【黄河決壊事件】中国政府が引き起こし、日本軍が住民を救う

 

先日、靖国神社の石柱に、「Toilet」と赤色で落書きされているのが見つかり、大騒ぎになった。
犯人は中国の「迷惑系インフルエンサー」の男で、コイツはすでに出国し、「日本政府への抗議のつもりでやった」と“勝利宣言”をしている。

靖国神社には、明治維新以降、日本のために亡くなった方々の霊が祀られていて、その中には日中戦争で亡くなった日本兵も含まれている。
中国にとって靖国神社は「日本の軍国主義や侵略戦争の象徴」でも、日本人にとっては神聖な場所だから、そこを汚す行為は絶対に許されない。が、犯人は“逃げ切り”に成功しているから、日本が罰を与えることは不可能と思われる。
中国内では、「よくやった! 彼は『英雄』だ」と拍手を送る人もいれば、「彼は注目を集め、動画の再生数を稼ぐために行なっただけ。中国の恥だ」と非難する良心的な人もいるようだ。
後者が上回って、コイツが社会的な制裁を受けることを願う。

 

ほんじつ6月9日は、日中戦争中の1938年に、黄河決壊事件が起きた日だ。
黄河の堤防が爆破され、大量の水が流れ出したことで、数万人の民間人が溺死し、その後の飢餓や疫病などを合わせて 50万人が死亡したといわれる。
これが人為的に引き起こされた洪水であることは間違いないが、規模が大きすぎて、正確な犠牲者数は判明していない。
発生した日について、日本語版ウィキペディアには「6月9日午前9時に作業が終了し黄河の水は堤防の外に流出した」と書いてあるが、英語版ウィキペディアには、堤防は6月5日と7日に破壊されたと書いてあり、正しいのはどっちかよくわからない。
まぁ、細かい日にちは置いといて、1938年の6月に黄河決壊事件が起きたと覚えておけばいい。

中国政府がこんな悪魔にような行為を行なった目的は、進撃をつづけていた日本軍の足を止めるため。
中国軍は日本軍の前進を止めることができず、このままでは武漢や西安の主要都市を落とされる可能性があり、中国政府としてはそれだけは絶対に阻止したかった。
しかし、武力では日本軍に敵わない。
そのため、堤防を破壊し、大地を“海”に変えることにしたのだ。
国民は事前に知らされず、逃げる時間が無かったため、多くの人が濁流にのまれて命を失った。
日本軍は住民の救済作業を行う一方、中国政府は「黄河決壊事件は日本軍が引き起こした」と虚偽の発表を行った。

これによって、中国は日本軍の進撃を止めることに成功したが、それは一時的なもので、この年の10月に武漢三鎮を占領しているから、どこまで意味があったのかは謎。

 

日本軍の救助行為を伝える新聞記事
戦時中は「ウソ記事」も多かったが、これはガチ。

 

日本軍に救出された避難民

 

共産党は黄河決壊事件について、国民党政府を“非人道的”と印象づけるため、893,303人が死亡したという説を支持した。

subsequent communist sources generally upheld the 893,303 figure to portray the Nationalist government as inhumane.

1938 Yellow River flood

 

黄河を決壊させ、人民を苦しめたのは国民党政府だ。
共産党にとっては敵だから、こういうプロパガンダを行うのは当然のこと。
日中戦争で、日本軍が多くの中国人民に苦しみや悲しみを与えたことは否定できないが、それだけではない。
中国政府が意図的に洪水を発生させ、日本軍が多くの住民を救い出した事実もある。
いまの中国の歴史教育で、こういうことを伝えてくれたら、靖国神社や日本に対する見方も違ったものになると思うのだけど。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。