【タバコと大麻】イギリス人と日本人が互いに驚いたコト

 

「日本人の言うことは遠回しで分かりづらい」とアメリカ人が言えば、「それは相手を傷つけないように配慮しているから」と説明し、「日本社会はルールに細かすぎる」と韓国人が言えば「それで気持ちよく生活できる面もある」と強調する。
外国人による日本批判を聞くと、何とか擁護したくなるボクでも、全面的に同意するしかないのがタバコのポイ捨て。

東京・高田馬場駅前にある広場で清掃活動をしている大学のサークルが、回収したタバコの吸い殻が先月5月で11万本に達したと発表。
それでサークルの幹事長が「清掃していても目に見えて減ったという実感がない」、「ごみを持ち帰ってほしい」と呼びかけたと。

このニュースにネットの反応は、批判が8~9割といったところだ。

・喫煙所撤去してから至る所で酷い事になってんな
あと居酒屋禁煙も
・???「日本人は民度が高い」
タバコポイ捨て11万!
・高田馬場が拾ってくれるだけで
渋谷新宿池袋のほうが酷いってことはない?
・タバコの吸い殻なんて全く気にならないけどな
犬の糞の方がひどい

そのうち「高田馬鹿」に改名されるかもなんて思ったら、同じことを考えている人が何人もいた。
いまでは常識になっているタバコの禁煙活動を、人類で初めて政府が主導して全国的に行ったのはナチス=ドイツといわれる。
ヒトラーは友人にその有害さを説明し、やめさせようとするほどのタバコ嫌いだったらしい。
ナチスもドイツ人の健康や命なら全力で守ろうとしたから、本格的な反タバコ運動を展開した。

日本の喫煙と禁煙・人類初の反タバコ運動はナチス=ドイツ

日本は外国人から「いろいろと細かい」とよく言われるが、タバコに関してはけっこう寛容でユルい。

 

2019年にラグビーW杯が日本で開催されたとき、イングランドの試合を目当てにやってきたイギリス人と知り合う。
彼はラグビーが大好きで、たまたま日本が開催地だったから来日しただけで、アニメや寿司などに興味があったわけでもなく、日本の知識はほぼゼロ。
ただ日本は自由民主主義の国で、世界に大きな影響を与えるG7メンバー(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ)にいる唯一のアジアの国ということは知っていた。
中国みたいな共産主義国ではないし、ミャンマーやバングラデシュのような発展途上国でもない。
だから彼は日本をイギリスと同じような価値観を持つ先進国と思っていたから、日本に来て「室内でタバコを吸う人がよくいる。タバコの煙を吸わされて、本当に気分が悪くなったよ」と言う。

北海道で個人経営の小さな飲食店で食事をしていると、不快なにおいが漂ってくる。
「まさか」と思って店内を見渡すと、おっさんが空になった丼を前にして、気持ちよさそうに口から白い煙を吐き出していた。
法律であらゆる店での喫煙が禁止されているイギリスなら、絶対にありえない光景。
それを目の当たりにして、「日本ではコレが許されるのか!」と衝撃的だったとか。
東京で良さげなレストランへ入った時には、店内が大きく喫煙/禁煙の2つに分かれていたのを見て、食事をする気がなくなってすぐに出て行った。

日本ついての彼の印象はとても良い。
どの街もゴミが落ちてなくて清潔で、レストランやコンビニ店員のサービスはすばらしいし、人々はフレンドリーでとても楽しい思いをしてきた。
でも唯一、不快なことがあったのは煙のニオイをかがされたことだけと言う。
ただイギリスも屋外ならタバコを吸えるところもあって、そういうところでは大量のタバコの吸い殻が落ちているらしい。

 

 

そんな屋内での喫煙にはとても厳しいイギリスに、知人の日本人が行ったときのこと。
イギリス人の友人とバーでお酒を飲んでいると、それまで経験したことのない未知の異臭がしてきたから、「なんか変なニオイがしないか?」と聞くと、「これはマリファナ(大麻)だよ。そこらでダレかが吸ってんだろ」と友人は平気で言う。
もちろん大麻の吸引はイギリスで違法行為だ。
でも大麻はイギリスで広く出回っていて、バーに売人がいることもあって、安い値段で手に入るから店で吸ってるヤツもいる。

大麻のニオイは独特で、その日本人はイギリスで自然とそれを覚えてしまった。
昼間に公園を歩いていたら、それが漂ってきて驚いたこともあったという。
そんな違法行為が”アタリマエ”になってる現状に怒る人も多いけど、大麻を吸う若者を捕まえていたら警察の仕事はそれだけで終わってしまうし、その時間や労力はもっと深刻な問題に使うべきという考え方が一般的だから、イギリスで大麻吸引はほとんど野放しになっている。

チャールズ皇太子の次男で王子だったハリー氏は10代のころ、大麻を吸引したことがバレてリハビリ施設に送られたこともある。
皇室なら列島大激震の、ありえないスキャンダルだ。
ここ最近のイギリスでは大麻を禁止するより、合法化する動きが進んでいる。

ニューズウィーク誌(2018年09月05日)

今やあらゆる政党から多くの政治家が大麻合法化を呼び掛けており、中には「医療用に限って」賛成という議員もいる(中略)事実上、イギリスの大麻合法化論争は、1930年代アメリカの禁酒法のようなものだ。

イギリスでもじわり漂う大麻容認の空気

 

いまのロンドン市長のサディク・カーン氏は大麻合法化を公約に掲げて当選したし、まだまだ反対の声は多いとしても、イギリスはこれから大麻容認の方向へ進んで行くと思われ。
日本では大麻厳禁はそのままで、屋内での禁煙の動きが進んでいるから、これからは「相互に」ではなくて、イギリスに行った日本人がニオイに驚くことが一方的に増えそう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。