人で番組を見ていると、突然、韓国旗を持って「独島へ行ってきまーす」という場面が映り、二人は固まってしまい、とても気まずくなったという。
10年前に比べて、SNSでこうしたカップルをよく見かける機会が格段に増えたという実感がある。

「バラエティーに独島をぶっこむのはやめてくださーい」というこの女性の気持ちは、きっとネトフリも同じだ。

 

 

【韓国人の愛国心】“触らないと”爆発する独島という地雷

【日韓の板挟み】日本の“独島削除”にNOと言った韓国企業

【竹島】韓国で日本の民間人が殺害された第一大邦丸事件

竹島をめぐる最近の日本と韓国 過激な言動・不必要な挑発

日韓友好のコツ 無理して仲良くなる必要はない

韓国を知りましょ! 「韓国カテゴリー」 目次 ②

ホテルのインド人スタッフから見た、日本人と韓国人の違い

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

コメント

コメントする

目次