これが“反日無罪”ですか?韓国に「抗日通り」現る

 

すばらしい人が亡くなったあと、後世の人たちがその偉業や名前を残すために、地名に偉人の名前をつけることは世界中である。
日本では明治の軍人・乃木希典にちなんで「乃木坂」が生まれた。

日露戦争におもむく前、妻にこんな決意を語る乃木希典に当時の日本人が惚れた。

自分は、生命も時間も考えも、すべて、陛下と国家に捧げているのだから、些しの私情もこの間にはいってはならないと申しました

「乃木大将と日本人 (S・ウォッシュバーン)」

くわしいことはこの記事をどうぞ。

「乃木坂46」のノギは乃木希典から。明治の男気を知ろうず

 

第二次世界大戦中、6000人のユダヤ人の命を助けた杉原千畝はイスラエル政府から、「諸国民の中の正義の人」に認められ、中心都市エルサレムにある通りが「杉原千畝通り」と名付けられた。

くわしいことはこの記事を。

何この違い?日本人には”誇り”でも、海外では”無名”の杉原千畝

日本から遠く離れたイスラエルでのこの活動はわかる。
発想は乃木坂と同じだから。
理解にもだえ苦しむのは、日本のすぐ近くで起きたこと。

 

日本企業に賠償を命じた徴用工訴訟から、きのう10月30日でちょうど一年になる。
それを記念して(?)、プサン(釜山)で反・安倍団体が日本総領事館の近くの公園に「抗日通り」という看板を設置しやがりました。

その目的や動機についてはNHKニュース(2019年10月30日)をどうぞ。

市民団体などは看板を設置した理由について日本に批判的な活動を行う中心的な場所にするためだとしていて、集まった50人ほどは「安倍政権は謝罪し、賠償しろ」などと声をあげていました。

「徴用」判決1年 ソウルで韓国政府に対応求める集会

 

「抗日通り」という看板を設置して終わり、ではなくてこれは始まりにすぎない。
彼らはこれからそこを、反日活動の”聖地”にするらしい。
きょねん韓国の最高裁が日本企業に賠償を命じてから日韓関係は悪化坂を転がり続けて、いまでは「戦後最悪」なんて言われている。

こんな反日活動に日本が黙っていられるわけもなく、外務省が「到底受け入れられない」と韓国側に抗議して看板の撤去を求めた。
でもいつものような抗議はいつものように終わるだろう。
「日本は撤去しろと唱えた。しかし、何も起こらなかった」というRPG的な。

関係悪化の原因を作ったのは韓国側だけど、それで困るのも韓国側だ。
それで先週、ムン大統領が安倍首相に話し合いを希望する親書をわたした。

朝鮮日報の記事(2019/10/30)

文大統領親書 韓日首脳の対話へ「希望」表明=韓国外相

こんな記事が出た日に「抗日通り」ができるというデタラメ。
自国の大統領の希望の目を国民が摘んでどうする?
これでは大統領が詰んでしまうではないか。
この看板設置はきっと終わりへの始まりだ。

 

そしてこれも、これも韓国らしいのだけど、白日堂々と違法行為が行われてしまう。
看板を設置した場所は公共用地で、本来なら許可なく何かを設置してはいけないのに、この市民団体はそれをやってのけた。
警察3個中隊の約200人と区の職員約20人がこの看板を撤去しようとしたところ、「違法うんぬんではなく、抗日通りを保障しろ」と叫ぶ団体側ともみ合いになる。
法律の後押しがあってこれだけの人数をもってしても、この不法行為を止めることはできなかった。
政府からして国民感情を優先して、国際法違反を放置しているのだから、もうどうしようもない。

日本人よ、これが「反日無罪」だ。
「違法うんぬんではなく、日本企業は賠償金を払え」というのが韓国政府の本音だろう。

 

今回の韓国劇場で一番わからないのは、韓国政府がこの違法行為を黙認したこと。
この団体は事前にこの日のことを予告していたから、政府側も何が起こるか知っていたはず。
いま韓国政府は日本との関係改善を望んでいるにも関わらず、この反日活動については見て見ぬふりをする。
国民の反日感情を満たしつつ日本との関係立て直しを図るという、ご都合主義のツートラックを考えているのだろう。
自分第一主義を正義でごまかしているうちに、日本の信頼を失って、韓日関係は破綻手前まで進んでしまった。

「自分は、生命も時間も考えも、すべて、国家に捧げているのだから、些しの私情もこの間にはいってはならない」とムン大統領が覚悟して、「反日愛国は無罪ではない」ということを行動をもって示さないと韓国はどんどんダメになる。
「違法うんぬんではなく、ヒャッハー!」と叫ぶ団体が好き放題できる社会はやっぱりおかしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。