知り合いのニュージーランド人、オリバーは日本で英語を教えたりしながら、もう15年以上住んでいる。
日本の事情にかなり詳しいニュージーランド人から、「夏と社会の違い」について話を聞いたので、これからそのことを書いていこう。
【夏の違い】湿度の日本と日差しのニュージーランド
ーー久しぶり。オリバーは元気?
オ:そんなわけないじゃないか。
最近は容赦ない暑さが続いて、毎日を生きていくのがやっとだよ。
ーーたしかに、最近の日本の暑さは別の次元に入ったよな。
今年から猛暑日の上に、「酷暑日」(40℃以上)って新しい日ができたくらいだし。
太陽は同じでも、やっぱり日本とニュージーランドの夏は違うのか?
オ:まったく違うさ。だって、ニュージーランドは南半球にあるんだぜ?
向こうの夏は12月から2月だから、日本とは季節が逆転している。
ーーオーストラリアもそうだよな。
前にSNSで、12月のクリスマスの日に、サンタクロースがサーフィンをしていたのを見たのは衝撃的だった。
オ:それね、ニュージーランドでも「あるある」だ。
クリスマスはいつも夏だから、僕は日本に来て、初めてクリスマスに雪が降るのを見たんだ。
「ホワイトクリスマス」なんて、ニュージーランドじゃ映画の世界の出来事だから、リアルで体験できて感激したよ。


ーー前にナイジェリア人から、日本の夏は湿度が高いから、ナイジェリアよりも暑苦しいって聞いた。

ーーニュージーランド人からすると、日本の夏はどんな感じなんだ?
オ:軽く見積もっても、そのナイジェリア人の5倍は苦しんでいるね。
僕はニュージーランドの北部(北島)出身で、夏でも平均気温は20℃ほどだから、快適に過ごすことができる。
日本に来てからは、夏のまとわりつくような暑苦しさに悩まされているよ。
ーー気温も湿度も日本の夏のほうが上か。
日本の完勝だな。まったく嬉しくもないけど。
オ:ところがそうでもないんだ。
日差しについては、ニュージーランドのほうが日本よりも厳しい。
日焼け対策をしないと、とくに肌の白い人は皮膚にやけどのような症状が出ることもあるから、あれはキケンだ。
日差しの強さならニュージーランドの勝ちさ。まったく名誉なことじゃないけどね。
ーーそうか、それはイケナイ太陽だな。で、夏に関しては日本の2勝1敗ってわけか。
オ:何と戦っているのか分からないけど、君がそう納得しているなら、僕は何も言わないよ。
*地球はオゾン層に覆われていて、紫外線を吸収してくれている。
南極の上空は最もオゾン層が薄く、そこに近いニュージーランドには強い紫外線が降り注ぐことになる。

オゾン層に覆われる地球(AIによるイメージ)
青い部分がオゾン層の薄いところ(オゾンホール)。
有害な紫外線から人類を守っているから、「ぼくの地球を守って」という願いを叶えてくれるのがオゾン層だといえる。
【社会の違い】均質性の日本と多様性のニュージーランド
ーー日本に15年以上住んでいるオリバーの経験からすると、日本とニュージーランドの社会はどんなところが違うと思う?
オ:僕に言わせてもらうなら、多様性と均質性。これに尽きるね。
ニュージーランドでは街を歩けば、ヨーロッパ系、先住民(マオリ)、ポリネシア系にアジア系と、さまざまなルーツを持つ人たちと出会うことができる。
でも、日本はどうだい?
どこに行っても、同じような見た目の人ばかりいるだろ。
ーー有名観光地とかはそうでもないけどな。でも、人口の97%は日本人で外国人は3%だけだから、全体的には「日本人だらけ」に見えるかもな。
オ:来日したころ、日本人だけがたくさん歩いているのを見て、僕は衝撃を受けたんだ。ニュージーランドでは、そんな光景を見たことなかったからね。
ーー知人のミャンマー人も、ちょっと違うけどそんなことを言ってた。
彼女が初めて日本へ来たとき、東京の駅でものすごい数の人が速く歩いていた。みんな黙って無表情で動いていたから、ロボットの集団みたいに見えたんだって。
オ:そのミャンマー人の気持ちは、分かる気がするね。
僕はね、周囲を日本人に囲まれて、「自分は外国人なんだ」って自覚した。ニュージーランドにいたときは、誰が外国人かなんて意識したことはなかったよ。
ーー移民大国のオーストラリアもそんな感じみたいだな。
オーストラリア人から、市民の日常生活のなかでは、普通は「foreigner」って言葉は使わないと聞いた。
オ:ニュージーランドとオーストラリアは似ていて、兄弟みたいな国だからね。
ーーその場合、どっちが兄なんだろうな。
「兄より優れた弟など存在しない!」とか言い出して、ケンカが始まるのかな。
オ:それは何の話だよ。
もちろん、多様性と均質性ってのはただの特徴であって、その2つのあいだに優劣は存在しない。
多様性というバックグラウンドがあったから、僕にとって均質的な日本はとてもユニークで、興味深い国なんだよ。
10年以上いても飽きないくらいにね。
ーーおまえの言う多様性と均質性をスポーツでたとえるなら、サッカーとバスケットボールのようなものか?
どちらにも同じ価値があって、個人の価値観や好みによって好きか嫌いかが分かれる、みたいな。
オ:好みというよりは、相性の問題だ。
「自分に合っていない」と思ったら、別のスポーツをすればいいだけさ。文句を言いながらスポーツをするのは、自分と時間のムダ遣いだからね。

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