「オレはおまえを殴るけど、おまえはオレを殴るな」
そんな関係が成立するのは圧倒的な上下関係があるときぐらいで、ふつうはこんな不公平はあり得ない。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」と言ったフィリップ・マーロウ(ハードボイルド小説に出てくる探偵)なら、こんな卑怯は許さないはず。
*コードギアスのルルーシュもよく言うけど、この言葉の元祖はフィリップ・マーロー。
さて、時事通信の記事(5/10)によると、韓国の文大統領が来月日本でおこなわれるG20で、わりと安倍首相に会いたいらしい。
短い記事だから全文を引用させてもらう。
韓国の文在寅大統領は9日、KBSテレビのインタビューで、6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ訪日する意向を示し、「その際、安倍(晋三)首相と会談できれば、良いことだと考えている」と述べた。
また、「新天皇の即位を契機に、韓日関係が発展すれば良いという希望を持っている」と語った。安倍首相との会談期待=韓国大統領
文字数の制限があるためか、時事通信の記事に書いてあるのはこれだけ。
でもこのとき文大統領は、「日本の政治指導者らがむやみに歴史問題を国内の政治的問題として扱うため、歴史問題が未来志向的な発展を繰り返し妨げている(産経新聞)」と日本批判もしていたのだ。
時事通信は本当におやさしい。
で、この記事に日本のネットの反応は?
差別的・侮辱的なコメントは抜いてマイルドなものだけ紹介する。
・まさにどの口で言ってんの?だな
・会うだけでリスク
・どうせ要求するだけ
国内向けに働いてるふり
・安倍総理:「国家間の約束と国際条約を守れ!、以上だ」
5秒で終了する。
・無理して来るなよ。G20-1首脳会議でええやろ。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」の論理にしたがって、文大統領が逆批判されても仕方ない。
それに「希望を持っている」なら、そうなるよう具体的に動くべき。
語ったり持っているだけでかなうほど、希望はやさしくも簡単でもない。
あんなこといいな♪でっきたらいいな♪というのはドラえもんの世界の話。
でも、日韓関係が発展すれば良いという希望を持っているのは日本政府も同じ。
ただそれには、韓国が超えなければいけないハードルがある。
先月4月に河野外務大臣が発表した外交青書を見ればそれは一目瞭然。
ここには日韓関係が戦後最悪と言われるまでに悪化した原因が書いてある。
・韓国が主催する観艦式で、海上自衛隊に旭日旗の掲揚を認めなかった。
・韓国の最高裁判所が徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた。
・韓国政府が「和解・癒やし財団」の解散を発表した。
・韓国海軍が自衛隊機に火器管制レーダーを照射した。
くわしいことはこの記事を。
わずか数カ月でこれほどのことが起きたのだ。
すべて韓国発の問題だから、外交青書は「韓国側による否定的な動き」が相次いだことによって、日韓関係は「非常に厳しい状況に直面している」と指摘している。
韓日友好を真剣に考えるのなら、いま韓国は「良いことだと考えている」「希望を持っている」とか言っている場合じゃない。
「新天皇の即位を契機に」といっても、平成から令和にかわったところで日本人の韓国観が一変するわけではない。
それをきっかけに韓国政府が動いたら、日韓関係で何かが少し変わるだけのこと。
「韓国側による否定的な動き」によっていまの韓日関係があるのだけど、文大統領の考えは「韓国側から政治問題化させたものはひとつもない」と正反対だ。自分は悪くないと思っているから、希望を口にしているだけなんだろう。
こんな認識の2人が会って話しても意味がない。
これでは話し合いにならず、お互い言いたいことを言って終わりだから。
はじめから合意の見えない会談ならしないほうがいい。
韓日友好を希望するだけの文大統領に、日本政府の答えはどうやらノーだ。
産経新聞の記事(2019/05/13)
G20での日韓首脳会談は「困難」 西村官房副長官
官房副長官は徴用工問題について、「しっかりと韓国が対応してくれないと駄目だと思う」と言う。
「と思う」ではなくて、「駄目だ」と言い切ってほしかったのだけど。
トップが「私はこう希望する」と言えばまわりがそう動いてくれるのは絶対王政の時代の話で、いまの日本と韓国でそれはない。
でも韓国政府にはそれが通じず、「我々は誠意を見せたが、日本の政治指導者らの後ろ向きの姿勢が韓日の未来志向的な発展を妨げている」ときっと日本を非難して終わりにする。
ここ数か月の韓国を見ていると、勝手に期待したあと、一方的に非難することの繰り返しだから。行動のともわない希望はいつも失望に変わる。
願うだけ、祈るだけでは何も変わらない。そんなことは進撃ファンならだれでも知ってる。
急いては事を仕損じる。韓国側が約束を守る意思を見せたら、会って話をすればいい。
ちなみに、日本は徴用工問題についての2か国間協議を求め入るけど、韓国がそれをずっと無視していることは知っておいてほしい。日本は扉を開けているけど韓国が入ってこないのが現状だ。
では最後はフィリップ・マーロウの別の言葉で締めくくろう。
「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」
日韓関係は一度“終わり”にして、またゼロからやり直してもいい。
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