ものごとが順調に進んでいる時ほど、トラブルが起きやすく、結局幸せや成功は長続きしない。
そんなことは昔からよく起こるから、「好事魔多し」という言葉がある。
今のところ日本と韓国の関係は良好だが、もう暗雲が見えはじめた。
意外と良好な日韓関係
相性としては「水と油」どころか、「火と油」と言っていいほど悪いと思われていたが、高市首相と韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領の関係は、今のところかなり良好だ。
そんな温かい雰囲気は日韓関係全体に広がっている。
昨年、日本を訪問する韓国人の数は過去最高を記録し、ことし2月に韓国を訪れた外国人観光客の中で、日本人は23万人を超え、中国人に次いで2番目に多かった。
しかし、日韓関係は「近くて遠い国」と言われるほど、微妙で変化が激しい。
早くも「嫌な気配」は漂っている。
無くならない「歴史問題」
日本の見方:合法的な労働
1週間ほど前、中央日報が見過ごせない記事を報じた(2026.03.26)。
強制動員被害者、三菱からの賃金受け取りに道開ける…韓国最高裁「請求権は生きている」
このたった一行に、日韓のあいだにある歴史認識の違いや、埋められない溝が込められている。
まず、日本側の見解では、戦時中にあったのは「徴用」であって「強制動員」ではない。
当時は日本人・朝鮮人・台湾人が同じ「日本国民」として扱われ、日本政府は戦時中という非常時に、法律に基づいて国民を動員し労働をさせていた。
ただし、朝鮮人は当初それを免除されていた。
朝鮮人にもその法律が適用され、朝鮮半島から日本本土に労働者が派遣されたのは終戦までの7ヶ月だ(徴用)。
それにもかかわらず、徴用制度が数年も続いていたと誤解している人が日本にも韓国にもいる。
韓国側の見解:人権を奪われた「強制労働」
しかし、韓国では見方が一変する。
徴用は日本政府による「強制連行」であり、労働の実態は、最低限の人権さえ奪われた「強制労働」だったとされている。
日本は徴用労働者に対し、住む場所を提供して給料(報酬)も支払っていたから、決して「奴隷」のような酷い扱いはしていなかったが、韓国側の歴史認識はその反対だ。
とはいえ、危険な炭鉱労働で、事故で命を失った朝鮮人労働者がいたことは事実だ。
「請求権」は解決済み?交わらない両国の主張
絶対に認められない日本の立場
日本からすると、今さら「請求権は生きている」と言い出すことは、国家間の合意や国際法に違反し、絶対に認めることはできない。
しかし、韓国の立場ではこれが正しい決定となり、日本の主張を受け入れることができない。
韓国最高裁が「請求権は生きている」と判断したことも、日本の見解とは真逆だ。
日韓両政府が1965年の請求権協定で、完全かつ最終的に解決したことを確認したことで、日本ではこの問題は終わったことになっている。
韓国政府も以前は、請求権を放棄することに合意していた。
しかし、今の韓国は立場が変わり、「まだ解決していない」と裁判所が個人の請求権を認めた。
日本企業は請求権協定を根拠に韓国の裁判所に訴え、一審では主張が認められたが、最終的には最高裁で退けられた。
これからの日韓関係はどうなる?
韓国政府のコメントと隠された思惑
半年ほど前に『日テレNEWS24』が報じたニュースは、今となってはこの裁判結果の「フラグ」となった(2025年10月21日)。
日韓関係の変化に懸念 韓国メディア 韓国政府「両国で一緒に努力できることを期待」
高市氏が首相になったことを受けて、韓国政府は、両国の未来志向的な発展のために「一緒に努力できることを期待している」とコメントを発表。
かなり漠然としたことを言っているが、日韓関係を左右するのが歴史問題であることを考えると、この発言には、元徴用工の請求権問題が含まれていることは間違いない。
韓国としては、裁判所が認定した以上、請求権問題の責任は日本にあるため、それを解決するために相応の負担をする必要があると考えている。
つまり、以前から言っているように、「日本も原告に渡すお金を出してほしい」と求めているのだ。
日本のスタンスは「100%韓国側の責任」
しかし、日本の立場は「解決済み」で、それを崩すことはあり得ない。それをしたら、日本が国家間の合意を破ったことになる。
以前、河野元外務大臣はこの問題について、「100%韓国側の責任において考えることだ」と韓国を突き放した。
この考えは今も変わっていないはずだ。
日韓では歴史問題に対して「解決済みだ」、「いや、まだ解決していない」と前提がまったく違うから、この面で「両国で一緒に努力できる」ことはない。
それでも韓国との関係は大切だから、日本が間接的に協力することはできるかもしれない。
相変わらず安定しない日韓関係
韓国側は「期待する」と日本にボールを投げたが、日本は「100%韓国側の責任」と考えているから、その期待に応えられる未来はまったく見えない。
今回、韓国の最高裁が日本企業の主張を否定し、「請求権は生きている」と認め、これが最終決定になった。
これから先、この歴史問題という地雷はきっと爆発し、日韓関係に悪い影響を与える。
近くて遠く、近づくと遠くなるから、日韓関係は本当にむずかしい。

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