中国を嫌う韓国の若者は過去、日本の芸能人に何をした？

パリは燃えているか？

いま韓国の若者は、中国に対する怒りに燃えているゾ。
それがあまりにも激しいから、40代以降の大人、特に与党「共に民主党」の支持者の間では「なんでそこまで嫌うのか？」と理解不能なほど。
でも若い人たちにとってはそれが当たり前、もはやそう思わない方が間違っている。

中央日報（2022/2/8）

【私は告発する】民主党議員の皆さん、青年の目には中国が嫌いではないほうがおかしいです＝韓国

その理由はひとつやふたつではなくて、イロイロたくさんだ。
たとえば、いま行われている北京五輪で韓国人からすると「不正」で、中国選手に有利な判定があって競技が不公平に見えることや、過去の韓国の芸能人に対する中国人のバッシングがある。
ここで取り上げるのは後者。

世界的に有名で韓国の自慢でもあるBTSのメンバーが、朝鮮戦争について「（韓米）両国が共に体験した苦難の歴史を永遠に記憶しなければならない」と発言すると、「米国に対抗した中国共産軍を侮辱した」と中国のネットユーザーに叩かれた。
同じくバツグンの知名度を誇るBLACKPINKのメンバーが、中国の象徴であるパンダを素手で触るとこれまたバッシングを受けた。

でも、ところ変われば見方も変わるから、中国人の怒りにはそれなりのワケがある。
そのパンダはまだ子どもで免疫力が弱いから、人が素手で触ると感染症をうつす可能性があるという。
朝鮮戦争については、韓国と中国の歴史認識の違いによる。
BTSメンバーの発言は韓国人としては当然。
でもあの戦争を、侵略者であるアメリカ（美国）に対抗し、北朝鮮を支援するために戦ったことから、「抗美援朝戦争」と呼ぶ中国人としてはイラっとくる。

韓国の若者にとっては、同じ世代で韓国を代表するような有名人が、ネットで叩かれて侮辱されるのを見ると怒りが湧いてくる。
でも中国人にとっては、「燃料を提供したのはそちらでは？中国でビジネスをするのなら、もっと言動に配慮すべき」となる。
つまり、どっちも引かない。

第三者の日本人としては公平・中立の立場から、玄界灘のこちら側からあちらの対立を眺めるしかない。
でも、韓国の若者にはこれを機会に、ぜひこれまでのわが身をふり返ってほしい。
2019年に平成が終わって令和が始まったとき、TWICEの日本人メンバーのーサナさんが、

「平成生まれとして、平成が終わるのはどことなくさみしいけど、平成お疲れ様でした！！！」

と、日本人としては当たり前のことをSNSに書く。
すると、元号は天皇に関係しているということで、「韓国から出ていけ」「TWICEをやめろ」といった批判が噴出。
しまいには、「日本の軍艦島に強制徴用された被害者の孫」を名乗る人物が、「日本でいまも続いている軍国主義的歴史を、韓国でプロデュースされ活動する日本人メンバーが恥とも思わないことが問題なのです」というコメントを所属事務所のインスタグラムアカウントに送りつけた。

これで精神的に追い詰められるサナさん。
TWICEの韓国人メンバーがサナさんを守ろうとすると、今度は「韓国人なのに日本人を支えるな」と攻撃される。
このバッシングは若者が中心で、「過剰な民族主義情緒のあらわれ」と批判する大人が多かった。

「反日と売国」の韓国文政権・TWICEサナが炎上した理由

これは嵐が過ぎ去ったあとの本人の感想。
中央日報（2019.05.27）

“日本の改元議論”ＴＷＩＣＥサナ「ファンなくなるか怖かった…今は責任感じる」

自分のせいで、韓国人メンバーまでバッシングされたのはつらかったはず。
平成生まれの日本人が「平成が終わるのはさみしいけど、平成お疲れ様でした」と書いて、なんでここまで叩かれるのか。

ただこのときはタイミングが悪かった。
釜山の日本総領事館前の道を「抗日通り」にするとか、地方議会が「日本戦犯企業」を追い出す条例案を持ち出すとか、かなり反日情緒的な動きが与党政治家やその支持者を中心に起きていて、朝鮮日報が「現政権になって、反日は原理主義の宗教のように暴走している」と懸念を示すほど。（2019/05/05）

「反日」で韓国を駄目にして日本を助ける「売国」文在寅政権

中国人がBTSメンバーの発言に怒ったことが、「中国が嫌いではないほうがおかしい」の原因にあるのなら、これまで日本の芸能人に、自分たちが何をしたのか言ったのかふり返ってみてほしい。
叩かれる側になって、気づくこともあるはずだ。