ネット上には、日韓の友好グループがいくつもある。
ボクがたまにのぞくグループでは、日本人と韓国人が言葉の学習をしたり、食や観光についての情報を交換したりして、いつもはあったかい雰囲気に包まれている。
ちなみに、そのグループのキラーワードは「世界で一番近い国どうし」「すごく身近に感じる」だ。
ここは友好親善を目的としていて、「嫌韓」や「反日」は共通の敵だから、そんな投稿をする人は即座に排除される。
ただ、メンバーがお互いの国を好きで相手に配慮していても、やっぱり日本人と韓国人では価値観や感覚が違うから、ときどき思わぬものが地雷となってしまう。
最近、ある日本人メンバーが『フットボールゾーン』のこんな記事をシェアした。(11/19)
U-17韓国代表、「無気力」でW杯3戦全敗 母国紙が指摘「アジアでは良くても、世界では通用しない」
インドネシアで開催されたサッカーの「U-17ワールドカップ」で、韓国代表はグループリーグで3戦して全敗し、大会から姿を消した。
対照的に、日本、イラン、ウズベキスタンは順調に勝ち進んだことで、韓国メディアは危機感を募らせ、代表チームに反省や改善を求める。
その日本人は韓国メディアの記事に共感し、こんなことを言う。
以前なら、10代の韓国代表はとても強く、日本はまったく勝てなかった。
世界大会では決勝トーナメント進出は当たり前だったのに、いまの韓国はまるで違う。
韓国が弱くなることは、日本にとってもマイナスになる。
どうして韓国はこうなってしまったんだろう?
この人は、日韓が競い合うことでお互いが力をつけていき、世界で勝っていくことを理想と考えていた。
そのために、韓国は日本の良いライバルでいてほしいから、もっとがんばってくれとエールを送った。…つもりだったのだろうが、韓国人メンバーの理解は違った。
・いちいち反応しなくてもいいのに。
しかも喜びすぎ。
・それが何ですか? 韓国が負けるのを見てうれしいんですか?
・もし、日本がトーナメントで脱落しても、私ならわざわざこのグループに投稿しませんね。
なかには、「이 글은 안타까운 마음을 담은 내용입니다. 조롱하는 글이 아니고요」(この記事は韓国をバカにしているわけではない)と擁護する声もあったが、全体的にはこの投稿を不快に感じる人がほとんど。
投稿者にとっては予想外の反応だったようで、「私が“喜んでいる”と解釈されるのは心外です」と怒り出す。
韓国では、「日本が相手ならジャンケンでも負けてはいけない」と言われるほど、日本に対するライバル心がとても強い。
だから、日本のメディアならスルーするようなことでも、韓国では全国紙が取り上げる。
中央日報(2023.11.07)
韓国公取委が日本に勝利…韓日公務員サッカー対決2勝1分け
今年に入ってから、日韓の公務員が3回サッカーの試合をして、韓国が2勝1分けと日本を上回っている。
しかし、日本人にとっては、「で?」と言いたくなるほどどうでもいい。
この記事のタイトルだと、目的は交流よりも勝ち負けにありそうだ。
日本人の感覚からすると、試合よりも韓国の対抗心の強さが目を引くから、『フットボールゾーン』がそのへんを記事で取り上げた。(11/7)
公務員の“サッカー日韓戦”も熾烈 韓国開催の親善試合に母国メディア注目「交流も再開」
日本のネット民はこんな日韓戦に興味がないから、反応も冷ややかだ。
・日本側は日韓戦などと思っては居なかったと思う
・ただの接待サッカーじゃないの?
・日本代表の写真をただの草サッカーの交流会に使うな
これからの業務をスムーズに進めることを考えたら、日本はむしろ勝ちを譲ったほうがいい。
公務員サッカーで、“遺恨”が発生したら冗談じゃない。
日本人からしたら、こういう試合こそ「いちいち反応しなくてもいい」となるのでは?
このイベントは日韓の親善交流が目的のはずなのに、全体的には日本が韓国の“熾烈さ”に引いている。
日韓ではお互いにライバル心があっても、その強さには大きな差がある。
日本が好きで友好関係を望んでいる韓国人でも、日本に対しては「上か下か?」の意識からは逃れられない。
だから、「韓国はもっとがんばってほしい!」 という日本人の投稿が、韓国人には“上から目線”に感じられて、「韓国が負けるのを見てうれしいんですか?」と冷ややかに反応してしまう。
この投稿をした日本人は、それなりに韓国のことを知っているのだろうけど、このへんの国民感情までは理解していなかった。
日本人からしたら何でもない一言でも、韓国人が対抗心を刺激されると、まったく別の解釈をされて、場の空気が悪くなることがある。
逆に、日本人が韓国の「日本より上か下か?」のライバル心に触れると、きっと疲れてしまう。
韓国公取委が日本に勝利したとか、ホントにどうでもいい。
それより代表チームの改善を考えないと、サッカー日韓戦は公務員の試合でないと勝てなくなるかも。
お互いに相手の国が好きで、友好親善を望んでいるグループでも、このギャップは埋められない。
韓国人と中国人が驚いた日本人のマナーの良さ。これは大切にしよう。
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