日本に初めて象がやってきたのは、1408年の7月15日。
このとき若狭国(福井)に、インドネシアにいた華僑といわれる亜烈進卿(あれつしんけい)から送られた象が到着した。
記録に残る限り、これが日本の地を踏んだ初めてのゾウだぞう。
それで現在の小浜市は「日本で初めて象が来たまち」をアピる。
これは室町将軍・足利義持(足利義満の長男)へのプレゼントらしいのだが、このあと義持は朝鮮国王にこの象を贈っているから、それほど興味がなかったかも。
ちなみにこの象は、朝鮮半島にとっても初めての象となった。
動物園にいるおとなしい象さんではなくて、これはワイルドなゾウ
21世紀の日本に目を向けると、きょうは7月16日。
朝の気象情報によると全国的に広い範囲で雨が降るから、洗濯物は部屋干しがおすすめですよと。
なるほど。
ところで、こんな疑問を持ったことがないだろうか。
気象という言葉は、大気の気は分かるとして、なんで「ゾウ」なのか?
馬や豚や鶏出ではダメだとしたら、それは動物差別では?
これだけじゃなくて日本語には、「印象・現象・象徴・事象・心象・対象」と象のつく言葉はたくさんある。
これと車を破壊するゾウにはどんな関係があるのか。
答えから言うと、そんなものはない。
気象や象徴の象はエレファントのことではないから。
いまの地上で最大の野生動物である象はとにかくデカいから、遠くからでも見えるし、形としてもよく目立つ。
そんなことから「象」という漢字は動物から離れて、「かたち」「すがた」「目に見えるしるし」を意味するようになったと日本漢字能力検定のHPにある。
だから動物の「ゾウ」とは関係ないけれど、目に見える自然を写した姿のことを「気象」、行為の目標となるしるしのことを「対象」といって、「象」の字を使うんだ。
もともとの意味は「パオーン!」の象さんで、それが抽象化されていき、目に見えるモノの全体的の形や姿を「象」と表現するようになったから、「印象・現象・象徴」といった言葉が出来上がった。
仏像や神像とかの「像」の成り立ちは、ヒトに似せた形や姿といったことらしい。
足利義持が生まれて初めて象を見て、どんな印象を持ったか。
それを知りたいところなんだが、残念ながらその記録はない。
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