8月31日は、1888年にイギリスで切り裂きジャックによる最初の殺人事件が発生して、イギリス社会を震撼させた日。
その4年後、1892年の同じ日に、日本では伊藤博文が総理大臣となって、第2次伊藤内閣がスタートした。
伊藤はヨーロッパを見て回って近代化について学び、帰国後に内閣制度を整え、大日本帝国憲法をつくり(起草し)、1889年の2月、日本初の憲法が明治天皇から発布された。
4回も首相になって日本の近代化に貢献した伊藤博文が、戦後、千円札のデザインに選ばれるのも納得。
さて、日本と韓国では歴史認識、特に近代史の見方がよくひっくり返る。
日本人にとっては偉人の伊藤博文も、韓国ではすさまじく嫌われている。
日本が日露戦争に勝利し、1905年に第二次日韓協約が結ばれて韓国が日本の保護国になると、伊藤博文が初代韓国総監に任命され、韓国へやって来た。
このことで現代の韓国社会で彼は「朝鮮侵略(侵奪)」のシンボルとなっている。伊藤博文は言ってみれば悪の化身で、イギリスにおける「切り裂きジャック」にような悪漢に見られているかもしれない。
そんな韓国社会の空気は、中央日報が掲載したこんな記事からもわかる。(2024.05.11)
入院中の共に民主党代表「伊藤博文の子孫、LINE侵奪…大韓民国政府はどこにいるのか」
このときソフトバンクと韓国のネイバーとの間で、LINEヤフーの資本関係の見直しを協議していた。これについて、韓国側で松本総務相が「圧力を加えた」という非難が出てくると、最大野党の李在明(イ・ジェミョン)代表がそれに乗っかって、松本氏が伊藤博文の子孫(高祖父)であることを指摘し、国民にこう訴えた。
「伊藤博文は朝鮮領土を侵奪し、伊藤博文の子孫は大韓民国サイバー領土『LINE』を侵奪している」
ある人物の言動ではなく、その「血」を非難する発想が差別的で、この発言こそ問題だと思うのだけど。
とにかく伊藤博文と同じ血が流れているということで、韓国で松本氏は「絶対悪」にされてしまった。全国紙に「伊藤博文の子孫」と書かれたら、そうなるしかない。
これは日韓の企業同士の話だから、韓国政府も最初は静観していたが、野党や国民からその態度が「親日(売国)的」だと非難されたため、動き出した。
韓国世論が悪化したことで、現在ではこの問題は凍結されている。
朝鮮王朝の末期、イギリス人のイザベラ・バードが朝鮮半島を旅行した。
彼女は、当時の朝鮮社会には両班と呼ばれる官僚がいて、彼らが国民からカネを不当に奪うことが国中で広く行なわれていることを知り、 「朝鮮には階層が2つしかなかった。盗む側と盗まれる側である」と表現する。
それで、「朝鮮には、その内部から自らを改革する能力がないので、外部から改革されねばならない」と結論づけた。
朝鮮で支配階級にいた人間が庶民から搾取していたことは、日本も問題視していて、日清戦争の勝利のあとに朝鮮で影響力をもつと、日本は社会にはこびる腐敗を除去しようとした。
そのことについてバードはこう書いている。
「堕落しきった朝鮮の官僚制度の浄化に日本は着手したのであるが、困難極まりなかった」
韓国総督となった伊藤博文も「浄化」に取り組む。
*以下の「 」は、 『韓国を自滅させるな: 韓国統監就任から ハーグ密使事件まで 現代語訳 伊藤博文演説集(Kindle版)』からの抜き出し。
伊藤は、「韓国の施政を改善することは日韓議定書に基づき日本政府が負担する義務」であると強調し、韓国人民の貧困は国の内外に広く知られていて、こうした人たちを救済しないのなら、「日本が韓国保護の責任を果たさない」と指摘した。
そして、こんな強い思いを語る。
「けれども韓国政治の腐敗は遠い昔から由来していますので、一朝に改善するのは容易なことではありません。ですから法令を定め、単に表面上の改革を履行するのは何ら困難なことではないとしても、そのようなことで施政改善の目的を達したわけでは決してないと信じます。」
法的に禁止するだけでなく、内側から政治腐敗を取り除こうとした。支配階級の抵抗にあっても、伊藤博文は改革を進めていく。彼らからしてみれば特権を奪われることになるから、すさまじい反発があったはず。
現代の韓国では、これが「朝鮮侵奪」となる。そして、伊藤博文の「侵略の元凶」のイメージに反する主張をすれば、「親日(売国奴)」と非難されるから、あえてそんなことをする人はいない。皆無ではなく、マレにそんな人が現れるが、漏れなく袋叩きにされる。
でも、日本人なら、伊藤博文の韓国総監としての覚悟を知っておいていい。
【1871年の明暗】日本が近代化に成功し、朝鮮が失敗した理由
韓国で一番誤解されている人物が伊藤博文でしょう。
彼の反対側には抗日独立闘士の化身である安重根義士がいるからです。おそらく、韓国人の99.9%が伊藤を朝鮮侵略の元凶と認識しているのでしょう。しかし、歴史的な事実は、彼が朝鮮の独立を守り、日本に友好的な国、朝鮮を作るために努力したということです。さて、このような事実を知っている韓国人はほとんどいないというのが両国間の埋められないgapです。
もし、韓国人に伊藤博文の実体(朝鮮の独立を支持したことなど)が知られたら、韓国人は大きな衝撃を受けるだろうし、韓国史は新しく書かれなければなりません。
韓国社会は大きな混乱に陥りかねません。
しかし、当分の間(おそらく少なくとも10年以上)、そんなことは起こらないでしょう。 なぜなら韓国には反日戦士が溢れているからです。彼らが全力で「事実」と「真実」を遮断するでしょう。
>韓国で一番誤解されている人物が伊藤博文でしょう。
本当にそのとおりです。
友人の韓国人も伊藤博文を「悪魔」のように考えていましたが、彼が具体的に言ったことややっことを知りませんでした。
伊藤博文を少しでも肯定することは、安重根を否定することになるので、現代の韓国では現実的には不可能だと思います。