日韓関係はもう崖っぷちでもう後がない。
韓国紙の中央日報で張済国(チャン・ジェグク)という大学総長が切実なコラム(2019年06月03日)を書いている。
【リセットコリア】韓日関係、これ以上放置すれば韓国の立場ない
といっても、韓国紙で「韓日関係は最悪だ。もうこれ以上~できない」というコラムや社説はいままでに山ほど見てきた。
だからこれも何度目かの崖っぷちだ。
落ちそうに見えて意外と安定しているのが韓日関係だから、もう「落ちる落ちる詐欺」と言っていい。
でも両国の関係がヤバイのはたしか。
とくに日本企業の財産が奪われかねない徴用工訴訟問題がいま喫緊の課題だ。
韓国側としては、一刻も早くこれを解決しないといけない。
でないと、日本政府による制裁というご褒美が待っているから。
では、この問題について韓国政府はどう考えているのか?
姜昌一(カン・チャンイル)という日本をよく知る「知日派」の議員が中央日報のインタビュー記事(2019年05月22日)でこう話している。
文大統領の3原則がある。徴用はまず裁判中の事案なので、司法府判断を尊重するということだ。2つ目は歴史と政治は分離するツートラック原則で、3つ目は被害者中心に進めようということだ。正しい。
文大統領の一言でオールストップした韓日関係、与党が出口探る
「正しい」じゃねえよ。
司法を尊重、ツートラック原則、被害者中心の3つの要素を集めると「韓国中心」になる。
結局は自己中なのだ。
韓国はそんな都合のいいことを言って解決策を示さないから、日本政府に「戦略的無視」をされている。
だからこの態度を「正しい」と言うのなら、それに対する日本の答えは制裁しかない。
でも姜(カン)議員は韓日関係の改善を図らないといけないとしてこんな提案をする。
日本企業は被害者に確実に賠償し、われわれは現実的に裁判を起こす能力のない被害者を国民保護次元で財団を作って慰労しようというのだ。
なんで日本企業の賠償が前提になっているのか。
この判決は不当で国際法に反しているから、日本は「従えない」と言っているのに。
この日本通の議員さんはそれはまったく考慮に入れてくれない。
これが知日派なら、韓国議員の人材難は韓日関係より深刻だ。
また「日本企業が責任を負うことではないのか」という問いに、この議員は「当然だ」と答える。
自信たっぷりに間違っている人には、どう突っ込んでいいのやら。
それでもこの議員は知日派っぽいこともしている。
韓国の地方議会で、学校にある日本製品に「戦犯企業製品」のステッカーを貼る動きが進んだとき、その議会のトップに電話をして「韓日関係を悪化させるな、人気迎合主義の政治ショーするな、大きく見ろ」と言ってそれを止めたという。
韓国の「知日派」というのは、国内の過激な反日活動をおさえることがおもな仕事らしい。
日本の立場を無視・排除する知日派議員に比べて、張済国(チャン・ジェグク)大学総長が書いていることは現実的で誠意が垣間見える。
徴用工訴訟問題については、韓国政府が「積極的に解決策を模索する姿を見せる必要がある」と指摘。
まったくその通りで、これは「日韓が知恵をしぼって」という問題ではないのだ。
文政権は何もしない言い訳として「司法の尊重」を口にしているのだけど、大学総長は「外交の責任を負う行政府としてできる役割は確実にある」とド正論。
さらに文大統領は韓国の利益を冷静に考え、「世論に反する決断をするリーダーシップの発揮が要求される」という。
国内の反日世論と戦え、ということだろう。
そして、「国のための決断なら後に高く評価されるはずだ」と文大統領の満身創痍は予想済み。
このコラムを検索して全文を読んでほしいのだけど、この大学総長のほうがよっぽど知日派だ。
日本企業が不当判決に従うことを「当然だ」と言う議員より、考えていることが現実的でバランスが取れている。
でも政治家の姜昌一議員がこれを言うのは難しいだろう。
国民の反日感情に真正面からぶつかったら、きっと粉々になってしまう。でもそれは、いままで反日を野放しにしていたツケ。
国内の反日と韓日友好のギリギリの妥協案を考えたら、韓国の知日派国会議員としては、すでに判決の出ている日本企業は賠償してそれ以外は韓国が面倒を見るという案が限界かもしれない。
でも残念ながら、それは正義に反するからのむことはできない。
知日派議員なら、玉砕覚悟で反日世論に立ち向かうしかないだろう。
それでどうなっても、「後に高く評価されるはず」だそうから。
こちらの記事もいかがですか?
日韓の慰安婦問題⑤韓国とアメリカ(米韓関係)、朝鮮戦争の始まり。
コメントを残す