【歴史歪曲】韓国の大統領、反中の中心で「反日万歳」を叫ぶ

かつて日本を「敵性国家」と呼んだ韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領。果たしてその認識は大丈夫なのか?

1894年にはじまった日清戦争で、日本は真に清に勝利し、翌年に講和条約である下関条約を結んだ。その条約で、日本は清に対して、朝鮮は「完全無欠なる独立自主の国」であり、朝鮮の独立自主を傷つける行為は永遠に廃止することを認めさせた。
これが、日本が清と戦った目的だ。

それまで朝鮮は冊封体制下にあり、清を「主君」と認め、自身をその「属国」としていた。しかし、日本が清を破ったことでその中華秩序は崩壊し、朝鮮は解放された。これで朝鮮は大韓帝国として生まれ変わり、清と同格の国となる。
当時、朝鮮半島を旅行していたイギリス人女性イザベラ・バードはその瞬間を目撃し、『朝鮮紀行』(講談社学術文庫)にこう記した。

「朝鮮に独立というプレゼントを贈った日本は、清への従属関係を正式かつ公に破棄せよと朝鮮国王に迫っていた」

清との従属関係を破棄し、朝鮮の人々は自由を手に入れた記念として独立門を建て、現在でもソウルでそれを見ることができる。
しかし、現代の韓国民にとっては、中国がしたことよりも日本がした朝鮮統治に対する反発が強く、歴史認識では「抗中」ではなく「抗日」が多くを占めている。その結果、独立門を「日本と戦って独立を実現したシンボル」として理解し、歴史が逆転していると感じている人も珍しくない。

 

 

1945年8月15日、日本はアメリカに降伏して、韓国は日本の支配から解放された。先日、それを記念しておこなわれた式典で、イ・ジェミョン(李在明)大統領はこう述べた。

「日本政府が過去の苦しい歴史を直視し、両国間の信頼が損なわれることがないよう努力してくれると期待している」

日本に過去の歴史で注文をつけるのは、「韓国の大統領あるある」だ。
韓国にとって国家的に重要な日である8月15日と、1919年に日本への抵抗運動がおこなわれた3月1日がある。
2021年、ムン・ジェイン(文在寅)元大統領は「3・1独立運動」の式典で演説し、「歴史を直視し、歴史の前で謙虚でなければならない」と述べた。しかし残念なことに、朝鮮日報のコラム(2021/03/06)によると、そのムン大統領が正しい歴史を知らなかったらしい。

反中の象徴・独立門の前で反日万歳を叫んだ文大統領

歴史を客観的に見ると、韓国は日本よりも中国から多くの屈辱や苦難を受けてきた。現代の韓国人はそれを聞いたら怒るだろうが、中国人は、500年以上も「韓半島(朝鮮半島)は中国の一部だった」と考えていた。
しかし、中国共産党を尊敬して反日を掲げる勢力が権力を握ると、韓国では、中国が与えた大きな被害は忘れられた。それが独立門に対する歴史の歪曲につながったと、コラムニストが指摘している。

「この独立門をおかしなことに抗日の象徴だと思っている人がこれほど多いのは、反日が政治の手段になっているからだ。」

2018年の「三・一記念式典」で、文大統領は演説で日本を強く非難した後、独立門へ行進し、独立門の前で大きな声で三回「バンザイ」と言った。
その光景を見て、コラムニストは頭を抱えた。

「文大統領が、独立門は中国から独立したことを記念する象徴だという事実を知っていたなら、決してそこで万歳を叫びはしなかっただろう。」

反中のシンボルである独立門で、大統領が「反日万歳」を叫んでしまった。歴史歪曲が一線を越え、「独立門に対する誤解が喜劇になってしまった」という。
反日を掲げる勢力が権力を握った韓国では、「(日本が)朝鮮に独立というプレゼントを贈った」という、19世紀のイギリス人の記録も受け入れられないかもしれない。

「過去の歴史を直視し、両国間の信頼が損なわれることがないよう努力してくれると期待している」と日本に訴えた現在の大統領が、そんなお粗末な歴史認識を持っていないことを日本は期待している。
李大統領が日本を「敵性国家」と呼んだ背景には、反中を反日とカン違いするレベルの大きな誤解があるのでは?

 

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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