最近の日本では、スーパーやドラッグストアへ行けば、ビビンバやチヂミ、ハングル文字が書かれたお菓子がふつうに売られている。
韓国の食べ物が定着した証拠だ。
その中でも、日本で特に知名度と人気が高いのがキムチ。
これはご飯に合うから、日本人は昔からキムチを食べていたし、冬のキムチ鍋はすっかり定番料理になった。
でも、というか、だからこそ、韓国では不満や危機感を感じる人がいると中央日報のコラムが指摘する。(2023.11.28)
【グローバルアイ】真の味、真のキムチ
いまの日本は、近所のコンビニで簡単にキムチを手に入れることができる“キムチ大国”だ。
韓国人としても、キムチが日本社会に浸透していることはとても好ましい。
問題は、日本の消費者が好きなのは韓国のキムチではないことだ。
日本には昔から、「魔改造」の文化がある。
日本人は海外から伝わったモノを、自分たちの好みや感覚に合わせて変え、日本化してしまう。
それで、ひな祭りや鯉のぼりを見ても、その起源が中国文化にあることが分からなかった中国人もいる。
日本には作り変える文化があって、韓国のキムチも例外にはならなかった。
日本でよく売れているのは、日本のハクサイを使い、少し甘めに味付けをしたキムチで、本場のものはあまり人気がない。
韓国に3、4回行って、何度も韓国キムチを食べた経験から言わせてもらうと、あれは辛すぎて一般の日本人の舌には合わない。
がんばって食べたけど、お皿に載ったキムチの8割を残してしまって、罪悪感を感じたこともある。
ちなみに、いまグーグルで「韓国のキムチ」を検索したら、「辛い」「酸っぱい」「まずい」「検索してはいけない」という身もフタもない、率直すぎる関連ワードが出てきた。
こんな無慈悲な現実から、日本で韓国キムチは愛好家が手に取る商品になっていて、あまり普及していない。
日本のある企業は約 40年前から、ハクサイも調味料もすべて韓国のもので作るキムチを販売している。
しかし、その韓国キムチの販売は苦戦していて、社長は「韓国キムチの真の味をそのまま守るのが目標」と語る。
日本で韓国の味を守ることはそれほど困難なのだ。
「日本でキムチが大人気!」といっても、韓国の味が消された日本キムチだったら、韓国人として不満を感じるのも当然。
このコラムには、「発酵が進んだ味、ムグンジの複雑で深い味わいをまだ日本の消費者が分かってくれない」とある。
だから、「真の味、真のキムチ」を伝える努力が必要だと強調する。
以前、韓国人の友人と話をしていて、チヂミは“日本語”と知って意外に思った。
韓国では「プチㇺゲ」や「チョン」と言う。
チヂミは、もともとは韓国・慶尚道(キョンサンド)で使われている方言で、そこから来た在日韓国人が使っていて、それが「チヂミ」という日本語になったらしい。(チヂミ)
(言葉も日本化するのだ。)
それで友人からは、韓国へ行ったら「チヂミ」ではなく、韓国語を使った方がいいとアドバイスを受ける。
それでは意味が通じないという理由だけでなく、彼としては、外国人も韓国では正しい韓国語を使ってほしいという愛国的な動機もあったようだ。
そう考える韓国人はほかにもいる。
日本に住んでいた知人のアメリカ人は、「キムチ」という日本式の発音に慣れてしまったから、ソウルの小学校で英語を教えるようになってからも、そう言ってしまった。
すると、小学生から「先生! その発音は間違っている」と突っ込まれ、正しい発音を教わったという。
アメリカ人が感じた日本と韓国の“キムチ”の違い:発音や愛国心
韓国の人たちは、キムチの味だけでなく、外国人に“真の発音”も求める傾向があるようだ。
発音なら簡単に変えることはできるが、味覚はそうじゃない。
日本人の舌を変えるのは難しいから、それならいっそ、日本のキムチ人気に乗っかってはどうか?
海外では「e」を「イィ」と発音することがあって、酒(Sake)を「サキィ」と発音する外国人はよくいる。
それを「サケ」と、正しく呼ばせる努力をする日本人は聞いことない。
それどころか、日本の店では、海外の日本酒人気を利用して、日本酒をトニックウォーターや炭酸水で割った「サキニック(SAKENIC)」というカクテルを売り出すところもある。
日本酒をベースにした「サキニック」はきっと日本人にも合う。
「深い味わいをまだ日本の消費者が分かってくれない」という不満から、日本人にそれを分からせようとするよりも、甘いキムチも一つのジャンルと認め、韓国キムチを守りながら、日本キムチをベースにして新商品を開発する方が、会社にとっては良い気がする。
まぁ、社長が「真の味をそのまま守るのが目標」と話すのも、海外の日本食に置き換えれば気持ちはわかるけれど。
外国人に日本の食べ物は人気でも、日本の味は受け入れられないという状態はたしかに悲しい。
グーグルで「韓国のキムチ」を検索したら、ポジティブな関連ワードがたくさん出てくる日はくるのだろうか。
「飢え」が変えた食文化。日本と世界(ドイツ・カンボジア)の例
そうなんですね。
キムチ(김치)といっても日本人の口に合うように改造されるのは自然なことですよね。
寿司も日本の寿司と韓国の和食屋で作る寿司は少し違います。日本の寿司はたいてい魚を熟成させておいて使いますが、韓国ではその場で刺身をすくって使うことが多いです。
それで日本の寿司は柔らかくて、韓国の寿司は少し硬いですが新鮮感を感じます。
このような違いが生じるのは自然です。
私もタイや中国で日本料理を食べたましたが、味は日本と違います。
韓国の日本料理も韓国人に合わせて、日本と違っているでしょうね。
日本人に韓国キムチが辛すぎるのはしかたないですよ。