日本人はどれくらいルワンダを知っているのか?
まわりに人に聞いてみると、「ああルワンダね。で、どこ?」という反応ならまだいいとして、ルワンダという国の存在すら知らない人もいた。
そんなことで、日本におけるルワンダの知名度というと、たまにメディアに登場する有名な地下アイドルぐらいのような気がする。
首都名は難問クイズで使われそう。
でも、今回の記事を読めば、ルワンダという国やルワンダ人から見た日本について理解が深まるはずだ。
まずは基本情報から。
面積:2.63万平方キロメートル(九州の面積のおよそ7割)
人口:1,263万人
首都:キガリ
民族:フツ、ツチ、トゥワ
言語:ルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語
宗教:キリスト教(カトリック、プロテスタント)、イスラム教
ソース:外務省ホームページ「ルワンダ共和国(Republic of Rwanda)基礎データ」
これは西アフリカの建物
最近、ルワンダの留学生2人(ともに20代の男性)とご飯を食べに行って、こんな会話をした。
ーーまずは悲報があります。
日本では残念ながら、ルワンダという国はほぼ知られていません。
それはしかたないよ。
ルワンダは小さな国で、日本からは遠く離れているからね。
たまにルワンダを知っている日本人がいても、「虐殺」について聞かれることが多いから、あまり良い気はしない。
*1994年にルワンダで、約100日間で80万人が殺害される悲惨な出来事が起きた(ルワンダ虐殺)。
日本ではこの闇歴史の印象が強すぎて、ルワンダの明るい側面がほとんど知られていない。
ーーでは逆に、ルワンダで日本の知名度はどうでしょう?
何か有名なものってありますか?
ルワンダでは「空手」がわりと知られていて、空手の道場がいくつもある。
ルワンダで空手が有名になった理由? 知らないよ、そんなこと。
空手をする理由は、護身用や健康のためって人が多いかな。
*後で調べたら、ベルギーの大学に留学していたルワンダ人が空手を知り、母国に帰った後に広めたことがきっかけになったらしい。
それと、ChatGPTに聞くと、キガリにある公園には日本から贈られた桜の木があって、日本とルワンダの友好を象徴するものになっているとか。
ーー護身用ですか。
ルワンダの治安ってどんな感じです?
先月、ルワンダの隣国のウガンダで学校が襲撃されて、40人近くが殺される事件が起きたじゃないですか。
しかも、犯人たちは学校の売店から食料を奪って、それを運ばせるために生徒6人を連れ去った。日本だったら、マンガのシーンでも問題になりそうです。
ルワンダはどうなんですか?
ルワンダは違う。
アフリカの中ではとても安全な国で、強盗や殺人事件は少ない。
でも、スリがたくさんいるから、それには注意しないといけない。
特に外国人はターゲットにされやすいから、街中では貴重品を身につけない方がいい。
でも、日本はけた違いに治安の良い国で、本当にビックリした。
たとえばカフェやレストランで、スマホをテーブルに置いたままトイレや飲み物を取りに行っても大丈夫だろ?
無人のテーブルにスマホだけがある光景を初めて見た時は、一体どういうことなのか理解できなかった。
ルワンダの常識ではありえないことだよ。
ーーそれは「日本の常識は世界の非常識」の鉄板例ですね。
スマホを置いたまま席を離れるのは、世界的には「ご自由にお持ちください」でしょう。
それでも盗まれても、まわりからは過失を責められる。
ルワンダは客観的には、どれくらい治安が良いのか?
「Kabira Safari Africa」という海外のウェブサイトには、ルワンダはアフリカでもっとも安全な国の1つで、犯罪率が低く、人々はフレンドリーで旅行者を温かく迎えると書いてある。
Rwanda is one of Africa’s safest locations, especially for solitary tourists. Locals are cordial, friendly, and hospitable, and crime is quite low,
Is Rwanda Safe Today? 10 Top Travel Trips for Travelers 2023
「平和ボケ」はできないが、ルワンダはかなり安全な国のようだ。
1994年の歴史を知ることは確かに大切だけど、フレンドリーな人たちのいる安全なルワンダのこと、時々でいいから思い出してあげてください。
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