【日本への見方】カラオケと旭日旗にみる、韓国と中国の違い

 

おっと、もう2週間ほどたってしまったか。
1月19日は「のど自慢の日」だったのだ。
1946(昭和21)年のこの日、NHKラジオで「のど自慢素人音楽会」が始まった。
その前年に2回の原爆投下と敗戦を経験したから、みんなで楽しく歌を歌って、重苦しい社会の雰囲気を変えたかったという思いもあったのでは。

その後、世界中に普及した「カラオケ」という日本の大発明もこの延長にある。
コロナ禍のいま超絶的な逆風に苦しんでいるカラオケ。
その誕生からこれまでの歴史を見てみると、日本から世界へ広がったカラオケはそれぞれの国や地域に根付いて、人々の生活を明るく豊かにしてきた。
「アジアの夜を変えた」と表現されるのも納得。

 

日本語を勉強しているインドネシア人から、母国でもカラオケは日本語の「karaoke」がそのまま使われていると聞いて、「圧倒的じゃないか、我が軍は」とちょっと誇らしく思った。
この日本の国民的娯楽は、21世紀のいまでは人類の娯楽と化す。
英語では「karaoke」、中国語で「卡拉OK」、ロシア語とウクライナ語は「караоке」、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、スウェーデン語、ポーランド語、ベトナム語で「karaoke」、フランス語では「karaoké」と日本語が採用されている。

そのことについて、中国旅行でお世話になった日本語ガイドから、

「過去の歴史から、中国人にはどうしても反日感情があります。でも、どんなに日本が嫌いな中国人でも、カラオケは大好きです。この発明にはきっと感謝してますよ」

という話を聞いて、印象的だったからいまでもよく覚えている。

そういや別の中国人ガイドから、絶望的な話も聞いたことがある。
中国語をまったく知らない日本人のおっさんを案内していると、キラキラしたネオンサインで「卡拉OK」と書いてあるのを見て、その日本人が「上下OKって、ここは風俗の店ですか?」と質問した。
「あのときは絶句しました。日本人は本当にスケベですね」とニヤニヤしながら言われ、何も言い返せなかったという屈辱。

カラオケの呼び方について、ボクの知る限り、世界唯一の例外が日本に最も近い韓国だ。
韓国では「歌(ノレ)」と「部屋(バン)」を組み合わせて「ノレバン(노래방)」と呼ぶ。
なんで新しくこんな言葉をつくったのか、韓国人の日本語ガイドに質問してみたところ、

「過去の歴史から、人々の目のあるところで日本語を使うのは良くないですからね。「親日行為」と怒られますよ。2、30年前だったら、その文字を見た酔っぱらいが蹴飛ばして看板を壊すかもしれません」

という話を聞いて、印象的だったからいまでもよく覚えている。
ただ「空オーケストラ」の意味で、韓国にも「가라오캐(カラオケ)」という言葉があるらしい。

 

不幸な過去と反日感情があっても、「負のエネルギー」はやっぱり韓国の方が強いのか。
それはカラオケの呼び方だけじゃなくて、韓国・中国の旭日旗への対応からも分かる。
2018年に韓国軍が国際観艦式を開催したとき、それに招待されて参加を表明した日本の海上自衛隊に、韓国は旭日旗を降ろすよう要求する。
これは国際常識に反することだし、法律にも定められていることから、自衛隊は旭日旗を掲げて出席するというと、韓国与党はこう激怒。

「非常識をもちろん、一抹の良心さえも見られない日本の傍若無人にあきれる」
「日本が旭日旗を誇っているのは、日本が永遠に二等国家にとどまるしかない理由でないかと思う」

くわしい内容は中央日報の記事(2018年10月01日)にある。

韓国与党「旭日旗を誇る日本、永遠の二等国」

*これは反日色の強い与党のコトバで、日韓関係を重視する野党のものではない。

 

旭日旗の掲揚でもめにもめて、結局日本は参加を見送った。

一方この翌年、同じく観艦式を行った中国は旭日旗をまったく問題にしなかった。
自衛隊の”艦隊”を歓待してくれて、市民は5000人を超える列をつくって、艦船の上で旭日旗をバックに自衛官と一緒に記念写真を撮っていたという。

日経ビジネス電子版の記事(2019年6月13日)

旭日旗を掲げた護衛艦を“歓待”した中国

 

中国はカラオケを「卡拉OK」と表現するけど、韓国は「ノレバン(노래방)」にする。
中国は旭日旗を気にしないけど、韓国では激しい抗議活動が起こる。
過去の歴史から生まれる反日感情はそれぞれあっても、現在の日本に対する見方はかなり違う。
こんなことに目を光らせるのは韓国だけで、自国開催の中国でこんな動きはない。

中央日報(2022.02.04)

徐ギョン徳教授「北京冬季五輪期間の『旭日旗』情報提供を」

「永遠の二等国」と「笑顔で歓待」の観艦式が象徴したように、最近はこの韓中ギャップがかなり大きくなっている。

 

在日米軍では日本との友好のシンボルとして、旭日旗のデザインが使われている。

 

 

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2 件のコメント

  • 技術力の優れた国である日本がすぐそばにあり、韓国の経済と産業は急速な発展を遂げることができました。
    しかし、その事実を認識している韓国人は多くありません。ほとんどの韓国人は日本が韓国(それ以前の朝鮮)に対して犯した戦争(壬辰倭乱のような…)や植民支配に対する反感だけを持っています。徹底した反日教育の結果です。しかも、政治的な理由でさらに反日感情を高める政党のため、韓国人の無条件的な反日意識はしばらく消えません。もしかしたらそれが最大の反日の理由でしょう。

  • むかし韓国が行った観艦式では旭日旗を拒否しませんでした。
    拒否感情が強くなっている気がします。
    最近は中国との温度差が大きくなっていると思うことがよくあります。
    ただ観艦式の旭日旗を本気で嫌がった一般人は少ないのではないかと思いますが。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。