慰安婦問題②韓国「真の友になりたい」vs 日本「お断りします」

 

では、前回の続きです。

文大統領のこの言葉に日本が怒った。

「韓日の公式合意であることは否定できず日本との関係改善も極めて重要だが、間違った結び目はほどかなければならない」

2015年の日韓合意で、慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決される」ということが確認された。
韓国政府もそれで納得している。
でも2年たったら、日韓合意を「間違った結び目だった」と否定しやがる。

 

これに日本が反発した。

「結び目をほどく」とは、日韓合意を「一度、白紙に戻す」「なかったことにする」ということと同じになってしまう。

今の韓国がしないといけないことは、「結び目をほどく」のではなくて、合意を守ることだ。
具体的には、日本大使館前にある慰安婦像(少女像)を動かすこと。
結び目は結んだままでいい。
今さらほどくな。

「この合意で最終的に解決される」と確認したはずなのに、韓国は「あの合意では解決されない」と言い出す。
そして日本に”真の謝罪”を要求する。

この不誠実な態度に、日本政府が怒った。

 

 

韓国の文大統領が「間違った結び目はほどかなければならない」と言った同じ日に、日本の菅官房長官は韓国政府にこう言っている。

中央日報の記事(2018年01月11日)から。

「韓国側がさらなる措置を求めることは、わが国として全く受け入れられない」とし「国の間の合意はたとえ政権が変わったとしても責任をもって実施される。それが国際社会の当然の原則だ」と述べた。

日本、文大統領の謝罪要求を拒否…「1ミリも動かない」主張を繰り返し

「国の間の合意はたとえ政権が変わったとしても責任をもって実施される。」という言葉は、文大統領の「この合意では解決されない」という言葉を否定している。
「政権が替わったから、それは知りません」という無責任な態度を日本は許さない。

 

前回も書いたけど、安倍首相も韓国の要求には一切応じないつもりだ。
謝罪することはもちろん、「韓国側が一方的にさらなる措置を求めることは、全く受け入れることはできない」と強く言っている。

菅官房長官も安倍首相も、韓国側の要求について「全く受け入れられない」と同じ言葉で強く拒否した。
韓国政府が「間違った結び目はほどかなければならない」と一方的に言っても、日本には通じていない。

 

朝鮮日報の記事(2018/01/09 )も、そのことを伝えている。

河野太郎外相は「合意は最終的なものだと両国が確認したにもかかわらず、韓国が日本に新たな措置を要求するのは受け入れられない」として

慰安婦合意:韓国政府に新方針に日本政府激怒「受け入れられない」

 

日本を怒らせるようなことを言った文大統領は、同時にこうも言った。

「日本と真の友だちになりたい」

朝鮮日報の記事(2018/01/10)から。

今後の対日関係に関しては、「韓国と日本は文化的・歴史的に多くの部分を共有している」として、「日本と心が通じ合う真の友になることを望む」と力を込めた。

慰安婦合意「絡まった糸ほどくべき」 日本と「真の友になりたい」=文大統領

日本の首相、官房長官、外務大臣が「それは受け入れられない!」と反発するようなことを言っておいて、日本と心が通じ合う友だちになることを望むと言う。

文大統領は楽天的というか、お花畑というか。
ひょっとしたら、天使のような純粋な心を持っているのかもしれない。

でも、日本のネットには通じなかった。

・なりたくないです。
・無理という言葉はこの時のためにあったのだな
・謹んでお断り申し上げます
・とても望んでるような行動しているとは思えませんが
・調子の良い事を言ってるな
・約束を破る友達はいりません

ネットの「お断りします」も日本政府の「全く受け入れられない」も、意味としては同じ。

今の日本政府を見ても、文大統領と「心が通じ合う真の友」になりたい様子がまるで見当たらない。
友人になるどころか、国家間の合意を軽く見る韓国政府に、かなりの不信感をつのらせている。
外務省関係者は「放置だ。相手にしない」とまで話しているという。

でもなかには、文(ムン)大統領を心配するこんな声もあった。

・こんなこと言っちゃって、ムンムン大丈夫?

 

もし、もし朴(パク)政権が続いていて、日韓合意後に韓国が慰安婦像を撤去していたら、今ごろ日本とは真の友になって日韓関係も蜜月だったはず。
ちなみに、日本とマブダチになりたかったら、台湾を見ると参考になるかも。

 

 

日本政府は前からずっと、「韓国政府は日韓合意を履行してほしい」と言ってきた。

「日本との約束を守ってほしい」ということで、要するに、慰安婦像(少女像)を撤去することだ

韓国政府はこれをまったくやっていない。
文大統領は「間違った結び目」や「真の謝罪」については熱く語っていた。

でも日本にとって、もっとも重要な「少女像の撤去」についてはまったく触れていない。

「日本と心が通じ合う真の友になることを望む、と力を込めた」というのなら、力を込めるポイントが違う。
像の撤去に反対する元慰安婦やその支援団体を説得することに、まずは全力を注いでほしい。

それを抜きにして、「日本と友だち」はムリでしょ。

 

 

英語でこんな言葉がある。

A friend to everybody is a friend to nobody.
(”全員と友だち”という人は、誰の友だちでもない)

元慰安婦や支援団体と日本が言っていることはまったく違う。
その両方と同時に、”真の友だち”になることは不可能だ。

今の韓国政府を見ていると、結局は、どっちとも友だちにはなれないような気がする。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。