日本や韓国のアイドルが「嫌韓・反日」で失敗した記事を書いていた時、ちょっとした発見があった。
そのときの記事はこれ。
「今の日本には、『韓国人になりたい日本人』がたくさんいる」
そんなことは、今までまったく知らなかった。
ネットで検索するとこんな画面が出てくる。
今の日本女性の間では、「韓国人になりたい」が「流行中・急増中・憧れ・ブーム」になっているらしい。
これにはおっさん驚いた。
韓国への興味は「政治・社会・歴史」に集中していたから、ボクにとってこれは「あなたの知らない世界」。
去年、このブログを見てくれた、韓国に興味がある女子高生から「モウダ」という韓国情報サイトを教えてもらった。
これを見たときも驚いた。
ボクが知ってる韓国がまるでない。
今「モウダ」を見たら、「人気のキーワード」にこんな言葉がならんでいる。
ボクにとって、韓国のキーワードは「新羅・百済・元寇・朝鮮出兵・金玉均・韓国併合・慰安婦問題・旭日旗問題・竹島問題」といったところ。
韓国の「コスメ」とか「ファッション」とか知らない。
「キュート」や「ラブリー」が、具体的に何をさしているのかさっぱり分からない。
「『もてか』って何だ?」と思ったら、「モテ力(りょく)」のことだった。
「虜」にいたっては、16世紀の朝鮮出兵のとき、日本に連れて来られた朝鮮人捕虜のことかと思ってしまった。
これは冗談でなくホントに。
「韓国・虜」という文字を読んだら、陶工の李三平や儒学者の姜沆(カン・ハン)が自然に頭に浮かんでくる。
それがボクの韓国脳だから。
さすがに「素敵」「魅力」「憧れ」ときて、「朝鮮人捕虜」はおかしいと気づいたけど。
李三平のことはこの記事をどうぞ。
日本と韓国(朝鮮)の文化交流 朝鮮から伝わったもの(有田焼)
名前は知ってるチャン・グンソク。
日本の10代・20代の女子の間で、「韓国人になりたい」ということがブームだったのは知らなかった。
でも、去年こんな本が出版されていたことは知ってた。
この本を書いたのは、元駐韓日本大使の武藤正敏氏。
武藤氏は完璧な韓国語を話し、韓国で12年間ほど働いていた。
「韓日関係の発展に貢献した」ということで、韓国政府から勲章をもらったこともある。
そんな「知韓派」の日本人が「韓国人に生まれなくてよかった」なんて本を出版したから、韓国側は「裏切られた!」と大激怒。
でも、武藤氏がこの本を書いた理由は、日韓関係を本気で良くしたかったから。
産経新聞の記事(2015.5.21)でこう言っている。
韓国の友人もいっぱい失うかもしれない。自分は、日韓関係を改善するため捨て石になるつもりで書いた。韓国の人にこそ読んでほしい
韓国政府は反日ばかりを叫んでいる。
国民レベルでは、「日本が好きという人がむしろ多いと思う」と武藤氏は言う。
でも、韓国の大統領、政治家、マスコミなどが反日を言っている。
結果、韓国では反日感情があおられて、日本では嫌韓感情が高まっていく。
だから、日韓関係はいつまでも良くならない。
こうした現状を黙って見ていることができず、韓国人の友人に嫌われることを覚悟して、武藤氏はこの本を出版したわけだ。
実際、韓国の新聞を読む限り、武藤氏はかなり友人を失ったと思う。
韓国が韓日関係の改善を望むのなら、「韓国人になりたい日本人」を増やすことより、こうした韓国の友人に失望させないことの方が重要だ。
*日韓関係を改善させるために武藤氏が指摘したことはとても重要だから、これとは別で1つの記事にしたいと思う。
おまけ
「韓国人になりたい日本人」は知らなかったけど、その「先輩」なら知っている。
それは、藤原惺窩(ふじわら せいか)という16世紀の儒学者。
藤原惺窩
播磨の人。
相国寺の僧となり朱子学を学び、京学派を形成。近世朱子学の祖。家康に乞われて進講したが、林羅山を推薦して仕官せず。「日本史用語集 (山川出版)」
藤原惺窩(ウィキペディア)
徳川家康や林羅山の先生だったのだから、日本に与えた影響は大きい。
儒学者の藤原惺窩は、中国や朝鮮に憧れていた。
そのため本人は家名の「冷泉」を名のらず、中国式に「籐(とう)」と言っていた。
「韓国人になりたい日本人」にも、韓国名があるのだろうか?
先ほど、朝鮮人捕虜の「姜沆(カン・ハン)」の名前を出した。
日本に連れて来られた姜沆に、藤原惺窩はこう話す。
実に残念です。私が、大唐に生まれることができず、また、生を朝鮮に得ることができないで、日本のこのような時代に生まれ合わせたとは!
「看羊録 朝鮮儒者の日本抑留記 (平凡社東洋文庫)」
「大唐」とは中国のこと。
藤原惺窩は、「日本ではなくて、中国か朝鮮に生まれたかった!」と姜沆にグチをこぼしている。
さらに惺窩は、「明と朝鮮の連合軍で日本を占領してほしい」とまで言いやがりました。
さらにもう1人いる。
戦国武将の赤松広通も、中国や朝鮮に夢中だった。
姜沆は赤松についてこう書いている。
唐の制度や朝鮮の礼を篤く好み、衣服や飲食などの些細なところまで、必ず唐と朝鮮に見習おうとします。日本にいるのではありますが、日本人ではない〔と思えるほどな〕のです
「看羊録 朝鮮儒者の日本抑留記 (平凡社東洋文庫)」
戦国時代の儒学者や戦国武将も、今の「韓国人になりたい日本女子」に通じるところがある。
「モウダ」も早く特集を組むべきだ。
「16世紀にもいました♡♡」とか「藤原さんや赤松さんもハマった!!」みたいなやつを。
これなら読んでみたい。
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