読売新聞が「異例だ」と書いているのは、最近日本と韓国で行われた世論調査の結果について。(6/9)
日韓関係「良くなる」急上昇、日本31%・韓国53%に…読売・韓国日報共同世論調査
読売新聞社と韓国日報社が世論調査をした結果、今後の日韓関係が「良くなる」と答えた人は日本で31%(2021年は14%)、韓国で53%(同29%)と両国で1年前よりかなり増えていることが判明。
この期待感の高まりは何といっても、「戦後最悪」の関係をもたらした前政権に批判的で、日韓関係の改善に前向きなユン・ソンニョル政権が先月5月に発足したことが大きい。
日韓両国で「同時に関係改善への期待が大幅に高まるのは異例だ」と読売新聞は書く。
ただ今後の関係については日本では「良くなる(31%)」より、「変わらない」が61%と倍ぐらいある。
全体的には、「見せてもらおうか、ユン政権のいう関係改善の努力とやらを」といった様子見の人が一番多いらしい。
一方、韓国では「良くなる(53%)」が「変わらない(35%)」を上回っているから、あちらの方が期待値は高いし楽天的に考えている。
日韓双方でいまの戦後最悪を脱して、これから関係は良くなるというムードは強まっているものの、そのための方法論となると話は別。
「元徴用工・元慰安婦などの歴史認識問題について、自国が相手国に歩み寄るべきだと思うか?」
この問いに「思わない」が日本で58%(前回59%)、韓国では81%(同79%)という結果で、認識は1年前とほぼ変わってない。
日韓が最悪関係におちいってしまった最大の理由は、前政権の韓国で1965年の日韓請求権協定と2015年の慰安婦合意が実質的に破られてしまったから。
自分がつくり出した問題は、自分で解決しないといけない。
それで日本はいまのこの異常状態を是正するよう、ここ数年ずっと韓国に求め続けている。
でも韓国メディアの報道を見る限り、この「約束違反」はほぼスルーだ。
関係改善にかけるユン政権の意志の高さ・強さを強調していて、それに応えない日本を非難する論調が本当に多い。
韓国側は譲歩を求めるけど、日本は一歩も譲らない。
だから韓国社会ではいま、中央日報のこんな声のようにイライラがたまっている。(2022.06.09)
強制徴用者賠償問題など敏感な懸案に対する日本政府の強硬な立場は一つも変わっていない。いや、歴史問題をめぐってはむしろ韓国・日本の攻守が入れ替わった。
【時視各角】新駐日大使がやるべきこと
こんな調子だから、日韓の外務次官や大臣が会談すると、いつも関係改善が不可欠である点では完全一致して、そのための方法論になると意見がまるで合わず、平行線を確認して終わり。
経済・安全保障の面から両国は「連携・協力していく必要がある!」と強調するけど、次の瞬間、「だが断る!」と言うからまったく距離が縮まらない。
もちろんこれは「どっちどっち」ではない。
日本が国家間の約束や国際法で譲歩することは不可能だから、まずは日本に納得できる解決案を韓国政府が示す必要がある。
でも今月6月、そんな日韓関係が大きく動きそうな気配。
東京で日韓の外相会談、スペインで日韓首脳会談が行われる見通しだ。
ユン・ソンニョル大統領はこれについて、「未来への協力という観点から、韓日間の問題が円満に解決されると予想している」と述べている。
この予想にはそれなりの根拠があるはず。
両国民の間では明るい未来への期待が高まっているのに、この2つの会談でも平行線を確認して終わったとしたら、「山高ければ谷深し」の法則から急速に失望感が広がりそう。
日本に譲歩するのではなくて、自分がした約束を守るということだから、ユン大統領には前大統領との決断や実行力の違いを見せてほしい。
韓国の全政権が誘発した「元徴用工・元慰安婦」問題は、確かに韓国で解決しなければなりません。
しかし、韓国の現政権や国民の考えは違います。彼らは日本の謝罪が優先されるべきだと考えています。
現政権も前政権と同じように韓日近代史に対する認識が不足している人々で構成されていて、韓国民は学校で「反日」教育を受けて成長した人々なので、前政権が犯した問題が正しいと考えているからです。
そのため、依然として韓日関係は「近くて遠い関係」が維持されるでしょう。
時間が長くかかるでしょう。
旅行ができるようになり、日韓で互いの国を訪れる人が増えるというニュースがありました。
政治の対立は続きますが、民間交流は増えていきそうです。
政治問題の解決と個人の楽しみが大きく二分化されているように見えます。