1年の中で最も大きく見える満月を「スーパームーン」と呼び、ひと月の間で2回目となる満月を「ブルームーン」という。
そして、その2つが重なるとてもレアな月が「スーパーブルームーン」。
先月の31日、知り合いのバングラデシュ人女性がその天体ショーを見て、スマホで撮影してSNSにアップした。
そのバングラデシュ人女性は日本の大学に留学していて、今月9月に卒業して日本を離れる予定だ。
最近、彼女と会って話をした時、帰国した後で、日本について一番恋しく感じることをたずねると、彼女は「自由」を挙げて、こんな話をする。
「今夜は特別な月を見ることができる」と聞いても、バングラデシュでは日本と違って、女性が1人で夜に外出することは簡単ではない。
自宅の庭ならまず問題ないけれど、それ以外の場所だと、トラブルに巻き込まれる予感しかない。
だから、バングラデシュでは常識的に女性は夜中に外には出ない。
今回の「スーパーブルームーン」についても、バングラデシュにいたなら、きっと自宅の窓から眺めることしかできなかった。
しかし、治安が非常に良い日本では、バングラデシュと比べて女性の行動自由度が大きく違います。美しい月の写真を撮るために、自転車に乗って遠くの場所に気軽に行くことができます。日本なら好きな時に一人で行動することができます。
でも、治安がスーパー良い日本では、女性が1人で行動できる範囲や自由度がかなり広い。
「今夜は特別な月を見ることができる」と聞けば、きれいな月の写真を見るために、自転車に乗って離れた場所まで行くことができる。
バングラデシュにはこの気楽さがない。
バングラデシュでは強盗対策として、家の窓に鉄さくが埋め込まれていることがある。
この女性も以前、日本に住んでいた。
帰国した後に彼女から話を聞くと、日本にいたときと比べて、「まるで鳥かごの中にいるような息苦しさを感じる」と嘆いていた。
日本に住んでいた時、彼女はTシャツにジーンズというラフな格好をしていた。
でも、バングラデシュで女性がそんな姿をすれば目立つし、トラブル招く可能性が高いから、それはできない。
だから、いま彼女が外に出るときは、全身を覆うゆったりした服を着て、ヒジャブをして髪を隠している。
日本について懐かしく感じることをたずねると、やっぱり1人で好きな時間に、好きな場所に行くことができたあの自由さだと言う。
海外メディア『ザ・デイリー・スター』によると、女性にとって安全な国ランキングでバングラデシュは170ヵ国中、152位と最低レベルにある。(2021/10/31)
Bangladesh 152nd out of 170 countries in terms of women’s safety
女性が1人で生活する際、治安が良いというのは最も重要な条件の1つになる。
その点なら、日本は世界でもトップレベルにあるから、彼女はこの2~3年の間、それまで感じたことのなかった自由を楽しむことができた。
夜中に小腹が空いたり、友達と一緒にいて食べ物や飲み物がほしくなったりしたとき、何の不安もなく、歩いて近所のコンビニまで買いに出かけることができる。
夜遅くまで研究やバイトをすることや、早朝から旅行に行くことができて、日本での生活では、本当に安全で自由な時間を満喫することができた。
母国に戻って、愛する家族や友人と再会できることは最高にうれしいけど、好きな時に好きな場所へ出かけられる快適さは失われてしまう。
「デッカイ月を見に行こう」とか「公園の夜桜を見に行こう」と、気軽に外へ出かけることはもうできなくなる。
バングラデシュへ帰国した後、彼女が日本について考えた時、この自由を恋しく思うことはもうわかっている。
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