日本・米国・英国の「ビスケットとクッキーの違い」って?

 

この前3月12日は「ス・イ・ツ」の語呂合せでスイーツの日で、14日は言わずと知れたホワイトデー
ということで今回の話はお菓子だ。

 

日本の社会は義理と恩でできている。
だからバレンタインデーで女性からチョコなどのプレゼントをもらったら、男性はそのお返しないといけない。これは義理というか義務。
チョコやクッキーなどを贈り返すホワイトデーというのは欧米にはなくて、もはや日本の伝統行事だ。

ただこのときには注意があるらしい。
お返しにクッキーをもらった場合、それには男性の特別な意図があるかもしれないと、食の情報を届けるサイト「マカロニ」の記事にある。(2021年3月8日)

クッキーはサクサクした食感で渇いたスイーツ。渡す側の気持ちとしては、友達関係などさっぱりとした関係を望んでいる、興味がないなど、ネガティブな意味合いが込められることが多いのだとか。

もしクッキーだったら?ホワイトデーのお返しの意味がシビアすぎる

 

いやこれは深読みしすぎでは?

それはいいとして、ではもしこれがビスケットやサブレだったら、どんな意味があるのか?
その答えは各自で考えてもらうとして、ここではクッキーとビスケットの違いについて書いていこう。

 

 

スイーツに関しては、ホットケーキとパンケーキと並ぶ『日本二大よくわからん』に指定されるビスケットとクッキー。しらんけど。
もとはどちらもヨーロッパ人が伝えたお菓子だ。
どちらも小麦粉・砂糖・卵をたっぷり使うという、日本のスイーツ史に革命的変化をもたらした作り方ででききているけれど、この2つの違いはなんなのか。

外国人が愛する日本のお菓子/戦国時代の「スイーツ革命」

 

これを疑問に思う日本人は後を絶たない。

 

ビスケットとクッキーの違いは、端的にいえば成分による。
日本では糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれていて、手作りっぽい見た目のものはクッキーとよばれ、それ以外はビスケットになる。
むかしの日本ではクッキーがビスケットよりも”高級品”と思われていたから、消費者が”安物”のビスケットをクッキーと混同しないように、昭和46年にこんな基準ができたという。

でもそれは「厳密にいえば」で、いまの日本で両者はごっちゃにされているから、区別のつかない人もフツーにいる。

以上の情報はロッテのHP「ビスケットとクッキーの違い」から。

森永製菓のHPにある「ビスケットとクッキーのちがいって?」にも、「日本では、ビスケットとクッキー両方の名前が使われていますが、実はこれは同じ意味」とある。
菓子業界では糖分・油分が多めで、手作りに見えるものをクッキーとしてもいい、というきまりがあるぐらいだ。

 

表面がごつごつしていて”手作り感”のあるものはクッキーで、平べったいものはビスケットと分けていいでしょ。

 

では、海外ではどうか?

アメリカでは、日本人の言うビスケットやクッキーは全て「クッキー」になる。
「ビスケット」とはKFCにあるような柔らかい菓子パンのことだ。

 

画像はKFCの公式HPから

 

スタバのビスケットもアメリカ式

 

イギリスには「クッキー」という言葉がないから、ぜんぶ「ビスケット」とよばれている。

これはあるイギリス人の意見。

「In the UK we do use the word cookie to describe only American style cookie with chocolate chips. A biscuit in the UK will snap and can be dunked in tea or coffee. An American biscuit is similar to but not the same as what the UK calls a scone. The American biscuit is savoury whereas the UK scone although can be with cheese sometimes is mainly sweet and served with clotted cream.」

イギリスでは、チョコレートチップのあるアメリカンスタイルのクッキーだけに「クッキー」ということばを使う。
イギリスのビスケットはパキッと割れるもので、紅茶やコーヒーに浸(ひた)して食べることができる。
アメリカのビスケットは、イギリスのスコーンに似ているけど同じではない。
アメリカのビスケットは塩味で、イギリスのスコーンにはチーズが入っていることもあるけど、基本甘くて、クロテッドクリームが添えられている。

 

 

クロテッドクリーム(上)とスコーン(下)
このセットはイギリスのアフタヌーンティーのひとつで、クリームティーといわれる。
たしかにスコーンとアメリカのビスケットは似ている。

 

 

ということで本日のまとめ

サクサクした食感で渇いたものには、「あなたには興味がない」といったネガティブな意味合いがある、ということが事実なら、ホワイトデーのお返しには、日本での定義だとビスケットよりクッキーのほうがいい。
それよりも、アメリカ式のシロップ付きのビスケットだとなおよろし。
クロテッドクリーム・ジャム・スコーンに紅茶という、イギリスのアフタヌーンティー(クリームティー)なら至高のお返しになる。
ただし人によっては気持ちが重すぎて引く。
「むしろアンタならビスケットでいい」という女性もいるはずだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。