いま韓国が日本に怒っている。
韓国メディアの中央日報が「日本政府が公式文書で韓国の重要性を低くし」と不満を言えば、東亜日報は「悪化した韓日関係の責任を韓国に転嫁する内容」「挑発と抗議を繰り返し、互いに責任転嫁を繰り返すことでは未来は開かれないということだ」と憤怒だ。
*以上の内容はこの記事から。
中央日報の記事(2019年04月24日)
日本外交青書「韓国と非常に厳しい状況、中国とは新たな発展段階」
東亜日報の記事(2019年04月24日)
韓日関係改善の意思なく韓国に責任を転嫁した日本の外交青書
そんな韓国に日本も怒っている。
韓国を軽んじて責任をなすりつけたというのは、河野外務大臣が発表した外交青書による。
これはとてもとても大事な文書で、日本外交の現状認識とこれからの方針が書いてある。
ここで日韓関係について「非常に厳しい状況に直面している」と指摘。
まあそりゃそうだ。
日本や韓国のメディアを見ても、「国交正常化以来、最悪」とか「韓日関係破綻の恐怖」という言葉がならんでいて、崖っぷち感がハンパない。
あんなに蜜月だった(え?)日韓関係は、なんでこうなってしまったのか?
ここ数カ月で起きたことをふり返ってみよう。
・韓国が主催する観艦式で、海上自衛隊に旭日旗の掲揚を認めなかった。
・韓国の最高裁判所が徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じやがった。
・韓国政府が「和解・癒やし財団」の解散を発表。
・韓国海軍が自衛隊機に火器管制レーダーを照射する。
上の外交青書はこれらのことを列挙して、「韓国側による否定的な動き」が相次いだことによって、日韓関係は「非常に厳しい状況に直面している」という。
ほかにも、日本固有の領土である竹島に韓国の国会議員が上陸したことや竹島周辺で軍事訓練をおこなって日本を挑発したことも、関係悪化の原因と指摘する。
こういうネガティブな内容が盛り込まれたかわりに、去年の外交青書にあった日韓関係の記述「相互の信頼の下、未来志向の新時代へと発展させていく」はバッサリ削除されてしまった。
社交辞令も韓国への愛もない、直球の本音だから当然韓国としてはこれが気に食わない。
それで、「責任を韓国に転嫁する内容」と日本に責任を転嫁している。
でも上の内容を見てほしい。
すべてが「韓国発」なんだから、韓国は謙遜しないで加害者としての自覚を持つべきだ。
とくに1965年の日韓請求権協定を一方的に破ったこと(徴用工判決)は決定的だった。ありゃーまずかった。
2015年の慰安婦合意も同じ。
日本は約束したことを全て守ったけど、韓国は日本大使館前の慰安婦像を撤去するどころか、釜山に新しい像の設置を認めたうえで、「和解・癒やし財団」の解散を発表して、事実上、合意を破棄してしまった。
過去の歴史問題について韓国と話し合ってわかったことは、韓国とは話し合いでは解決しないということ。
少なくとも「ただの話し合い」では不可能で、圧力という名の+アルファがほしい。
今回の外交青書で日本が韓国に伝えたかった最大のメッセージは、「未来志向という表現を消した」ということだろう。
時間をかけて協議をおこない、韓国と合意をしたけれど、それは全て無にかえってしまった。そんな徒労や虚無感のあらわれだ。
日本人は、何も言わないことで何かを伝えるということをよくやる。
黙っているときが一番コワいのだ。
これはネットへの書き込みだけど、いまの日本政府関係者も本音はこれと同じでは?
・いつも「日本が悪い」以外の結論を許さないじゃん
・まーた人のせいにする
・何で被害者の日本側が解決策まで考えないといけないんだよ
・韓国が条約と合意を一方的に破ってる状況で、日本が韓国に配慮なんてするわけ無いだろ
・できれば金輪際付き合いたくないとは書けないだろ 日本の優しさを理解しろ
・一方的に問題ばかり起こして、解決の意思もなく
一方的に日本に責任転嫁してんのは韓国側。
外務省の職員が書き込んでいたりして。
今回の外交青書は韓国に衝撃をあたえた。
令和中に、韓国にもラブコールがくるのだろうか。
反日について「進むをもって退くを知らず」という韓国文政権の態度が変わらない限り、日本政府は関係を改善させる意思はなさそうだ。
ボールはいま韓国にある。
韓国側が日本との約束を守って信頼を回復すればいいのだけど、「外交青書では安倍晋三政権の感情的アプローチがそのまま反映された(東亜日報)」、「加害者である日本が被害者になるというあきれる状況(中央日報)」と、あちらは被害者意識からの卒業は断固拒否するようだ。
「約束を破った側が守った側にあきれる」という発想はとても斬新で、この世のものとは思えない。
「真の未来志向は何か模索しなければならない(東亜日報)」というのは「おまえがな」というつっこみ待ちのボケですよね?
そもそもその言葉を削除したということは、日本は韓国とのそれはあきらめたということだ。
少なくともいまの文政権とは。
日本がいま力を入れているのが中国との関係改善で、青書でも中国を「日本にとって最も重要な二国間関係の一つ」と認識し、「新たな発展を目指す段階へと入る一年となった」と韓国とは真逆のことが書いてある。
「韓国さよなら、中国よろしく」という日本を見て、中央日報が「韓国と非常に厳しい状況、中国とは新たな発展段階」という見出しの記事をのせたわけだ。
日本はいま韓国を完全に突き放している。いわゆる「戦略的無視」ってやつだ。
韓国はいても見ないことにして、中国と未来志向の関係を築こうとしている。
いつまでも被害者でいたいというのなら、きっと敗北者になる。
こちらの記事もいかがですか?
「日本人に正しい歴史を教え、謝罪させたい」と言う韓国人と出会ったら?
コメントを残す