【日本の夏】日本人でもツライ酷暑、外国人には“地獄の入口”

最近、夏の甲子園が、いつもと違う角度から注目を浴びた。
試合で高校球児が全力プレーする様子を中継していた画面に、「熱中症警戒」「外出なるべく避けること」というテロップが表示されたから、ネットでは「ブラックジョークやん」「吹奏楽部や応援が１番ヤバい」といったツッコミが殺到。
石川県の馳知事も試合が午後０時半から始まることに対して、「時間帯はおかしいと思います」と疑問を呈したのも記憶に新しい。
こんな酷暑の中、高校生に昼間にスポーツをさせたら、海外だと虐待認定されるかもしれない。

最近の日本の暑さはおかしい。
日本人でさえ熱中症で倒れる人が続出していて、とても耐えがたい状況にある。
いわんや外国人をや。

読売新聞（2023/08/02）

訪日外国人客「まさかここまで暑いとは」…コロナ禍前でも6割が熱中症

コロナ禍が始まる前に、訪日外国人客を対象に行った調査で、57％の人が熱中症の症状を経験したことがわかった。
ことしの夏の暑さは、それよりさらにパワフリャーになっていて、初めて日本に来たドイツ人は「まさか、東京がここまで暑いとは思っていなかった」「ベルリンと比べて蒸し暑く、熱中症になりやすいと感じる」と話す。
だから、ツアーガイドは冷却シートや塩あめをバッグに詰め込み、観光コースでは日陰の多い場所を選んで外国人観光客を案内しているという。

これにネット民の反応は？

・わざわざ外国人に日本の暑さってどうですか？（暑いですよね?！）って聞きに行くほうがどうかしてる
・黒人が『日焼けしちゃうよ』って言ってるやつ好き
・思い知ったか🤗
・そろそろ本州はアロハシャツが制服になるよ
・もう気温が体温超えたら国民の休日ってことでいいよ

以前、ニュース番組でインタビューに答えたカリブ人が、日本の夏を「地獄の入口みたい」と表現したのが印象的だった。

外国人に日本の情報を提供しているサイトでは、もし夏に日本を訪れるのなら、大量の汗をかくことを覚悟すべしと警告する。
もちろんそれは、その人の熱耐性（heat resistance）しだいだが。

If you are traveling to Japan during summer, be prepared to sweat a lot. But it is not unbearable either. Of course, it depends on your heat resistance

SURVIVING SUMMER HEAT IN JAPAN

京都の嵐山にいた外国人観光客さん

これまで日本の夏を経験した外国人から、さまざまな感想を聞いたから、それを紹介していきたいと思う。

・京都で出会ったフィリピン人男性

「日本の夏は湿度が高くてビックリしたよ！　フィリピンではどんなに暑くても、ここまで汗が流れることはなかった。街を歩くとすぐにTシャツがべたつくから、すごく不快になる。それと、日本ではクーラーの効きが弱いと思う。フィリピンでは、どこでも肌寒く感じるほど設定温度を下げるけど、日本では電車やレストランに入ってもそれほどの涼しさがない。だから、いつも物足りなく感じるんだ」

・午前10時ごろ、京都の宿で出会ったフィンランド人女性

「日本は気温も湿度もすごく高い。今朝、大阪のホテルをチェックアウトして、電車に乗ってこのホテルまでやってきた。日本のような暑さの中で歩いたことがなかったから、すぐに疲れてしまう。大阪から京都まで重い荷物を持って移動したから、今日はもうそれだけで十分。いまから休んで、午後は体調が良かったら京都観光をするつもりだけど、そうじゃなかったらゆっくり過ごす」

・日本に住んでいるアメリカ人男性

「アメリカへ帰って、２週間後に日本へ戻ってきたんだ。飛行機から出た瞬間、蒸し暑い湿気のカタマリに体が包まれて、忘れていた悪友を思い出したような気分がしたよ」

そのアメリカ人が成田か羽田空港でもらった、「日本の夏は蒸し暑いから、気分が悪くなったら助けを呼んでね」カード。
「heat resistance」の低い外国人だと日本の夏は命取りになる。

・東アフリカのルワンダ出身の男性

「日本の夏は、実はルワンダよりも暑いし湿度も高いんだ。ルワンダは赤道直下にあるから、日本人はすごく暑い国とよくカン違いしているけどね。でも、ルワンダは標高が高いから涼しくて、暑い時期でも30度を超えることはめったにない。それに、日本みたいにジメジメしていないから、とっても過ごしやすいんだ」

・ロシア人

「ロシアに比べれば気温も湿度もずっと高いから、夏になると毎日ツライ。大学まで自転車で行くと、朝なのに汗が出てきて気分が悪くなる。でも、いいこともある。ロシアではカキ氷を見たことがなかったから、日本で初めて見た時は、氷を食べる発想がすごく奇妙に感じたけど、食べてみたらすごくおいしかった。カキ氷はロシアには合ってないけど、高温多湿の日本の夏にはピッタリ。いろいろな味を楽しめるし、水分補給にもいい。いまでは夏祭りに参加して、浴衣を着てカキ氷を食べることが楽しみになった」

経験上、日本の夏の暑さをあまり苦痛に感じなったのは台湾人くらいだ。
２人の台湾人と８月の京都を旅行した時、湿度も気温も台湾と同じぐらいだから、これぐらいなら問題ないと言っていた。
だがしかし、こんな反応は例外。
日本の夏は、多くの外国人には「地獄の入口みたい」と感じるほど蒸し暑い。
日本には四季のほかにも、死季があるらしい。