外国人に日本人の印象を聞くと、「よくルールを守る」と「礼儀正しい」は鉄板で、欧米人もアジア人も、アラブ人もアフリカ人もこの2つを挙げる。
しかし、ものには限度はあると、日本人でも思う。
HTB北海道ニュース(1/19)
「津波になったら許可もへったくれも」津波避難 踏切外での線路横断を条件付きで認める方針 JR北海道
地震が発生し、津波が押し寄せたとしても、JR北海道は「踏切以外のところで線路を横断してはいけない」というルールを適用している。
しかし、「テレビを見てないで逃げてください!!」とアナウンサーが絶叫しているような緊急時でも、市民はそれを守らないといけないのか?
このルールには現実に合っていない部分もあるということで、JRは条件付きで、線路への立ち入りを認める方向に動いている。
これに対し、ある市民は「(津波がきたら)許可もへったくれもない」と言う。
そりゃそうだ。
ほとんどのネット民も同じ思いだ。
・いかにも日本らしいな
・大地震直後に列車を動かすわけがないのに
馬鹿かよ
・社長のハンコ貰うまでは許可できません
・線路をまたぐのが避難への最短距離なら、またぐ一択だろうw
・元から警報発令時は緊急避難扱いで線路横断くらい認めておけよ
人間が生きるか死ぬかの瀬戸際にいて、それでも線路を迂回して避難するのなら、津波だって線路や赤信号で止まってくれないとフェアじゃない。
ただ、「決まりは破っていい」というルールを事前に作っておくのは大事。
ルールに対しては、守る人も破る人もいれば、ズルをして無効化するヤツもいる。
まえに近畿のある居酒屋で、「トイレに食べ残しの料理を流すのは止めて下さい」という貼り紙があってネットで話題になった。
食べ放題のコースを注文した客が追加料金(1000円)を払いたくなくて、食べきれない料理をトイレに流したから、こんな注意をしないといけなくなったらしい。
こういうヤツには、追加料金に罰金を添えた額を請求してもいいが、ズルではなくて、宗教的な理由だとそうもいかない。
これは、日本に住んでいたインドネシア人のイスラム教徒から聞いた話。
あるとき、彼の友人のインドネシア人がバングラデシュ人の友だちを誘って、食べ放題の店へ行った。
彼らは合計4人で、みんなイスラム教徒だ。
店で食事をしていて、1人がある料理をテーブルに持ってくる。
すると、イスラム教にくわしい人がそれを見て、「ちょっとマテ、その食べ物はマズイかもしれない」と言う。
イスラム教の信者を表す「ムスリム」という言葉は、アラビア語で「神に絶対服従する者」を意味する。
豚肉やアルコールを口にすることは宗教的に禁止されているから、ムスリムにトンカツやビールはNG。
醤油やみりんも作る過程でアルコールが発生するから、彼らは摂取することができない。
もちろん、ムスリム用のものならOKだ。
食べ放題の店でムスリムAは、Bが運んできた料理を見て、このタブーに触れているかもしれないと感じた。
それを聞いたBは料理に手をつけず、テーブルに置いて別のものを取りに行った。
おいしい食べ物と楽しい会話で、腹も心も満たされて食事会は終了。
会計を済ませようとしたとき、店員から、食べ残しがあったという理由で追加料金を請求され、彼らはプチパニックにおちいった。
事情を説明しても、店は宗教を理由にルールを変更することはできないと拒否し、追加料金の支払いを迫る。
払わなかったら警察を呼ぶと言われたから、彼らはギブアップして、仕方なく追加料金を払って店を出た。
楽しい気持ちは吹っ飛んで、彼らの心は不満と怒りでいっぱいになる。
これは間接的に聞いた話だから、くわしい事情は分からない。
もしかすると、宗教的なタブーが理由で、ほかにも食べ残したもの(または手をつけなかったもの)があったかもしれない。
この一件について、知人のインドネシア人はこんな話をする。
「イスラム教の重要な祭りがあると、山のような食べ物を用意して、みんなで食べるんです。当然、大量の食べ残しが出ますけど、そのまま捨ててしまいます。彼らも習慣的にそうしてきたから、食べ物を残すことの感覚が日本人とは違うと思います。罪悪感なんて感じないでしょうね」
店には店の言い分があるとしても、追加料金は、食べきれない量を取ったことに対するペナルティーだろうから、宗教的な理由はその対象外にしてほしかった。
トイレに料理を捨てるような下衆な行為とは、まったく違うのだから。
日本の仏像を破壊するイスラム教徒を、在日ムスリムはどう思う?
「Why did you come to Japan(You は何しに日本へ?)」は失礼な質問?
アレルギーで摂取が命に関わるならまだしも、宗教を例外にしてはいかんでしょう。精神性はどうあれ、タブーも食べ切れないのも料理を残したことに違いはないのだから。
もちろん、そういう見方もあります。