絶対保護のアジール:ロシアで反戦活動をした勇者は行くべき

 

その勇気ある行動に対して、いま世界中から惜しみない称賛と、限りない心配を寄せられている女性がこの方。

 

 

ロシア国営放送のニュース番組で生放送中に、「戦争反対」のビラを持って映り込んでロシアのウクライナ侵攻を批判した。
この抗議によって彼女は、多くの国民が政府のプロパガンダに気づくことを望んだという。
プーチン政権下のロシアで、国営放送で政府批判をしたら、この人はこれから一体どんな目にあうのか?
やってることが正義なだけに日本のネットでも、多くの人が2人の子どもをもつこの女性の身を案じている。

・はい前線おくり
・シベリア行き、その後行方不明かな
・命かけてるな…
・これは勇気あるけど助からないかも
カワイソス
・西側はシビリアンコントロール
東側はシベリアンコントロール
・放送中に処刑されなくて良かった

 

いまのロシアでこの行為は本当に命を失う危険があるから、フランスのマクロン大統領はこの女性の政治亡命を受け入れると公式に表明した。
この場合、彼女がロシアのフランス大使館の敷地へ入りさえすれば、ロシアは絶対に手出しができないから、あとはフランス政府が何とかしてくれる。
こんな外国の大使館のように、その国の法や統治権力が及ばない場所をアジールという。
「侵すことのできない、神聖な場所」というギリシア語を語源とするこの言葉は、「聖域・自由領域・避難所・無縁所」などと呼ばれるとても特殊な場所だ。

日本にもアジールはあった。

アジールの制は鎌倉時代以後、仏教寺院において発達した。ことに室町末期ごろから戦国時代にかけて、寺院アジールの制は発達したようである。

「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説」

 

犯罪人が聖域である神社やお寺へ逃げ込めば、そこには世俗の法が適用されないということで、その地を統治している大名でも手出しができないこともあった。
いまの日本だと、「ほかの先生には言わないから、安心して何でも話して。」なんて言ってくれる学校の保健室がそんなところかも。

とにかくそこに行ったら、無条件で守ってもらえるという避難所がアジール。
上の女性もフランス大使館に行けば、ロシアの法律が通じないから100%の保護が期待できる。というのに、この人は「愛国者としてロシアに残る」と言ってこの提案を拒否。
ここまで世界の注目を浴びれば、ロシア当局もすぐに手を出すことはないと思う。
でもやっぱり、「くずどもと裏切り者をロシアから一掃する」と言うプーチン大統領が支配する恐ろロシアで、生放送中に反戦活動・政府批判をするような勇気と正義感の強い人は絶対保護の「聖域」へ逃げ込んだほうがいい。

 

 

日本の歴史の特徴・君側の奸を討つ②北条泰時の承久の乱とは

キリスト教を知りましょう!「目次」 ハレルヤ!

外国人から見た日本の男性差別①その例:プリクラ店とレディスデー

宗教と女性差別②神道の女人禁制の理由とは?穢れと清め

宗教と女性差別③キリスト教(アクィナス)の女性観「女は失敗作」

 

1 個のコメント

  • おそらく、この女性は他国の大使館(治外法権域)へ逃げ込むとか、海外へ亡命するとかはしないでしょう。なぜなら、彼女の行動は、彼女自身の強い愛国心(ロシア民族への)に裏付けられてのことであると思われるからです。そのことは、あのメッセージの内容からも理解できます。
    今回、比較的軽い処罰で釈放されたのは、そのメッセージがある程度は体制側の人間にも伝わっているのでしょう。

    ただ、この先も彼女と彼女の家族が無事でいられるかは分かりません。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。