世界を驚かせた「日本のターン」といえば、日露戦争中の1905年、日本海海戦で日本の連合艦隊が見せた「東郷ターン」が有名だ。
連合艦隊はロシアのバルチック艦隊の目の前で一気に方向転換をし、敵軍の前進を邪魔して集中攻撃をしかけた。
この危険な作戦が大成功をおさめ、日本軍はロシア軍を壊滅状態にさせ、最終的には日本を勝利へと導いた。
それから120年の時が過ぎて、いま海外で新しい「日本のターン」が注目を集めているのをご存知だろうか。
「鶴谷ターン」とは?
日本の駅伝やマラソン大会では、折り返し地点に三角コーンが置かれていて、ランナーたちはそこで「鶴谷(つるたに)ターン」と呼ばれる特徴的な曲がり方をすることがある。
かなり速いスピードで走ってきて普通に曲がると、遠心力がかかってしまうため、遠回りになってしまう。
鶴谷ターンはその不利を抑え、「最速」をめざした曲がり方だ。折り返し地点で、クルリとコーンに背中を向け、ステップを踏むように回って向きを変える。
※百聞は一見にしかず、動画を見ればすぐに分かる。
鶴谷ターンという名前は知らなくても、「これか!」と思う人がいるはずだ。
以前、「鶴谷杯駅伝」で高校生がこれを披露したことから、「鶴谷ターン」と言われるようになったという。
海外で広がる「日本式ターン」
マラソンに宗教や国境は関係ない。
このスポーツを愛する人は世界中にいて、そんな人たちのあいだで「鶴谷ターン」が注目を集めている。
もちろん、「The Tsurutani turn」ではなく、海外では日本独特な曲がり方として「Japanese turn」や「Japanese U-Turn」と呼ばれている。
外国人のやり取りでは、見た目の印象から「減速してリズムが崩れる」、「フォームが乱れる」とネガティブな反応をする人もいたが、実際にやってみた人から「いや効率的だ」というポジティブな反応が返ってきていた。
外国人のランナーが実際にやってみて、普通の曲がり方と日本式を比較検証する動画もたくさんある。
海外メディアも注目
海外のマラソン専門誌Canadian Running Magazineもこの曲がり方を特集し、こんな記事を掲載した。
「How to nail hairpin turns without losing speed」
(スピードを落とさずにヘアピンカーブを攻略する方法)
これを読むかぎり、「日本式ターン(鶴谷ターン)」は疑惑の段階を超えて市民権を得ている。
「“日本のUターン”は、カーブを効率的に走り抜け、勢いを維持する方法として、ランニング界で急速に広まっている」
「ランナーはこの動きを急カーブで真似ることで、体力を温存し、足首を保護できるだけでなく――正直なところ――カッコよく走れるようになる」
日本発の技術が世界へ
外国人のコメントをざっと見た感じでは、「意味はない」と切り捨てる人もいるが、「走ってみたら意外と良い」といった肯定的な人のほうが多かった。
日本生まれの「鶴谷ターン」は、海外では「Japanese turn」になり、今では効率的なテクニックとして採用する人が増えている。
というわけで、次にマラソンや駅伝を見る機会があったら、どれだけ「カッコよく走れるようになる」か、注目してみよう。
それとは別で、日本の独立を守った「東郷ターン」もぜひ覚えておいてほしい。

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