日本政府を怒る朝日や毎日新聞が伝えない韓国人のニュース

 

日本が韓国に対してとった入国制限にあちらは怒り心頭だ。

カン外務大臣は「非常に不適切でその背景に疑問が持たないわけにはいかない」、「日本側の措置は真に非友好的だけでなく非科学的」と抗議して、韓国与党「共に民主党」の院内代表は「日本政府のおかしな防疫戦略」と非難する。

ムン大統領の医療分野の参謀なんて「安倍晋三首相が新型肺炎にかかればよい」と言うのだから、韓国政府の怒りのほどが伝わるではないか。

 

ただこうなると、「韓国の痛みは自分の痛み」とばかりに毎日新聞も不満を伝える。(2020年3月6日)

ソウルに滞在する予定だった盛岡市の自営業女性(50)は「(入国制限の)ニュースを今朝知って『は? 本当に?』と声が出た。政府からこんなに急に方針を出されても困る。すべての予定が狂う」と怒りをにじませた。

「急に出されても困る」「日韓関係悪化が心配」混乱広がる 新型コロナ・中韓入国制限

これは自営業女性(50)と同時に、日本政府に対する毎日新聞の恨みの声とみていい。

 

「韓国の怒りはわたしの怒り」とばかりに朝日新聞も政府に怒る。

朝日新聞の社説(2020年3月7日)

必要性や効果について、納得のいく説明もない。「国民の不安感の解消」を目的に掲げながら、これではかえって混乱を助長しかねない。

中韓入国制限 説明なき転換、またも

 

日本にとって韓国は隣国で友好国だけど、それ以上の関係ではないし、運命共同体なんてありえない。
運命をともにするということは、相手が沈んだら自分も引きずられてしまうではないか。
日韓は共に利益を追求する「共益関係」にあるのだから、ムン政権のコロナ対策失敗に日本が影響を受けてはいけない。
だから今回の入国制限はやむを得ない決定だった。

「韓国の不満と怒りは自己責任」という姿勢の読売新聞と産経新聞も日本政府を批判するけど、それはもっと早く決断するべきだったというものだ。

「すでに市中感染が各地で発生している。遅きに失した感は否めない。」(読売新聞)
「首相をはじめ政府は事態の深刻さを十分理解していなかった。猛省すべきである。」(産経新聞)

たしかにタイミングを誤った感はぬぐえない。

 

さてこれは、本日のこのブログへの検索キーワードですよ。

 

 

韓国との運命共同体を拒否する人と「コロナバラマキ男」に関心(怒り?)を示す人がいる。
愛知県で陽性反応を受けた男が「コロナ菌をばらまいてやる!」と外出した件は前に書いた。

もはやテロの「コロナばらまき男」。守るべき人権はなに?

 

これとは別で、「コロナバラマキ男」に近い韓国人がいたことをご存じだろうか。
日本は韓国全土からの入国を制限をするまえに、感染拡大が特に深刻だった大邱(テグ)市からの入国を拒否していた。

その大邱市で2月15日に公演をした韓国人のバレエダンサーが、27日から北海道を旅行していたことが判明。
というのは、本人がノー天気にSNSでその様子をアップしていたから。

この男が入国したくわしい経緯は不明だけど、FNNプライムニュース(2020年3月3日)の報道を見るかぎり、ウソをついていた可能性が高い。

入管関係者は、「旅行が特別な事情にあたるとは考えにくく、滞在歴を虚偽申告すれば、入国できてしまう」としている。

韓国有名バレエダンサー 入国拒否の“対象”か

 

じつはこの男、新型コロナに感染している可能性があって、韓国の当局から自宅待機を言い渡されていたのだ。
それを破って日本へ旅行したことから、韓国国内で猛バッシングを受ける。
コイツはもう日韓共通の“敵”ですね。
さいわい感染していなかったらしいのだけど、もし陽性だったら「コロナバラマキ男」になって、日韓の外交問題になりかねないところだったわい。

 

韓国へのイメージは確実に悪化

 

でもこれは、日本も悪いんですよ。
大邱市からの入国を拒否する!といっても違う都市の空港から日本へ飛んで、入管でウソをつけば簡単には入国できてしまうのだから。
つまり、日本の措置はザルだったでござるということになる。

今回、制限対象を韓国全土に広げた理由のひとつには、この失敗があったように思う。

FNNや他のメディアが伝えたこのニュース、ネットで調べてみたけど朝日新聞と毎日新聞が取り上げたこん跡がない。
「政府からこんなに急に方針を出されても困る」「納得のいく説明もない」と日本政府を批判する厳しい目の5分の一ぐらいは韓国にも向けてほしい。
入国制限の背景として、このニュースは知っておく価値がある。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

3 件のコメント

  • >盛岡市の自営業女性(50)は「(入国制限の)ニュースを今朝知って『は? 本当に?』と声が出た。政府からこんなに急に方針を出されても困る。すべての予定が狂う」と怒りをにじませた。
    は? 本当に? 意味が分からない。盛岡市の自営業女性(50)の予定が中国・韓国に対する入国制限措置と何の関係が? そこを説明していただかないと。もしかして、それを説明すると読者から反感を持たれるのを恐れてわざと報道しなかったとか? だとするともうフェイクニュースぎりぎりの報道姿勢ですね。

    >必要性や効果について、納得のいく説明もない。「国民の不安感の解消」を目的に掲げながら、これではかえって混乱を助長しかねない。
    そのような処置を取らないことの方が、国民にはより大きな不安感を招き混乱を助長することになると確信しています。なお特定の政治勢力や特定方向のメディアに対して納得のいく説明をする義務は、政府にはないと思いますよ。そもそも絶対反対なんだから納得する気が無いのでしょ? 多くの国民は納得していると思います。

    この処置に対する国民への世論調査の結果:賛成70%以上(NHKニュースの報道より)だそうです。
    両紙は、ますます支持者・購読者を失うでしょうね。

  • 盛岡の女性については「ソウルに滞在する予定だった」という人だったので、それを加えておきました。
    たしかにこれがないと前後の状況が見えませんね。

    中韓への入国制限はほとんどの国民が支持しています。
    ネットの普及で情報源がいろいろあってこれですから、日本に必要な措置なんでしょう。

  • 三島由紀夫「日本人には威張り、外国人にはヘイコラするというのが、明治初年の通訳から、戦後占領時代の一部日本人にいたる伝統的な精神態度でありました。 これが一ぺん裏返しになると、外国人を野獣視し、米鬼撃滅のごとき、ヒステリックな症状を呈し、日本を世界の中心、絶対不敗の神の国と考える妄想に発展します。
     外国人と自然な態度で付き合うということが、日本人にはもっともむつかしいものらしい。 これが都市のインテリほどむつかしいので、農村や漁村では、かえって気楽にめづらしがって、外国人を迎え入れます。」

    出典:「不道徳教育講座」(1960年)

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。