【韓国の空気】日本旅行をしたら、いまでも”親日・売国奴”

 

今月あたま、知り合いの韓国人が日本へ旅行でやってきた。
ということを知ったのは彼が帰国した後で、メッセージのやり取りをしているときに「実はこのまえ日本に~」という話がでてくる。

旅行に行くとその様子をSNSに投稿する彼が、今回は一枚もアップしていなかったからまったく気づかなかった。
旅行の写真を投稿しなかった理由は簡単で、いまこのタイミングで韓国人が日本を旅行したから。

日韓関係はいま最悪で、韓国では「日本製品は買いません、日本へは行きません」という全国的なノージャパン運動がおこなわれている最中。
一時のピークは過ぎたけど、不買運動の炎はまだ鎮火していない。

だから東京スカイツリーやお台場の写真をアップしたら、それは国家や国民への「裏切り行為」となって、どんなコメントがくるか分かったもんじゃない。

ことし8月ごろは、日本旅行に行った韓国人を見つけては、「売国奴認定」をする韓国人があらわれて日本でも話題になった。
反日社会:韓国の雰囲気「おめでとう!あなたは売国奴です」

 

彼に話を聞くとやっぱり理由はこれ。
友人限定で写真を公開したとしても、「この時期に日本へ行くか?」「おまえは親日か?」ぐらいのメッセージはくるとおもったらしい。
その言葉がどこまで本気か冗談かわからないけど、いまの空気からしたら、日本で楽しく過ごす様子を見せるのは挑発行為になる。
それでお忍びで、というほど高貴な身分じゃないからステレスで観光したという。

 

 

そんな韓国社会の空気を読み誤った人がいた。

地雷を踏んだのは韓国の歌手で、日本のテレビ番組でハングルを教えているソン・シギョンという芸能人。
韓国と日本を往復するソン氏はいわば韓日の掛け橋で、最近日本に行ったときの様子を自身のインスタグラムにアップした。
おすすめの日本料理やレストランを紹介したところ、「ネットユーザーから袋叩きに遭った」と朝鮮日報の記事(2019/12/17)にある。

「親日派、売国奴といわないで」…ソン・シギョンに一体何が?

 

たとえば豚カツの写真を載せて、「日本では試験や大事な仕事の前に、韓国であめをなめるような感じで豚カツを食べるそうだ」と日本文化を紹介したりすると、これが怒りを買って様々なコメントが殺到した。
その内容はソン氏の弁明から察してほしい。

「旅行をしたり遊びに行ったりしたわけではなく、仕事をしたときに食べたもの。(今や私は)ほとんど親日派、売国奴になってしまった」

「論争の的になるのは、容易で気楽なものではなさそう。ひどく憎悪しているのが見えるから。売国度という表現は使わないでもらえるとうれしい」

「私は歴史意識がねじれた人間ではない」

こう釈明したうえでソン氏は公式に謝罪して、「今後はアップしない」と宣言した。

でも韓日は価値観が反対で、鏡の国だからむずかしい。
一方をなだめるようとすると、もう一方を刺激することになってしまう。
「売国奴」のレッテルを返上するために、「私が日本で多く感じ驚いたことは本当に歴史を知らない。歴史教育を受けていないのだ」と発言したことで、ソン氏は今度は日本で炎上した。

こういう流れを見ると、友人の判断と行動は、命を守る行動として100%適切だったことがよくわかる。
いまも韓国社会には日本旅行を認める雰囲気はない。
そのタブーを破ると「親日、売国奴」と公開の場でののしられる。
そして名誉や市民権を取り返そうとすると、別の何かを失ってしまう。
そんな監視社会を無難に生きるには、空気を読んで目立たないことがいちばんだ。

 

 

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近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

6 件のコメント

  • 今韓国で行ってることは韓国が大嫌いな大日本帝国時代の日本そのままなんですけどね~。
    歴史観はどうしても違いがあるのはわかるけどかたくなに意地を張る意味があるんだろうか?
    日本でも韓国へ行って「楽しかった~♪」なんてSNSしようものならたたかれるけどそれは芸能人くらい。
    一般人なら「お前はバカか?」くらい?
    韓国人は今韓国で生活していて楽しいのかなぁ。 まあ日本も決して楽しい国じゃないけど韓国ほど窮屈じゃないことは事実だと思う。 でも何かのアンケートで「韓国は幸福な国」と65%の人が答えたらしい。
    韓国の冷静な人はどう思っているんでしょうね~自分の国のこと。
    「買いません」なのに規制緩和しろとか。 「行きません」なのにAグループに戻せとか。 意味不明。
    「買いません。行きません」は韓国ほどじゃないけど中国政府にされているらしいですね。 それで韓国政府は困っているとこの前知りました。
    「人の振り見て我が振り直せ」と言うことわざは韓国にはなさそうですね。

  • この韓国人は日本旅行をするぐらいですから、反日騒ぎから距離を置いている人です。
    そういう人から見るといまの韓国社会は民主主義の結果、全体主義に向っているようです。
    多数の意見が全体の決定になって、反対意見を封殺する雰囲気があると。
    まあ戦前の日本ににてますね。
    中国からは韓流ドラマを放送できないなどの限韓令がでてます。
    このまえ中韓首脳会談でそれが撤回される可能性が見えて韓国ではよろこんでいました。
    中国はやりすぎですけど、甘えを絶対に許さない強さはさすがです。

  • 今の日本はネット上で韓国に好意的な意見を発信したら「反日」「売国奴」と罵られますが、韓国でも全く同じ現象が起きています。

    しかし、日本の左翼や口だけの平和主義者は日本の嫌韓は猛批判し、韓国の反日に関しては一切口にしません。

    韓国政府は日本との関係ばかり重視する一方、中国や北朝鮮との関係は余り重視していません。

    一言で言えば、彼らは反日に関係ない事に興味がないのでしょう。

  • 韓国の反日を問題視しない、あるいは軽視するのが関係悪化の大きな原因です。
    日本では政府は韓国と交わした約束は100%守っていますし、国民の間でノーコリア運動なんて起きていません。
    韓国の嫌韓が反日を生んでいる状況から目をそらしていたらいつまでたっても状況は動きませんよ。

  • >多数の意見が全体の決定になって、反対意見を封殺する雰囲気があると。
    >まあ戦前の日本ににてますね。

    それ本当ですか? ブログ主は戦前の日本について、そこまで詳しく知っているのですか?
    私は違うと思いますよ。韓国でひどいのは、反対意見を封殺しようとする、その「対立の強さ」です。反対意見そのものは結構存在していると思いますが、それに対する「圧迫」がひどい。時には物理的な暴力をも伴った行動に出るような者、またそれを称賛するような者が多すぎる。
    日本人は、戦前だって、あそこまで感情的に嘘の歴史をかきたててまで特定の他国を敵視しようとするなど、愚かな行動はとっていなかったと思います。

  • 前半は韓国人の意見で、後半が私の見方ですからそれぞれ違います。
    そこまでがどこまでを指すか不明ですが、戦前・戦中の日本については知ってる範囲で知ってます。
    合理的な意見でもそれが言えない全体的な空気があって、その空気によっていろんな決定がくだされることがありました。
    くわしいことは山本七平氏の「空気の研究」をご覧ください。
    そういう雰囲気はいまの韓国社会に通底しているところがありますが、時代も国も違うからその内容は同じではありません。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。