日本人の対韓感情が悪化するワケ:謝罪要求に菅首相の返事は?

 

いまの韓国に対する日本人の気持ちを、読売新聞が社説で鋭く的確に指摘している(2019/06/12)

国家間の約束を守らず、国際常識に反する行動をとる国が、信頼を落とすのはやむを得まい。

対韓感情の悪化 「歴史蒸し返し」への苛立ちだ

 

自分が言ったことを自分で否定して、韓国はすでに解決した歴史問題を何度も蒸し返して日本への非難を続ける。
慰安婦問題で日本がさらに謝罪すべきか世論調査で聞いてみた結果、「必要はない」が80%だった。
どちらか分からない人もいただろうから、ほとんどの日本人が韓国の謝罪要求にウンザリしていて、これが対韓感情の悪化の大きな原因であることが見てとれる。
「韓国を信頼できない」と答え日本人は過去最高の74%(昨年は60%)だった。

これは一年前の社説だけど、文政権は相変わらず日本との約束を守っていないし、国際法違反の状態も是正していないから、韓国に対するこの見方はいまも変わっていないはず。

 

日韓関係が戦後最悪をキープするなか、その状態を打破するきっかけを作ろうと、韓国からパク・ジウォン国家情報院長がやってきた。
「韓日首脳共同宣言」という、もはや理解不能な手土産と一緒に。

中央日報の記事(2020.11.10)

小渕首相は植民地支配によって韓国国民に多大な損害と苦痛を与えたことを認めて、痛切な反省と心からの謝罪を表明した。

訪日した朴智元、自民党に「韓日首脳共同宣言」提案

 

これに対して、日本の歴史認識や戦後の平和・繁栄の努力を韓国が評価したことで、韓日関係の「黄金期を可能にした」とか。
これは1998年に金大中大統領が日本を訪問したときに小渕首相と発表した「韓日共同宣言」だけど、これと同じことを菅首相・文大統領で再現しようとパク氏は「新・韓日首脳共同宣言」を提案した。

その意義とはこんなもの。

指導者が大きな枠組みで共に未来志向的に進んでいこうという約束、すなわち政治的宣言をすることで、関係改善の転換点とみなすことができるようにしようという趣旨だ

 

いまの日本の国民感情を考えれば、これは挑発行為にほかならない。
仲直りしたいと考えている人間が「痛切な反省と心からの謝罪」を相手に要求するとか、一体どこの異世界なのか。
こういうのを日本語で「傷口に塩をぬる」と言う。
だから、こうなることは提案する前から知ってた。

中央日報の記事(2020.11.11)

「韓国国情院長の新たな韓日共同宣言提案に、菅政権は『非現実的』という立場」

 

この案を一蹴した菅首相は、いまの日韓関係がとても厳しい状況にあることを伝えて、関係改善のきっかけを韓国側がつくるよう求めたという。
つまり元徴用工訴訟問題について、日本が受け入れられる解決策を文政権が示さないといけないと突き付けたわけだ。
約束を守らない人間が完璧に守った相手に謝罪や反省を要求するという、異次元の発想が変わらない限り、今後だれが来ようと今回と同じ失敗をそのまま繰り返すだけ。
このままでは日本人の対韓感情はさらに悪化して、「韓国を信頼できない」のパーセンテージも上がりそうだ。

今回の会談で唯一ほっこりしたのは、パク氏がこう話したことぐらいか。

朝鮮日報の記事(2020/11/11)

「菅首相の書籍を翻訳して読んだことを伝えると、本にサインしてくれた。個人として栄光だ」と述べた。

日本の首相官邸で25分間会談…「雰囲気は良かった」

パクさん、あなたは一体なにをしに来たんですか?

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。