【韓国の反日観】戦後日本、最悪のテロ事件を“美化”するか?

 

韓国の全国紙・朝鮮日報がとんでもない韓国映画を紹介しちゃってます。(2020/07/22)

反日を越えて連帯へ…映画『東アジア反日武装戦線』8月20日公開

韓国のキム・ミレ監督によるドキュメンタリー映画『東アジア反日武装戦線』が8月20日に封切られるらしい。
韓国で8月15日は日本の植民地支配から解放された特別重要な日とされていて、この前後には全国的に「反日愛国」のムードが高まるから、こうした「反日もの」をぶつけるのはちょうどいい。

配給会社アイエムによると、この『東アジア反日武装戦線』のテーマはこんなもの。

戦後日本社会の真の反省を求め、日本帝国主義侵略の歴史を止めて東アジア連帯に乗り出すために行動する人々を記録した。

 

これ自体なら、これまで山のようにあった「反日もの」のひとつにすぎない。
でもこの映画の特徴は、1974年に東京でおきた三菱重工爆破事件とそれにつづく「日帝戦犯企業連続爆破事件」を題材にしていること。
「われわれは、その日本帝国主義者の子孫」というメッセージで始まるこの映画は、「韓国では知られていなかった戦犯企業爆破事件が次々と登場する」ことをアピールしている。

映画のキーワードである「私たちは日本を止めたかった」という言葉は、「『東アジア反日武装戦線』がいまだ成し遂げられていない任務と、新たな意味を打ち立て続けていく姿を暗示する」という。

いやいやいや。
この監督も配給会社も朝鮮日報も正気ですか?

 

「韓国では知られていなかった」と触れ込みだけど、三菱重工爆破事件なんていまの日本でも忘れ去られた事件だろう。
戦後最悪のテロ事件なのに。

この犯行は、第二次世界大戦以前の日本を完全な悪と考え、太平洋戦争を侵略戦争と憎悪していた「東アジア反日武装戦線・狼」によるもので、1974年(昭和49年)に千代田区丸の内の三菱重工業本社ビルと向かいの三菱電機ビルがターゲットにされた。

この年の8月30日午後0時45分、三菱重工業の本社ビル近くに仕掛けられていた時限爆弾がさく裂。
あたりは地獄と化し、まったく関係ない通行人など8人が死亡して、376人の負傷者を出す最悪の爆弾テロ事件となった。

1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件の前まで、戦後最悪のテロ事件といえばこの三菱重工爆破事件を指す。

「三菱をボスとする日帝の侵略企業・植民者に対する攻撃」という犯行動機を発表した東アジア反日武装戦線のメンバーはこんな過激思想の持主だった。

世界進出を行っていた三菱重工業は、犯行時点においても「帝国主義(を支援する企業)」であると断定。グループの政治思想に基づき「経済的にアジアを侵略している」として無差別爆破テロのターゲットとするに至った。

三菱重工爆破事件

そのときのNHKの映像があるので、関心のある人はそれをどうぞ。

 

多数の市民を殺害し、多くの日本人に一生消えない傷を負わせたテロリストは事件後、こんな声明文を発表する。

「爆死し、あるいは負傷した人間は、『同じ労働者』でも『無関係の一般市民』でもない。彼らは、日帝中枢に寄生し、植民地主義に参画し、植民地人民の血で肥え太る植民者である。」

日本を「アジア侵略の元凶」とみなした東アジア反日武装戦線は、アジア侵略に加担しているときめつけた企業をつぎつぎ爆破していく。
くわしいことはここを。

連続企業爆破事件

 

自分の正義のためなら、人を殺してもかまわない。
そんな異常な反日思想はこうやって生み出されていった。

この「研究会」では、「日本帝国主義」がアジアで行ってきた「悪行」について集中的に学習し、過激な反日思想を醸成させていった。(中略)当時の学習資料として朴慶植の『朝鮮人強制連行の記録』などの書籍が使われた。

東アジア反日武装戦線

 

話を韓国映画『東アジア反日武装戦線』に戻す。

この映画で描かれている「戦後日本社会の真の反省を求め、日本帝国主義侵略の歴史を止めて東アジア連帯に乗り出すために行動する人々」というのは、こんな卑劣な反日テロリストのことだ。

すでに戦後数十年が過ぎていて、「日本帝国主義侵略の歴史」なんてとっくの昔に止まっている。
「日本社会の真の反省を求め」という部分は現在の韓国も言っていることだから、百歩ゆずるとしても、数百人の死傷者をだした暴力集団を「東アジア連帯に乗り出すために行動する人々」と持ち上げるな。
テロリストは根絶しないといけないはず。

映画の「私たちは日本を止めたかった」というのは東アジア反日武装戦線の声なのに、これだとまるで彼らが正義で日本が悪者のようだ。
このキャッチコピーは、戦後日本で最悪のテロ事件を「義挙」として正当化してないか?
朝鮮日報の記事を読み返したけど、爆破事件で亡くなった日本人への哀悼の気持ちはなく、テロ行為を美化し、テロリストを称えているようにしか読めない。
多くの市民を殺害して、「植民地人民の血で肥え太る植民者である。」と開き直る連中は人間以下の存在なのに。

「『東アジア反日武装戦線』がいまだ成し遂げられていない任務」って一体なに?
戦後日本に真の反省を求めるということだろうけど、彼らが連続爆破テロ事件の実行犯ということを踏まえたうえでこう言っているか。
背筋が寒い。

8月15日のあたりに「反日もの」を持ってくるビジネス的発想は理解できるけど、配給会社の「国際平和、連帯への拡張に重点を置いた」という主張は意味が分からない。
国際平和の反対側にいるのが東アジア反日武装戦線だぞ。
「反日を越えて連帯へ」とこんな映画を読者に紹介する全国紙もどうかしている。
「反テロ行為のために日本国民と連帯を」ならわかるけど、これだとテロリストと連帯することになる。
監督も配給会社も朝鮮日報も正気か?

 

 

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1 個のコメント

  • >多数の市民を殺害し、多くの日本人に一生消えない傷を負わせたテロリスト

    さらに自分にとっては、罪のない身内の人間を傷つけひどい苦しみをもたらした、許しがたい凶悪犯罪者なのですけどね。そんな奴らをヒーロー扱いするとは。
    しかもその主張をよく理解しようともせず、かつ自分たちが「被害を被った」という歴史を引っ張り出して・・・。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。