【韓国人の指摘】欧米諸国に比べて、日本はこれほど謝罪した

 

日韓関係「崩壊」へのカウントダウンがまた一歩進んだらしい。

韓国の元徴用工訴訟について、日本企業の資産売却命令が初めて出されたのだ。
これで、「日韓関係に深刻な状況をもたらす」と日本政府が警告している「現金化」に確実に近づいてしまった。
実際そんな事態になったら、いまの日韓関係は一度リセットされるはず。

でも日本経済新聞の記事にあるように、この問題への文政権は反応はおそろしく鈍い。
(2021年9月28日)

徴用工訴訟、迫る現金化 動かぬ文政権

韓国政府内でも司法判断を尊重するか、それとも韓日関係を重視するかで意見は割れている。
この件についての日本の立場は明確で、茂木外相のこのひと言に尽きる。

「韓国側が国際法違反の状況を是正することを含め解決策を示すよう強く求める」

日本が国際法違反を認める可能性はゼロ。
文大統領が勇気ある政治決断をおこなって、韓国側が賠償金を出すしか方法はないだろう。
韓国でもその案を検討しているのだが、ネックになっているのはコレだった。

時事通信の記事(9/29)

韓国政府が賠償金を肩代わりして支払う「代位弁済」が有力な案とみられているものの、韓国政府は「被害者が共通して要求している日本企業の謝罪が最も重要な要素」(外務省幹部)という立場。

任期終盤の文政権に重荷 元徴用工訴訟、近づく「現金化」

 

韓国側が日本との合意を破り、国際法違反まで引き起こしたと非難する日本政府に、日本企業は同意しているのだから謝罪なんて考えられない。
両国関係を吹き飛ばす時限爆弾が動き出したというのに、文政権は日本の謝罪を「最も重要な要素」と考えている。
非現実的なことを最優先事項に持ってくるから、「動かぬ文政権」という状態になるのだ。

 

さて「日本の謝罪」について、韓国情報のサイト「wowKorea」で韓国の保守論客が興味深い事実を指摘している。(2021/09/20)

<W寄稿>帝国主義列強による植民地支配「清算」の主要例=韓国が勘違いする補償や謝罪の歴史資料

インドを支配したイギリスは「謝罪無し、正式な補償無し」という立場だ。
アルジェリアを支配したフランスも「謝罪無し、正式な補償無し」。
アルジェリア政府から謝罪や補償を要求をされると、「ざんげ(謝罪)は国家と国家の間の関係ではふさわしくない概念だ」と2007年にサルコジ大統領が拒否した。

ナミビアを支配していたとき先住民を大量虐殺したことについて、ドイツ政府は法的責任は認めず、道義的責任として約1400億円の経済支援をすると発表した。

ドイツのしたことについてはこの記事をどうぞ。

ナミビアでの「ヘレロ・ナマクア虐殺」をドイツ人はどう思う?

フィリピンを支配していたアメリカは「謝罪無し、正式補償無し」という状態。

 

さて真打ち登場だ。
日本は韓国に対して「他の植民地で見られる大量虐殺は無し」と触れたうえで保守論客はこんな事実を列挙した。

日本政府の主な補償については、

・1965年、有償・無償で5億ドル+民間借款
・1990年、日本国外に居住する韓国人原爆被害者への治療基金に40億円
・1995年、元慰安婦らに一人当たり500万円相当(アジア女性基金)
・2000年、樺太残留韓国人の帰国者用マンション(京畿道安山)建設に30億円
・2014年、樺太残留韓国人の帰国者用マンション建設の外に追加支援で50億円(累計)以上
・2015年、日本国外に居住する韓国人原爆被害者への治療費の全額支援開始
・2016年、慰安婦補償金で10億円拠出

日本政府の主な謝罪については「おわび」を含めて、

・1965年、椎名悦三郎外相声明「不幸な過去を深く反省」
・1982年、宮澤談話(日本の教科書で韓国に配慮しなかったことに謝罪)
・1983年、中曽根総理(不幸な過去を謝罪)
・1984年、昭和天皇(不幸な過去を謝罪)
・1990年、平成の前天皇(現上皇)(不幸な過去を謝罪、「痛惜の念」)
・1990年、海部総理(不幸な過去を謝罪)
・1992年、宮澤総理(不幸な過去を謝罪)
・1993年、細川談話(植民地支配などの苦痛を与えたことに謝罪)
・1993年、河野談話(慰安婦問題に謝罪)
・1995年、村山談話(植民地支配などの苦痛を与えたことに謝罪)
・1998年、小渕談話(植民地支配などの苦痛を与えたことに謝罪)
・2005年、小泉談話(植民地支配などの苦痛を与えたことに謝罪)
・2010年、菅直人談話(植民地支配などの苦痛を与えたことに謝罪)
・2015年、安倍総理(慰安婦問題に謝罪)

と読むのがバカらしくなるほど、歴史問題について日本は過去を直視し韓国に頭を下げている。
欧米と比べたら、何という誠意ある対応なのか。
これでも「謝罪が最も重要な要素」と韓国政府が言っているうちは何も動かない。

 

このまえ行われた東京五輪の開会式を韓国のテレビ中継で見ていたソウル在住の日本人が、「これはイカン!」と最も問題になったシーンがあったとジャーナリストの黒田勝弘氏が言う。(2021/07/31)

聖火が福島の子供たちに手渡される場面でSBSテレビが「開会式のメッセージの多くは〝未来〟になっていますが歴史を隠してはいけません」と嫌みを言ったことだ。

ソウルからヨボセヨ 五輪放送で日本にお説教 素直になれない韓国

 

韓国では「被害者」として道徳的優位に立ち、「加害者」である日本に謝罪や賠償を求める動きはまだまだ根強くある。
日本にはもう下げる頭がなくなって、いまは韓国に国際法違反を是正するよう強く求める立場なのに、文政権は日本の謝罪を「最も重要」と考えている。
これじゃ、「日韓崩壊」のカウントダウン待ったなしだ。
それに、「歴史を隠してはいけません」はこっちのセリフだ。
客観的な事実を伝える韓国の保守論客さんの、今後益々のご活躍を期待するしかない。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

ではどうしろと?韓国人の謝罪要求にいら立つフィリピン人

 

1 個のコメント

  • 謝罪が間違いのもと!
    絶対譲ってはダメ勝利と誤認次々要求!

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。