【秋の日本】バングラデシュ人が感じた国民性や文化

 

きょう11月12日は、日本の伝統的な二十四節気では、「立冬(りっとう)」で冬が始まる時期になる。
そんなころ、以前日本に住んでいて、今は母国にいるバングラデシュ人女性と話をした。
11月は彼女の一番好きな季節で、ぜひ紅葉の写真を送ってほしいとのリクエストがあった。
バングラデシュは熱帯気候だから、豊かな水と緑はあっても、日本のように桜・新緑・紅葉・雪といった四季の美しい風景を楽しむことはできない。
彼女は桜よりはモミジ派で、日本にいたころは、秋になるとよく紅葉狩りに出かけていたらしい。
ということで、今回はバングラデシュ人が「秋の日本」で感じた国民性や文化について書いていこう。

ちなみに、バングラデシュの季節は夏、雨季、秋、晩秋、冬、春の6つある。
といっても、現地の日本人にとって一番過ごしやすいのは冬というから、やっぱり基本的には暑いか暖かい。

 

バングラデシュの自然

 

○日本人の正確な性格

帰国を翌年にひかえ、日本で過ごす最後の秋、彼女は紅葉のメッカ(イスラム教的にはNG表現)である京都へ行こうと思い立った。
彼女が日本人の友人に相談してビックリしたのは、ネットでよくある「紅葉マップ」を見たら、京都には想像していた10倍の名所があったこと。
「すべて行きたい!」と思っても、ラーメンの全部のせみたいにはいかないから、目的地をいくつかピックアップした。

彼女が日本に3年ほど住んでいて、何度も感心したのは日本人の正確性や丁寧さだ。
春には桜の開花状況が何度も更新されるように、秋になると紅葉の色づきをリアルタイムで知ることができるから、この時も、自分の行く時期に合った“旬”のモミジを楽しむことができたという。
日本人にとっては当たり前のことでも、こうした細かいところまで、気配りが行き届いているのはとても素晴らい。
こういう国民性はバングラデシュ人とは大きく違う。
バングラデシュ人は楽観的&楽観的で大ざっぱだから、情報の正確性は低い。良く言えば、細かいことを気にしないから、ミスがあっても「しょうがないよね」と笑って許してくれることが多い。

 

○日本文化としての紅葉

日本では、秋の紅葉狩りが国民的な文化として定着している。
特に京都で見た紅葉は、赤やオレンジ、黄色といった色のモミジがまるでモザイク画のようで、そのキレイに圧倒され、言葉がなくなった。
日本人は千年以上前から紅葉が好きで、知識と経験の積み重ねがあるから、モミジの名所ではその美しさが映えるような設計になっている。
彼女は南禅寺でそれを一番強く感じたという。

お寺によっては紅葉の夜間拝観も行われていて、そこで見たプロジェクションマッピングも期待以上に良かった。
ただし、混雑ぶりも予想以上で、帰りの新幹線に乗ると、疲れが一気に出てきてすぐに寝てしまった。
重い疲労感はあっても、あれだけの人混みにもかかわらず、道にゴミが落ちてないし静かだったから、嫌悪感を感じることはなかったという。
日本人の秩序やマナーの良さも一つの文化だ。

 

日本ではハッキリとした四季の変化がベースとなって、春には桜、秋には紅葉を愛でる文化が生まれた。
その伝統や歴史に観光客を楽しませる創意工夫が加わって、今回はバングラデシュ人の女性を完全に満足させることができた。
でもその分、母国で感じる喪失感は大きくなる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。