2020年にドイツの首都ベルリンで、現地の韓国団体が主導して慰安婦像(韓国では“少女像”)が設置された。それだけでなく、像の碑文には、日本がアジアの女性を強制連行し、性奴隷にしたという説明が書かれていた。
これは、日本と信実への「挑戦状」になる。
日本政府は強制連行・性奴隷説について、証言はあっても根拠がまったく存在しないことから、これまで何度も否定してきた。この事態を放置すれば、像が根拠になってしまう可能性があるため、岸田首相や外務大臣がドイツ側に遺憾の意を示したり、抗議をしたりしたが、その効果は特に見られず、この4年の間、像はずっと置かれつづけててきた。
しかし、日本の取り組みは微力であっても、無力ではなかったらしい。
2か月ほど前にこんな動きがあった。
中央日報(2024.05.22)
「日本にだまされてはいけない」…徐坰徳教授、少女像撤去を示唆したベルリン市長に抗議
この時、ベルリンのウェグナー市長がこの状態を放置することはできないと、像の撤去を示唆したことで、韓国内では怒りの声があがった。
その代弁者が、ウィキペディアで「民族主義的主張の代弁者として引用する主たる人物として知られる」と紹介されている徐坰徳(ソ・ギョンドク)さん。
彼が市長にメールを送り、「あなたは日本にだまされている」と警告し、「歴史を正しく直視し、次世代に恥ずかしくない賢明な判断をすることを望む」と強調したという。
このソさんは日本の韓国ウォッチャーの間で、「メール職人」としてわりと有名な人。
ただ、2020年にこの像が設置された直後、ミッテ区庁は事前に碑文の内容を知らされていなかったと不快感を示し、韓国団体に像の撤去命令を出している。「あなたはだまされています」というのは、日本のセリフでもあるのだ。
結局、ウェグナー市長は「これ以上(韓国側の)一方的な表現があってはならない」という理由で、先日、団体に象の撤去を要請した。
海外で慰安婦像が設置されると、すぐに日本の全国メディアが一斉にニュースで伝えるから、国民の間でも広く周知される。そして議論が分かれる、ということはない。
『ヤフコメ』を見ると、
「今すぐにでもこの隣国の団体の主張の根拠の無さを国際社会に伝えていくべきだと思う」
というコメントに対し、「共感した」が1万を超えた一方、「うーん」は 118しかない。(7月13日の午前中の時点)
この傾向はいつも同じだ。
慰安婦問題に関するニュースでは、像の設置に反対し、世界に日本の主張を伝えるべきという意見を支持する人が圧倒的に多く、それに共感する人としない人では「50:1」や、時には「100:1」と圧倒的な差がでる。
少数の例外がいるのはどのコメントでも同じで、慰安婦問題について「世論が分かれる」という状況にはならない。
海外で慰安婦像が建てられることは、日本にとっては良いことではない。
でも、結果として、「強制連行や性奴隷説には根拠がない。日本はそれを世界に伝えるべき」という声が日本で高まるというポジティブな副作用もある。
日本政府がその意見に応えるかどうかは知らないけれど。
> 結果として、「強制連行や性奴隷説には根拠がない。日本はそれを世界に伝えるべき」という声が日本で高まるというポジティブな副作用もある。
本当に、そこまで行けばいいのですけどね。現実には、新聞・TVなど大手のメディアはそのような意見を世の中へ発信することはほとんどしてません。